こだわりの生活

ヒゲオヤジの何でもやってみよう、見てみよう挑戦日記

命の期限

2007-10-26 14:49:43 | 日記・エッセイ・コラム

先日、木原光知子元水泳選手が亡くなった。

くも膜下出血だった。

59歳の若さで、突然この世を去った。

テレビで活躍してる所を見たばかりだったので、とても信じられなかった。

事故で突然亡くなるのと同じで、自分の余命も知らず、気持ちの整理もつかずに突然死んでいくというのは余りにも切ない気がする。

Main_01おりしも「象の背中」という映画が明日10月27日より公開されるが、自分に照らして自分の余命のことを考え、どう生きていくべきかちょっと考えさせられた。

若い頃は死とは遠い存在であって身近な問題ではなく、深く考える事はしなかった。

勿論、死ぬ事は怖かったが、自分の身に降りかかるとは到底思えなかった。

死とはどこか他人事であって、それ故に突然死についても簡単に受け入れられるところがあり、それはそれで楽だという風に簡単に考えていた。

死ぬ可能性が殆ど無い事が前提で考えていたし、自分と世の中の繋がりが殆ど無かったせいでもあったろう。

年齢が上がっていって結婚をして子供が出来て色んな人との関係が出来てくると、自分の人生が自分ひとりのものでない事を思い知らされた。

そうなると何も知らずに死への準備も出来ずに突然死んでいくというのは、耐えられないし、到底受け入れたくないと思う。

無論、実際に突然死が襲ってきた場合は致し方ないが、病気で余命がある場合はしっかり告知を受け最後のひと時を自分なりに過ごしてその最後を締めくくりたいと思っている。

いたずらに延命治療を受けて苦しんで寿命を延ばした所でどうしようもなく、自分も家族も地獄が続くだけだろう。

助かる可能性のある治療はするが、ただの延命治療はしたくない。

若い頃はひたすらどんな治療でも受け、苦しんで苦しんで頑張ってそれでもダメな時にやっと死への覚悟が出来るという風に思っていた。

そのくらいの力を振り絞った後じゃないと死への旅立ちが怖くて出来ないとも思っていた。

だが、最近思うことはそこまで頑張る必要はないだろうということだ。

自然に死へのカウントダウンが始まって体が衰えていけば死への覚悟は出来ていくだろうし、それよりも元気な内にやりたい事をやって残された時間を有意義に過ごす方が価値がある気がする。

「象の背中」は秋元康原作の単行本で、それが役所広司主演で映画化された。

相当な話題作らしいが、私自身、本も読んでないし、映画も見るかどうか分らない。

だが、これだけ話題になると、どうしても考えさせられてしまう。

余命半年と宣言された男が残された時間をどう過ごしていくのか、主人公の男の年齢がほぼ私と一緒なのでどうしても自分の姿とダブらせてしまう。

幸か不幸か私には愛人はいないので、その方面への気がかりはなく、家族のことだけを考えればいいだけだ。

自分の余命があと半年なら、真っ先に会社を辞め、生命保険のリビングニーズの適用を受け、体が元気な内に世界中を旅行をして見ておきたいものを観て、南の島のリゾートで1ヶ月くらい自然の中で過ごして自分史を綴ってみたい。

朝日と共に起き、風に身を任せ、潮騒を聞いて過ごし、落ちる夕陽に涙する。

残りの命の短さゆえにあらゆる自然に感動出来るだろうし、生きている今を感じることが出来る気がする。

命の期限を知ってこそ知る生きている事の素晴しさであり、輝ける瞬間でもあるのかもしれない。

どんな時でもそういう気持や覚悟で人生を過ごしていればいいのだろうが、実際には難しいようだ。

過去の事を静かに思い出しながら、今まで生きてきたことに感謝し人生の終わりを静かに受け入れる準備が出来るだろう。

その後はホスピスで最後のひと時を家族と共に過ごしたいと思っている。

人生とは自分の思うようにいかないのが常であり、実際には予定した通りにはいかないだろうが、万が一の事を考えて、それなりの覚悟を持ち、前もって気持ちの準備をしておく必要があるのは間違いないだろう。


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ボクは余命が判っても、それまでと同じというか、... (Kozou)
2007-10-26 21:20:05
ボクは余命が判っても、それまでと同じというか、引き続きの生活を出来るだけ送りたいと思います。というか、いつでも何かの途上にあるという生き方がしたいな、と。目的を決め、それを達成することも大事だけど、いつでもそういう途上にある、というのが実は重要なんじゃないかと思うんですよね。こういうことは死を考えてみなければわからない生なのかもしれませんね。
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木原さんの死は驚きました。数日前にTVでコメン... (Tachn☆彡)
2007-10-26 23:48:08
木原さんの死は驚きました。数日前にTVでコメンテーター遣ってましたから・・・人間の命なんて・・一寸先が闇・・です。
こだわりさんでさえ、此処まで考えられるのだから、私なんてとっくに遺書でも書きたい気分です。

もう遺影の写真は用意しています。身辺整理ボチボチ遣ってます。病気で長患いは嫌ですね。今流行のピンコロに成りたいです。
死は恐ろしいと思うのは死に直面して無いからだと思います。
長患いして死が近づいてくると、以外に死を素直に受け入れるそうですよ。
延命だけはして欲しくないです。
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いや~死ぬのは本当に怖いです。汗 (みほ亭)
2007-10-26 23:48:51
いや~死ぬのは本当に怖いです。汗
でもなぜか私の人生はあらゆる局面で
【死】を意識させられる事が多いんですよね。笑

本当に死に直面したときに自分がどう感じてどう行動するか…
それは多少イメージ出来ても、実際にどのようにするかは
その時その立場にならないとわからないかもしれません。
でもこだわり倶楽部さんのようにイメージをして
それに備えて金銭的にも心理的にも準備しておくのは
とても大切なのだと思います。
いつか死ぬんですよねぇ…
どんな死に方するんだろうなぁ。笑

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>Kozouさんへ (こだわり倶楽部)
2007-10-27 22:09:57
>Kozouさんへ
それが出来るのが理想かもしれません。
30代の頃はそう思ってました。
命を懸けてやり遂げるものがある。
自分にとってそう思えるモノがある事自体が素晴しいと思います。
黒澤明監督作品の「生きる」の主人公みたいな生き方ですよね。
しかし、私は余命が判った時点で会社は辞めます。笑
自分にとって会社とは生活の糧を稼ぐ為のものでしかない。
最後のひと時をそんなトコで浪費したくないといつもそう思ってます。(^-^;
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お初です、yagiといいます。 (yagi)
2007-10-27 22:33:59
お初です、yagiといいます。
いつか書き込みしようと思ってましたが
顔が怖そうなので、ついためらっていました
・・って、冗談です。ゴメンなさい(←失礼なヤツ)

「像の背中」読みました。
秋元康の名前と、それに似つかわしくない変なタイトル、1ページから登場する孤独な男・・・一気に読んでしまいました。夜遅くに読んでると、まるで自分が死んでゆくような感覚に襲われつつ・・人生大事に生きなきゃとか思うわけですが、朝になると何だか良い人間ばかり登場するこの小説に不満を持ったりします。
どこか「椿山課長の七日間」を彷彿させるところがありますが、「椿山~」のほうが人間のどうしようもない業とか悲しみとか書かれていて深いような気がしました。対して「像の背中」は・・愛人作っておいて、”生まれ変わっても一緒になりたい”はないだろうなあ・・と思ったりしました。

余命半年と分かったら、間違いなく即会社は辞めますね(キッパリ(笑))。そしてやっぱり自分の足跡残したいですね。

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>Tachn☆彡さんへ (こだわり倶楽部)
2007-10-27 23:02:57
>Tachn☆彡さんへ
死に方は選べませんからね。
どういう形で死が訪れるか、実感がないけど確実に来るわけですからやっぱり覚悟が必要だと思います。
どんなに準備してもシナリオ通りにはならなくてオタオタしてしまうでしょうけどそれも人生なんでしょうね。
長患いも嫌ですけど、突然死も嫌ですね。
しかし、もう遺影を用意されてるとはビックリしました。
少しずつ死を受け入れていくパターンが一番いいんですけどね。笑
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同感です。 (便利屋)
2007-10-28 16:59:20
同感です。
私もちゃんと告知をしてもらって、延命治療などはせずに自分のペースで死にたいですね。
でもおそらく望んでいるとおりにはならないのがこの世。
商売柄事故死の確率も高いんで、毎日を悔いの無いように心掛けてます。

愛人?
葬儀の列に美女がたくさんいて、
泣いてくれたら気分いいでしょね!(^^)
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>みほ亭さんへ (こだわり倶楽部)
2007-10-28 19:51:54
>みほ亭さんへ
 >【死】を意識させられる事が多いんですよね
そ、そうなんですか。(^-^;
私はそんなことはかすりもしなかったので、なかなか自分が死ぬ事はイメージできません。
とにかく、生まれたその日から死へのカウントダウンは始まっているとはよく言われることですが、やはり死ぬのは怖いですね。笑
どんなに覚悟を決めたところで、死への恐怖は乗り越える事は出来ません。
それでも準備しておく事は必要であり、大切であると思っています。
どんな死に方をするんですかね。
せめて、孫は見たいものです。
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>yagiさんへ (こだわり倶楽部)
2007-10-28 20:41:11
>yagiさんへ
初めまして!
何回か訪問して頂いてるようでありがとうございます。
顔恐いっすか?(^-^;
サングラスの印象が強いせいかもしれませんね。
「象の背中」読まれたようですね。
 >まるで自分が死んでゆくような感覚
それだけに死のことを真剣に考えねばという気にさせるんでしょうね。
人間はいつか必ず死ぬわけですから、前もってじっくり考えてみる事はやっぱり大切な事のような気がします。
たとえ予想通りにいかなかったとしても、この生きている今を大切にと思えるようになる気がします。
”椿山課長の7日間”は全くスルーしてました。
yagiさんのコメントで是非見たくなってきました。
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>便利屋さんへ (こだわり倶楽部)
2007-10-28 20:59:31
>便利屋さんへ
私も毎日を悔いの無いように精一杯生きていくだけです。
それでも死ぬ間際は悔いが残るでしょうね。
告知されて死ぬ事の方がよっぽど幸福だと言えるかもしれません。
葬儀の列に美女が沢山いて泣いてくれれば確かに気持ちがいいでしょうけど、カミさんが怒り狂ってる姿がすぐ想像できるだけに大変微妙です。
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