バイク試乗/レンタルおよびツーリング日記

お勧めのツーリングコースや試乗、レンタルしたバイクについてレポートします。

XJ6 Diversion(ディバージョン) F その1

2015-09-15 00:09:42 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 7月11日、12日にレンタルバイク京都中央にて XJ6 Diversion(ディバージョン) F を

レンタルしツーリングしたのでインプレしたい。

XJ6シリーズはネイキッドのXJ6 およびハーフカウルのXJ6 Diversion(ディバージョン)

さらにカウルを増設しフルカウルとした Diversion(ディバージョン) Fがラインナップされて

いるが、今回レンタルしたのはフルカウルのDiversion(ディバージョン) F である。


 レンタルする前はMT-07の登場でその役割を終えたバイクとの印象を持っていて、あまり期待していなかったが

レンタルしてみると、MT-07に勝るとも劣らない魅力をもった、素晴らしいバイクだった。


    


 7月11日のツーリングコース 360キロ



国道162号 → 京都府道12号 → 国道27号 → 国道429号 →  

→ 播但連絡道路 神崎北IC → 中国自動車道 → 米子自動車道 蒜山IC 

→ 蒜山大山スカイライン → 大山環状道路 → 島根県道24号




 7月12日のツーリングコース 350キロ


島根県道24号 → 大山環状道路 → 島根県道45号 → 国道9号

→ 国道482号 → 国道9号 → 京都府道50号 → 京都府道363号

→ 国道162号



性能 


名称 及び 型式

モデル名 XJ6 Diversion F ABS
年式 2015
仕向地 南アフリカ

寸法 及 質量

全長 2,120mm
全幅 770mm
全高 1,185mm
シート高 785mm
軸間距離 1,440mm
最低地上高 140mm
装備重量 220kg
最小回転半径 2.8m

原動機

原動機種類 4ストローク・水冷・DOHC・4バルブ
気筒数配列 並列4気筒
総排気量 600cm3
内径×行程 65.5×44.5mm
圧縮比 12.2 : 1
最高出力 57.0kW(77.5PS)/10,000r/min
最大トルク 59.7N・m(6.1kgf・m)/8,000r/min
始動方式 セル式
潤滑方式 ウエットサンプ
エンジンオイルタンク容量 3.4リットル

燃料装置

燃料タンク容量 17リットル
キャブレタ型式/燃料供給 電子制御フューエルインジェクション

電気装置

点火方式 TCI (Transistor controlled ignition)
点火プラグ型式 CR9E
バッテリ容量 12V,10.0Ah(10H)
バッテリ型式 GT12B-4

動力伝達装置

減速器 チェーンドライブ
1次減速比 86/44(1.955)
2次減速比 46/16(2.875)
クラッチ形式 湿式多板

変速機

形式 常時噛合式6段
操作方法 リターン式
変速比1速 37/13 : 2.846
変速比2速 37/19 : 1.947
変速比3速 28/18 : 1.556
変速比4速 32/24 : 1.333
変速比5速 25/21 : 1.190
変速比6速 26/24 : 1.083

車体

フレーム形式 ダイヤモンド
キャスタ 26°00'
トレール 103mm
タイヤサイズ(前) 120/70ZR17MC(58W)
タイヤサイズ(後) 160/60ZR17MC(69W)

制動装置

制動装置形式(前) 油圧ダブルディスク(外径298mm)
制動装置形式(後) 油圧シングルディスク(外径245mm)

懸架装置

懸架方式(前) テレスコピックフォーク
懸架方式(後) スイングアーム

緩衝装置

緩衝方式(前) コイルスプリング/オイルダンパー
緩衝方式(後) コイルスプリング/ガス・オイルダンパー
ホイールトラベル(前) 130mm
ホイールトラベル(後) 130mm


 XJ6ディバージョンFの主な性能を私の現在の愛車MT-07

以前の愛車で XJ6ディバージョンF と同ジャンルの

Z750Sと比較すると以下のようになる。



             XJ6    MT-07    Z750S   
   
シート高(mm)     785     805     805    

車重(KG)        220     179     225

パワー(PS)       78      73     110 

トルク(N)       60      68     75 

価格(万円)      85      70     90


エンジンフィーリング・高速性能

600CCという、今となってはミドルクラスの下限といっても良い排気量だが、低速でもトルクに不足はなく、

高速道路や整備されたワインディングでは、高回転域までエンジンを回して楽しむことができる。

特に高速道路では、エンジンがどこまでも軽やかに回ることやフルカウルのウィンドウプロテクションの恩恵もあってか、

今回比較した3車種のなかで一番快適に楽しく走行することができる。

 四気筒としては小排気量ということを生かした、絶妙なエンジンフィーリングといえる。


 

コーナリング

 さすがにはるかに車重が軽いMT-07と比較すれば軽快さはおとるが、

あまり車重が変わらないZ750Sと比較すれば軽快なハンドリングに感じられた。

 私の推測ではあるが、Z750Sがツアラーよりの安定性を重視したセッティグがされているのに対して、

XJ6はよりスポーティなセッティングがされているからではないだろうか。

 どちらのセッティングが優れているかは好みによるが、スポーツよりにセッティングされたXJ6のほうが私の好みに近い


 

取り回し

 車重はそれほど軽くはないが、乗っているときはあまり意識しなかったが、

シート高はMT-07と比較して20ミリも低い(MT-07のシート高は多少高めだが)ので、

足つきは良いバイクといってもよい




燃費

 燃費については、正確に計測しなかったのではっきりとは言えないが、

どうしてもエンジンを高回転でまわして走行する状態が多くなるため、600CCという排気量としてはあまり良くはない、

リッター25~20キロの間に収まると思われる。

 MT-07は、走行の状態がよければ燃費が30キロ近辺まで伸びるので、この点は大きく劣っている。



メーター・デザイン

 デザインは無難にまとまってはいるが個性に薄く、ライダーを惹きつける魅力に欠けているように感じる。

  

 メーターも機能的にはまったく不足ないが、回転計がアナログなことを除くと、MT-07のメーターとほとんど同じといってもよい、

ヤマハの量産型デジタルメーターなので、特に語るところはない。

 量販車でデジタルメーターを使用すると、コストの面から似たような感じになってしまうのは仕方がないことだろう。


    


総評


対Z750S

 今回 XJ6 Diversion(ディバージョン) Fを2日レンタルし700キロほど走行したが、薄情にも4年間以上乗り続けた、

愛車のZ750Sより個人的には優れていると感じてしまった。

 同じ4気筒エンジンで排気量はZ750Sのほうが大きいため、エンジンパワーには30馬力以上の差があるが、

 XJ6のエンジンのほうが軽快で回しやすく、コーナーでも重さを感じないため、

ワインディングや高速道路ではXJ6のほうがより気持ちよく走行できると感じたからであって、

私より腕の立つライダーでZ750Sのパワーを使いこなせるなら、Z750Sに軍杯をあげてもおかしくはないだろう。

 しかし私のような、初級者よりの中級者程度の腕前なら、XJ6のほうがフィットすると感じるライダーが、多いのではないだろうか。


対MT-07

 それでは現在の愛車MT-07と比較すればどうだろうか。

 まずは使用するステージで優劣を比較すると、高速道路、高速ワインディングではXJ6が

街乗りや酷道よりの見通しが悪いワインディングではMT-07が優れていると感じた。

 とは言っても、それはあくまで相対的なものであって、MT-07もXJ6も全てのステージに対応できる

万能タイプのバイクだといえる。


 このように純粋な走行性能としては互角の勝負を繰り広げる両者だが、その他の部分では、やはりあとから開発されたMT-07の圧勝といえる。


 まず一番に比較されるのはその価格だろう、MT-07の価格に対してXJ6は定価の時点で15万円ほど高く、

さらに逆輸入車であることの諸費用を考えるとMT-07より20万以上高くなってしまい、

この時点でXJ6を選ぶライダーはかなり減ってしまうだろう。

 
さらに燃費の良さ、車重の軽さなど多くのライダーが重視する部分でもMT-07は大きくリードしている。


 価格と燃費についてはXJ6が従来からの4気筒エンジン、MT-07が新設計の2気筒エンジンを装備している時点でかなう訳もなく、

車重にしてもプラスティックを多用するなど設計時から強く軽量化を意識したMT-07と比較すると、

カウルのついていないネイキットバージョンのXJ6でも205キロもあるため、MT-07に対し25キロ以上重く勝負にならない。

 これはXJ6が悪いというより、MT-07が価格や車重の部分で、いかに革新的なバイクであったをあらわすものだと思う。

 従来のベクトルでXJ6を越えようと開発されたホンダのCBR650F・CB650Fが商業的には大失敗に終わっているのも、

もはや比較的高コストなミドルクラスの4気筒エンジン搭載バイクが、望まれていない歴史的な流れを感じざるを得ない。


 しかし純粋な走行性能の観点から見ると、ミドルクラス4気筒エンジンのフィーリングの素晴らしさは保証できるので、

おそらく次期モデルはないXJ6を最後のチャンスと思い購入するのもまた正しい選択なのだろう。




 






コメント
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