言わずとしれた村上龍の1976年のデビュー作にして
群像新人文学賞&第75回芥川賞を受賞した作品「限りなく透明に近いブルー」。
その同名作品の1979年の映画版をようやく見ました。
長い間みたいと思っていた作品です。
本は持っているけど、何故か読んでいない(笑)
(確かフリマでただで貰ったんだっけかな、
ただってのは良くないね。積極的にそのことと向き合わなくなる)
この映画は若き日の三田村邦彦がシラケ世代の青春像を恰好良く演じているのだが、
ストーリーはというと取り立てて何があるわけではないんですが(いや色々人が死んだりしてるんですけどね)、若者とその仲間たちの夏のとりとめもない日常を切り取ったドラッギーな青春映画と言えるのではないでしょうか。こう書くとあまり面白そうでないと思われるかも知れないが、彼らの日常というのがまるで常軌を逸していてすごく面白い。
1971年夏、米軍基地に近い福生に暮らしている19歳のリュウは麻薬の密売人。黒人から薬を受け取る代わりに日本人の女をあてがい、自分は麻薬漬け(でも体力維持は欠かせない元陸上部)、そして女をとっかえひっかえ取替え、仲間たちと日がな暮らしている。そんなリュウも30歳で子持ちなヤク漬けな女性が好きなんだが、この人も他に沢山の情夫がいる。ドラッグ&セックスな毎日を送っているリュウだがある日嫌気がさし・・・
というストーリーです。
1971年と言えば、1969年にそれまで大盛り上がりだった学生運動も70年安保の目前で力尽き、直にオイルショックへつながっていく時代でこの時代の若者は「シラケ世代」と呼ばれていた。それまでの「みんなで一緒に何かをやろう!」というのではなく、遠藤賢司の”カレーライス”や井上陽水の”傘がない”といった曲に代表されるように歌も個人のことを歌う内省的なものへ変わっていった時代である。その時代の若者たちの微妙な心情を時代の空気とともに捉えた恰好の映画だと思う。
それからもう一つ。これが私が見たかった最大の理由でもあるのですが、
この映画のサントラがすごいんです(LPが発売されてます)。
洋楽の日本人によるカバーが中心なんですが、これが最高。
それでどう音楽が映画に使われていたのかなぁと思って見たのですが、
冒頭から山下達郎のラスカルズのカヴァーが炸裂し、卒倒!
他にも要所要所で「歌」の使い方が上手く1971年という年を上手く表している(と思う)。
曲目は、
A面
1、青白い夕焼け
2、Grovin'-山下達郎
3、(What A)Wonderful-小椋佳
4、青白い夕焼け-カルメン・マキ
5、Homeward Bound-井上陽水
6、Queen Of Eastern Blues-アレックス・イーズリー
B面
1、Cloudy-井上陽水
2、Daydream-有山淳司
3、When A Man Loves A Woman-上田正樹
4、You Don't Have To Be So Nice-瀬川洋
5、Love Me A Tender-小椋佳
(キティ/MKF-1044/1979)
この顔ぶれ、すごくないですか?この面子を今揃えようと思っても無理ですよ。
1、4、6がこの映画のオリジナルで、4はカルメン・マキがこの映画を良くあらわした歌詞をハードロックな曲に合わせて歌う歌。これがまるでOZのような格好よさ!ギターは春日博文?しかしヤマタツのラスカルズのカヴァーもすごいけど、陽水が二曲も参加している。結構皆さんまんまな人選なんでけど、そこが良い。上田正樹の「男が女を愛するとき」。この人じゃないと歌えないですよ?更には瀬川洋。今でこそ彼が在籍していたダイナマイツ(勿論村八分の山口冨士夫居たことでも有名ですね)が高く評価されているおかげで知られているが、おそらく1979年当時、何人の人がエンドロールで彼の名前に気付いただろうか。おそらく極端に少なかったと思うのだが、この曲も素晴らしいです。この場に収録されているだけでも奇跡!もっと評価されて良いシンガーです。
更にもう一つ注目なのが、ジャガーズの唯一の映画にして日本映画史上でも傑作とされる『進め!ジャガーズ 敵前上陸』にも出演、ヒット曲「虹色の湖」でも知られる60年代のアイドル中村晃子が出演していること!60年代は厚ぼったい唇がなんとも可愛い女の子でしたが、1979年の彼女は大人の女性に変貌していて要チェックです!
部屋のどこかにある本を探しだして読んでみようかな。そしたら更に面白いかも。
あ、普通は逆なのかな。でも本は読んでいるけど、
映画見たりサントラを聞いたことがない人は是非見てみて下さい!おすすめですよ!
群像新人文学賞&第75回芥川賞を受賞した作品「限りなく透明に近いブルー」。
その同名作品の1979年の映画版をようやく見ました。
長い間みたいと思っていた作品です。
本は持っているけど、何故か読んでいない(笑)
(確かフリマでただで貰ったんだっけかな、
ただってのは良くないね。積極的にそのことと向き合わなくなる)
この映画は若き日の三田村邦彦がシラケ世代の青春像を恰好良く演じているのだが、
ストーリーはというと取り立てて何があるわけではないんですが(いや色々人が死んだりしてるんですけどね)、若者とその仲間たちの夏のとりとめもない日常を切り取ったドラッギーな青春映画と言えるのではないでしょうか。こう書くとあまり面白そうでないと思われるかも知れないが、彼らの日常というのがまるで常軌を逸していてすごく面白い。
1971年夏、米軍基地に近い福生に暮らしている19歳のリュウは麻薬の密売人。黒人から薬を受け取る代わりに日本人の女をあてがい、自分は麻薬漬け(でも体力維持は欠かせない元陸上部)、そして女をとっかえひっかえ取替え、仲間たちと日がな暮らしている。そんなリュウも30歳で子持ちなヤク漬けな女性が好きなんだが、この人も他に沢山の情夫がいる。ドラッグ&セックスな毎日を送っているリュウだがある日嫌気がさし・・・
というストーリーです。
1971年と言えば、1969年にそれまで大盛り上がりだった学生運動も70年安保の目前で力尽き、直にオイルショックへつながっていく時代でこの時代の若者は「シラケ世代」と呼ばれていた。それまでの「みんなで一緒に何かをやろう!」というのではなく、遠藤賢司の”カレーライス”や井上陽水の”傘がない”といった曲に代表されるように歌も個人のことを歌う内省的なものへ変わっていった時代である。その時代の若者たちの微妙な心情を時代の空気とともに捉えた恰好の映画だと思う。
それからもう一つ。これが私が見たかった最大の理由でもあるのですが、
この映画のサントラがすごいんです(LPが発売されてます)。
洋楽の日本人によるカバーが中心なんですが、これが最高。
それでどう音楽が映画に使われていたのかなぁと思って見たのですが、
冒頭から山下達郎のラスカルズのカヴァーが炸裂し、卒倒!
他にも要所要所で「歌」の使い方が上手く1971年という年を上手く表している(と思う)。
曲目は、
A面
1、青白い夕焼け
2、Grovin'-山下達郎
3、(What A)Wonderful-小椋佳
4、青白い夕焼け-カルメン・マキ
5、Homeward Bound-井上陽水
6、Queen Of Eastern Blues-アレックス・イーズリー
B面
1、Cloudy-井上陽水
2、Daydream-有山淳司
3、When A Man Loves A Woman-上田正樹
4、You Don't Have To Be So Nice-瀬川洋
5、Love Me A Tender-小椋佳
(キティ/MKF-1044/1979)
この顔ぶれ、すごくないですか?この面子を今揃えようと思っても無理ですよ。
1、4、6がこの映画のオリジナルで、4はカルメン・マキがこの映画を良くあらわした歌詞をハードロックな曲に合わせて歌う歌。これがまるでOZのような格好よさ!ギターは春日博文?しかしヤマタツのラスカルズのカヴァーもすごいけど、陽水が二曲も参加している。結構皆さんまんまな人選なんでけど、そこが良い。上田正樹の「男が女を愛するとき」。この人じゃないと歌えないですよ?更には瀬川洋。今でこそ彼が在籍していたダイナマイツ(勿論村八分の山口冨士夫居たことでも有名ですね)が高く評価されているおかげで知られているが、おそらく1979年当時、何人の人がエンドロールで彼の名前に気付いただろうか。おそらく極端に少なかったと思うのだが、この曲も素晴らしいです。この場に収録されているだけでも奇跡!もっと評価されて良いシンガーです。
更にもう一つ注目なのが、ジャガーズの唯一の映画にして日本映画史上でも傑作とされる『進め!ジャガーズ 敵前上陸』にも出演、ヒット曲「虹色の湖」でも知られる60年代のアイドル中村晃子が出演していること!60年代は厚ぼったい唇がなんとも可愛い女の子でしたが、1979年の彼女は大人の女性に変貌していて要チェックです!
部屋のどこかにある本を探しだして読んでみようかな。そしたら更に面白いかも。
あ、普通は逆なのかな。でも本は読んでいるけど、
映画見たりサントラを聞いたことがない人は是非見てみて下さい!おすすめですよ!