昨日、羽田の国際線ターミナルと4本目の滑走路がオープンした。
いよいよ、羽田空港が国際空港として本格的に再出発することになったわけだ。
上記写真は羽田国際線ターミナル内部。
成田空港の乗り入れキャリアに勤める者としては、その動向が気になってしょうがない。
首都圏の人口とそこを訪れる人達の利便性を考えると、羽田利用の方が良いに決まっているから、どう考えても成田空港の将来的な地盤沈下は避けられないと思う。
救いは、羽田だけでは日本の玄関口として抱える需要のすべてを賄えないということだろう。
そこに活路を見出して、羽田との棲み分けをしない限り、成田の行く末は厳しいものになってしまう。
当面は近場の東南アジアとビジネス需要の欧米路線のフライト中心が羽田、それ以外を成田という位置づけになるだろう。
しかし、これは単純に羽田の24時間オープンと首都圏からの近さのメリットによる運用ということに他ならず、この棲み分けだけでは首都圏のニーズには応えられないから、発着枠が増えるにつれ、どんどん羽田においしい路線を取られていくという不安が尽きない。
そうなると成田空港が生き残るには乗り入れ先空港の多様さとトランジット空港に徹する道しかあるまい。
上記写真は成田空港第二ターミナル。
乗り入れ先の主だった所は羽田に取られるけど、全部は到底無理だから、日本への乗り入れ希望のある所をどんどん受け入れて、その路線の種類の多さを売りにするしかない。
とはいえ、どのエアラインも羽田希望だろうから、それに漏れたのを拾いまくるしかないんだろうな。
もうひとつは成田空港を始点・終点として考えるのではなく、成田空港を拠点にして真のハブにするということだろう。
首都圏の国際空港というより、日本の空の玄関という位置づけが望ましい。
つまり地方から海外、海外から地方へ行く際、成田乗り継ぎで行ける利便性を高めるということだ。
現在、日本の地方空港から韓国の仁川空港経由で海外へ行くルートが確立されていて、日本のお客さんが相当数奪われっぱなしになってる。
まずは、これを取り返すのが急務だろう。
日本国内便への乗換えや首都圏への客は羽田へ行けば良いし、海外へ行く客は成田で拾うカタチにすれば良いと思う。
勿論、羽田も国内・国際線が併設してるので競合するけど、国内線と国際線のターミナルが離れているから、同じターミナル内なら、断然成田のほうが有利になるはず。
他には世界各地から客を集めて成田乗換えで世界へという部分もあるはず。
最近注目されてるローコストキャリアーなんか、客を集めるには、まさにうってつけだろう。
是が非でも成田空港は存続させていって欲しいね。
当然中身が伴っての話だから、官民一体となって知恵を絞って欲しいものだ。
羽田に負けるな、なーんてね。
とにかく、成田空港には次なる役割をしっかり与えないと、あの土地を巡る争いがなんだったのかという気にもなります。
国の航空行政の無策ぶりのツケを今払わされてるわけですが、皮肉にもその指導の下に出来た地方空港から客を吸い上げて仁川空港に大韓航空が人を集めてるから面白いものです。
仰るとおり、成田が地方空港とのパイプを広げ、羽田が国際線の拡充すれば、おのずと奪われた客は簡単に取り戻せると思います。
ただ、それを成田が担わなくては意味がないんですけどね・・・。