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サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

大上留利子とスターキングデリシャス

2005年04月09日 13時22分46秒 | 邦楽
ほぼ現在では忘れ去られてしまっているバンドがいる。
非常に残念だが、70年代に関西で活躍したスターキングデリシャスもその一つである。
90年代にVIVIDからCD化もされていたが、今は惜しくも廃盤である。

そのスタキンであるが、上田正樹とサウス・トウ・サウスや
ウエストロードブルースバンド、紫を輩出した関西のバンドの
登竜門ともいうべきロックフェスティバル「8・8 ROCK DAY」(通称8・8=ハチハチ)
出身。1975年の8・8で観衆の度肝を抜き一躍有名に。

ちなみにこの年の8・8は、今振り返ってももの凄いメンツばかり。
山岸潤士スーパーグループは、ソー・バット・レビューに発展。
紫は、1975年の台風の目としておそれられた沖縄のハードロックグループだ。
他にあの「飛んで、飛んで・・・」と歌った円広志が在籍していたZOOMなどなど。
やはり特に山岸潤士スーパーグループと紫はその後まで名を残す程
特筆すべきバンドであるが、スタキンも彼らに比肩しうるバンドであった。

彼らは1975年の8・8を記録したレコードと唯一のアルバムにして
ライブアルバムのLP、そしてショーボートライブというオムニバスに参加したのみで
非常に音源が少ないのだが
(他の音源をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご一報下さい)、
残されている音源が全てライブ音源ということでも分かる通り、
ライブで本領を発揮するもの凄いバンドであった。

サウンドはホーンを加えた11人の大所帯(唯一のLPは10人)のファンクサウンドに
声も体格も(失礼!)まさしくアレサ・フランクリンばりの声の持ち主である
大上留利子のヴォーカルがほえる!極上のR&Bサウンドである。
このノリノリな感じは、関西のノリとR&Bのノリが希有に合わさった奇跡のサウンド!
一曲聞けば、踊りだしてしまうこと間違いなし!!

スカパラなど現在のホーンサウンドが好きな若い方や、
海外のR&Bが好きな方には是非聞いて頂きたい!
日本にもこんなに格好良いR&Bバンドがいたのだ!

しかしスタキンはよくあるメンバーの音楽性の違いから、
(確かに10人もいれば分かる気もするが・・・)
上記の様にアルバム一枚で解散してしまう。
メンバーそれぞれ、音楽の道や自分たちの道を進んだが、
大上留利子はその後ソロ活動に入る。
それはまた次の機会に・・・

フリクションの前身、3/3(さん分のさん)

2005年04月05日 02時41分06秒 | 邦楽
この春いよいよ幻のレア盤、フリクションの1979年のライブ盤がCD化される。
しかもDVD付き。このDVDに何が収められているのかも非常に気になるが、
やはり肝心なのはその内容だろう。
1979年のレック、チコ・ヒゲ、ツネマツマサトシの三人のライブが収められている。
それだけでも単純に聞いてみたいと思う。
未だにアナログ盤では、5ケタもする人気レア盤である。

東京ロッカーズの文脈で語られたり、ノーニューヨークの文脈で語られたり、
パンクで語られたり、あるいはリーダーであるレックについて
取り上げられたりする(余談だが、4月6日発売の『ファインタイム2』という
ニューウェーブを日本のバンドがカバーする企画盤にレックはMARSのカバーで
参加している)フリクションであるが、先のCD化にあわせロック画報で大々的に
特集が組まれているので少しでも興味がある人は手にとって見て頂きたい。
サンプルCDも付いているので(このCDもサンプルの域を超えたレアライブ音源が
収録されています!)、初めての方にもおすすめである。

若い方にとっては、ROSSOに新加入したギターの人が
フリクションの人だというと興味も湧くのではないだろうか。

さてこのように改めて今話題になっているフリクションであるが、
その重要性の割にはその前身バンドである3/3(さん分のさん)については
あまり語られることがない。
というよりも恐らく聞いたことがある人が
圧倒的に少ない幻のレア盤なのだからそれも仕方ないかも知れない。
当時自主アナログ盤で10枚程作られたのみという。
今現在では果たして何枚現存しているのか検討もつかない。
そんな正しく「幻の」という言葉がふさわしい音源を、
私は幸運にも聞く機会を得た。
その時はちょっとだけ聞いただけなので細部迄は覚えていないのだが、
そのちょっとだけでも心に強烈に印象を残す・・・
その音を一言で言えば、

『ジミヘンとブルーチアーを足した様な轟音サイケデリックハードロック』

これがもの凄く格好良いのである!
フリクションの前身バンドとしての重要性や、
70年初頭のニューロックから70年代後半の東京ロッカーズを結ぶ
ミッシングリンクたる重要性(これに関してはSPEEDもあげられる)の方が
はるかに高いと思われるが、この音はもうただ単純に格好良い。
70年代の日本のロックで音盤化されているものの中で間違いなく
最上部に続する、と私は思う。

あの『ed'79 Live』がCD化されるのだ。
3/3も日の目を見ることを祈ろう。

踊れるジャズ

2005年04月03日 21時00分30秒 | 邦楽
今日は久々に何もないゆっくりとした休日。
家でじっくりと音楽を聞く。

シンガーズスリー/ウパネギーニョ
       ↓
ファシネイションズ/ファシネイテッドグルーヴ
       ↓
土岐麻子/STANDARDS on the sofa ~土岐麻子ジャズを歌う~

立て続けにアナログで聞く。

シンガーズスリーはネスカフェのシャバダバで有名な伊集加代が在籍していた
グループで、1970年代にはおそらくありとあらゆるセッションに参加。
ウパネギーニョはボサノヴァの曲で、バックは石川晶など(!)当時のジャズ系
トップスタジオミュージシャンで結成されたフリーダムユニティ。
美声と凄い演奏がせめぎ合うクールな一曲。

ファシネイションズは、これまた各方面で一級で活躍するメンツを
ヴィブラフォンプレイヤーである渡辺雅美が率いるグループ。
レコード番長須永辰夫氏などに称賛され一躍注目。
秋に出た10inch(写真)は、自作曲をピエール・バルーをフューチャーして
リメイクしたグルーヴィーな傑作!

土岐麻子は、シンバルズのボーカルとして有名だが、
最近はポップスやロックの曲をジャズ仕立てでしっとりとして
歌い上げるシリーズが好き者の間で大変好評をよんでいる。
今回はストーンズの曲もカバーした第二弾。

バラバラな三つの共通点は「ジャズ」と「踊」。
最近でこそクラブジャズなどの活況で、
フロアで踊る若者たちがいるものの、
相変わらずジャズって古いし難しそうという方は多い。
しかし1950年代に国民的人気を誇っていたジョージ川口とビッグ4などが、
現代のスカパラの様に、実力で観客たちを踊らせていたように、
ジャズはヒップでグルーヴィーな音楽である。

今はジャズの名門ブルーノートの1500円シリーズなど廉価盤も
沢山出ているので、何かしらで気になったら手にとってみることを
おすすめします。
きっと素敵な音楽が待っていると思いますよ。

さて土岐麻子の父は、知る人ぞ知る日本のジャズ史を代表する
サックス奏者の土岐英史である。
この『STANDARDS on the sofa 』でも彼のプレイが聞ける。
最近は日本のジャズ史の黄金期を築いた方々があまり表舞台に出てこなくて
(皆さんコンサートなどは精力的なようですが)寂しい気がするのだが、
ここで聞くことが出来る土岐氏のサックスはえらく格好良い。
もっともっと皆さんに活躍していただきたいたいものだ。

1969年のエイプリルフール

2005年04月02日 02時37分51秒 | 邦楽
1969年の日本のロックの名盤。
『エイプリルフール』の同名タイトルにして唯一のアルバム。
メンバーは、小坂忠(Vo)菊池英二(g)細野晴臣(b)松本隆(Dr)柳田ヒロ(Ky)
の五人組み。
細野氏と松本氏の二人がいることで、
あの「はっぴいえんど」の前身バンドだとお気付きの方もいるだろう。
そしてメディアも大概がはっぴいえんどの前身扱いである。

しかしそれは大間違い。
むしろ取り上げるなら、日本のロックの分岐点として捉えるべきだ。
後に開花する日本語詩はまだまだ芽生えたばかりの松本氏
(このアルバムのほとんどが英詩)。
まだまだ下手っぴな細野氏と二人のはっぴいえんど組みに対し、
柳田ヒロは、エイプリルフール後はニューロックの旗手として大活躍。
小坂忠は演劇「ヘアー」に出演後フォージョーハーフを結成、
そしてalfaの新興マッシュルームレーベルから傑作ソロ三作を出した後、
大名盤「ほうろう」を発表と、
このエイプリルフールは正に分岐点の役割をしていると言えよう。
(どなたかその後の菊池氏について知っている方がいらっしゃいましたら、
 ご一報下さい。)

更にそれだけではなく内容もいい。
当時アメリカの音楽雑誌にも紹介された(名前失念・・・)というサウンドは、
正に1969年!ファズギターとハモンドオルガンが狂ったように交差する
どろどろのニューロック!ジャケットのようにひたすら暗い感じがするのだけど、
これからの未知なる未来に向かう気概のようなものも感じられる。
細野氏と柳田氏との音楽的相違によってもろくも解散してしまうのだが、
このアルバム制作時には奇跡的にあやうくもバランスのとれた音となっている。
今となっては古い感じもするサウンドコラージュなどもあるのだが、
ブルース一つとっても12小節では簡単に終わらないなど、
何か新しいことをやってやるという実験精神にあふれている。

日本のロックってあんまり・・・という方もいるかと思うが、
これは一度聞いてみて欲しい。

ちなみにこのジャケットは、若き日のアラーキーによるもの。
ここにも未来と格闘する若者の姿があった。

ジャケ、中身とも素晴らしい名盤である。

URC紙ジャケ

2005年03月19日 02時51分37秒 | 邦楽
avexにURC(アンダーグランドレコードクラブの略)の版権が移り、
はっぴいえんどのBOXが出て称賛を浴びたことは、
一年前のことながら記憶に新しい。

そのavex-URCの新シリーズが動きを見せている。
まずはURCシングルズ、2タイトル。
URCからリリースされた52枚のタイトルから
37枚を厳選してAB面収録、更にはジャケを再現した
ミニジャケット付き(但し岡林は収録されず)と、
東芝時代のシングルのコンピが廃盤になっていただけに、
嬉しい商品の発売となった。しかも資料性が高いというのも嬉しい。

第二がブルース・クリエイションのライブ音源集。
ブルクリ時代の「プリティ・スー」が聞けるのが兎に角凄い。
(ブルクリについてはまた改めて書きます)

そしてつい先日発売された、avex-URC紙ジャケットシリーズ。
しかしここまでの良い流れが残念でならない、非常に悪い出来。
98年位(失念・・・)に東芝から発売された時の再現度に比べると、
消費者をなめているとしか考えられない。
顕著なのが、ジャックスの早川義夫のソロ。
東芝版はジャケットにわざわざシールが張られている仕様であったが、
それが今回はなしで、のっぺりとした感じに仕上がってしまっている。

東芝版は帯も再現されていたし、紙質にもこだわりもみられたが、
avex-URCはまるで駄目。もしちゃんとしたものであったら、
以前の東芝版で出なかったものを買い集めようと思っていただけに
非常に残念です。プラケースで手に入るCDを紙ジャケ化して需要を
作り出そうというのは分かるが、買う方だって
安易なものには手を出さないことくらい分かって欲しいものだ。

はたしてavexが出来なかったのが・・・
それがavexの限界なのか分からないが・・・

そういえば自分の大好きなDMBQというバンドもavexから出していますね。
しかも悪いことにコピーコントールCDでしたね。

すきまから/フリーボ

2005年03月16日 02時19分06秒 | 邦楽
私の親友がフリーボのことを自分のところで書いた。
自分も折角だから書こうと思う。

彼は全く音楽とは無縁の男なのだけど、妙にセンスがいいところがあって、
売れる前にボニーピンクを教えてくれたり、
ジャズのMJQ(モダンジャズカルテット)を教えてくれたりした。
フリーボもその一つ。彼がいいよといって確か高校の頃、彼の家で聞いた。
その後ずっと頭の片隅にあって、
ある日自分で手にしたのがこのインディーズ(田口さんのOZディスクから)での
一枚目「すきまから」である。

これが一曲目から八曲目まで捨て曲なしの大名盤!
インディーズの一枚目でこんなに凄いアルバム作っちゃうバンドないですよ?
帯にOZディスクの主催者であり、このアルバムのディレクターでもある
田口氏が「はっぴいえんど(初期)をバックに吉田美奈子が歌っているのか!?」
と書いてありますが、ホントこの言葉どおりの驚きが私の心を揺さぶりました。

サウンドはまさに70年代、それも初期。
そこに絡む吉田奈那子(フリーボのVo、吉田美奈子に名前も似てる・笑)の
すごく素直でそしてよく伸びる声。なかなか現代にこういう歌い方する歌手って
いないですが、その分ぐっと心の中に入ってくるんです。
歌詞もいいんですよね。

1996年の作品ながらも色あせることを知らず、
いまだにターンテーブルにのる愛聴盤である。
ジャケットの雰囲気もいい。
サニーデイ・サービスやハッピーズ、ママレイド・ラグや
勿論はっぴいえんど好きの人にも聞いてもらいたい名盤です。
個人的なお勧めは、一曲目の「すきまから」と六曲目の「月ノ影」。
月ノ影はこのアルバムいちのロックを感じる曲。
フィードバックからギターソロにはいるイントロ。
何度聞いても格好良いです。

とにかく。

フリーボはいい

漣(さざなみ)さんのブログ

戦争は終わった/夏木マリ

2005年03月15日 02時09分32秒 | 邦楽
先日readymadeから、夏木マリの新作「戦争は終わった」が発売となりました。
今回も全面小西康陽プロデュースです。
HPで小西氏が全曲解説をやっているので、細かい説明は避けますが、
素晴らしい作品に仕上がっている事を声を大にして言いたいです!

全編JAZZな仕上がりで、夏木マリさんの渋くて説得ある歌声が
なんともいえない味わいを持って耳まで聞こえてきます。
寂しい歌詞もあったりするのだけど、やはりそれは「夏木マリ」だからこそ
歌えるんだと思います。これが野本カリアだと(大好きですけど)・・・
全然違いますね。人間としての経験なんでしょうか。

中でも個人的に嬉しいのは、ザ・ヘアーのあいさとう氏の作詞作曲が
二曲収録されていること。そして恐らく演奏にも参加していること。
(演奏者クレジットにはあるものの、曲ごとには書かれていない)
小西氏がreadymadeであいさとうを取り上げた時には、
気付くのに既に遅すぎたと思うのだが、「ローマ」以後もこうして
素晴らしい仕事をしてくれるのはファンにとっては大変嬉しく思う。
なんといっても本体であるザ・ヘアーの活動があまりないし、
形態もバンドからは離れているから(こっちもいいんですけどね)。
あいさとう氏にはギターがよく似合う。

それはそうともう手にはいらないですが、readymadeで予約すると
非売品DVD-Rがもらえたのですが、これがまさに必見アイテム!
去年のreadymade fesでの夏木マリさんのステージからの一曲を
DVD化したものですが、最高に格好いいんです!
一曲といわず是非いつかは全編DVD化して欲しいです。
当日会場でみていましたが、その格好よさといったら
気持ちいいくらい格好よかったです。
(当日のカアリイとヘアーのライブも併せてDVD化して欲しいですね)

アナログはCDと曲違い一曲有り。ファンは是非!
といってもHPでは売り切れ。私もまだ持っていません・・・アァ。

http://www.readymade-intl.com/top_frame.html

ナイアガラ・ムーン三十周年

2005年03月14日 01時40分13秒 | 邦楽
レココレ最新号は、ナイアガラムーン特集!
ナイアガラ・ムーンが1975年に発売されてから三十年。
大滝先生自らリマスターを手がけボーナストラックも収録。
そして初回版のみ、
銀盤だかなんだかの特殊加工を施した何でも音が良いという仕様らしいです。

今月のレココレの表紙は、
ナイアガラの写真がババン!と使われており凄くPOPで惹かれますね。
大滝先生の最新インタビューが10P近くに渡って掲載されているので、
ファンは要チェック!(来月もパートⅡが掲載予定!)
その他、ナイアガラ・ムーンを作るにあたって大滝詠一が影響を受けた音楽というか
下敷きにしたアルバムも載ってます。これが実に奥が深い。
’75年の時点でこれだけ豊富な影響を受け更にそれをきちんと自分のものと
して昇華していたのはおそらく彼だけではないでしょうか?

はっぴいいえんどの盟友であり、ナイアガラ・ムーンにも参加している細野晴臣をして、
ベストプレイの一つと言わしめた作品だけに今回の三十周年版も見逃せないでしょう!

噂によると同じくはっぴいえんどの盟友である鈴木茂氏の1975年の1stアルバムにして
大名盤である「バンド・ワゴン」も三十周年記念版が出るらしいです!
こちらも今後の情報見逃せないですね。