えー、この時期になると「一本釣り」された学生が「こんなはずじゃなかったんですけど」とか言って配属前教育とかのタイミングで狼狽えて、逃げ出したがる季節ですね。
ようこそ修羅の国へ。
今日はこの研究室における一本釣りについて解説していきたいと思います。
そもそも一本釣りとは、卒研や修士の学生として特定のお気に入りを囲うことです。「おかかえ」とか大学によって呼び方が違うのですが、お気に入りを囲う、成績優秀者を囲うという意味では一緒です。
でも今となっては思うんですよね。
研究能力と成績って比例しないし。
まずかかえたい理由を察した方がいいって。
普通、マトモな先生は3人くらいは卒研生が入ってきます。まぁ学科で決められている人数に満たなかったとしても、第二希望まで含めればかなりいます。なのでわざわざ囲う必要がないのです。
じゃあなぜ囲うか?
頭のいい方は察しが付きますね。定員充足がどんなに頑張っても不可能だからです。あとは成績優秀者を入れて、なるべく業績を上げる確率を上げたい、とか。まぁ要は自分本位の理由なんですよ。
もちろんごく稀にとても気に入ってくれて、学生を育てたいという高尚ないる方もいますが、かなり稀だと思います。
定員充足できない理由はさまざまですが、厳しい、アカハラ、セクハラなど学生にとっては不利になる要素が満開なことが多いです。私自身もさして長くもない研究者生活で「一本釣りされたー!」と自慢していた学生の血の気が引いているのを何人も見たのですが、だいたい教授の性格がやばいんです。
加えて、お気に入りにはそれなりの期待をしています。まぁしないで欲しいけどするのが人というものなんですよね。それの研究能力が、実際学業成績などからイメージしていたものと違っていたら、期待と「こんなはずじゃない、できるはずだ」という気持ちが相まってものすごく先生側もフラストレーションが溜まると思うのです。そうすると学生からは「高圧的な指導」になってしまうわけです。
こうなるともう最悪ですね。
先生の期待は満たせず、かなりキツい生活になります。
もちろん、修士以上になれば研究業績もある程度つくので、そうした期待と実力のミスマッチは減りますし、一本釣りを恐れる必要もないとは思います。(でもあんまりマトモな理由はきかないので原則やめたほうがいいと思います)
が、研究をかじったこともない卒研のうちは避けておくのが無難です。なぜなら研究はやってみなければわからないからです。業績が出るかも、向いているかすらわかりません。(私自身は修士の入試がB4の夏にあるのがほんとわけわかんないと思ってる人です。私はすでに三年つんでたけど、普通の人はたった半年で研究の向き不向きなんてわかるかー)そのタイミングでそういうことするのはミスマッチが起きた時のリスクが半端ないということです。
というわけで、危ないラボに入ったら今のうちならまだ逃げられるからにげて!お姉さんとの約束だぞ!