「癒やしは愛」 ヨハネによる福音書 5章1~9節
ベトザタという池の周りに5つの回廊がありました。そこには、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが、大勢横たわっていました。そこでは、水が時々動くことがあって、そのとき一番最初に池に入った人が癒やされると信じられていました。イエスさんは、38年間も病気で苦しんでいる人に向かって、「良くなりたいか」と言われました。その人は、「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。わたしが行くうちに、ほかの人が先に降りて行くのです。」と言いました。
当時の社会では、神さまに罪を犯したから病気になると考えられていました。そのため、ベトザタの池と5つの回廊の周りに横たわっていた大勢の病気の人たちは、「罪人」と呼ばれて蔑まれていました。さらに、病人の間で競争があり、病気が癒やされるのも実力次第であるという様子が伝わってきます。イエスさんは、良くなりたいという思いがあるかどうかを聞くだけで、その人の病気を癒やしました。イエスさんの癒やしは愛です。病気が癒やされるにも差をつける社会にあって、差をつけたりしなかったからです。