最近は医療従事者の方から質問をもらうことも増えています。今日はその中の一つに「患者として医療者から言われて嫌だったことはありますか?」というものがありましたので、お答えします。
結論から言うと、3つ!膠原病患者としては結構言われがちではあるものたちです。
・薬飲んでるからね
まず、患者である医療従事者として、この声かけはぜーーったいやめてほしいです。患者さんは飲みたくて薬を飲んでいるわけではないです。必要だから飲んでいるので、それを悪者にするような声かけは絶対やめてほしいです。実際医療従事者の立場からして、「先生から『薬飲んでるから症状出るんだよ』って言われた」と言って休薬した方、何人か見ています。それが痛み止めとかまぁやめても障らない薬ならまだいいけど(よくないけどな)膠原病で飲んでいるお薬は「病気を止めるために必要な薬」です。副腎不全によるクリーゼなど休薬を急にすることによる悪影響もあります。このような声かけにより、薬への恐怖心を煽る場合もあるので、休薬を防ぐため、病気のコントロールを良好にするためにも、絶対このような声かけは避けてほしいです。(これはコメディカルとしても全力でお願いしたい)
・膠原病だからね(全身に来る病気だからね)
これもよく言われるのですが、患者としてはたいていの症状であれば次の外来まで待ちます。つまり、あなたのところに来ているということは「そうだとして次の外来まで待てないくらいの症状なので(あるいは感染症などの急ぎの心配や証明書の必要性があるので)あなたのところに来ているので、とりあえず自信ないなら紹介でもいいから黙ってなんか手を打ってほしいんですが」って感じです。基本、膠原病の患者さん含め慢性疾患の患者さんは多かれ少なかれ今後の不安があります。また、かかりつけでないのに行くのは投薬の情報などもないので患者としても不安です。あと、シンプルに言うととりあえず辛いか証明書が必要だからみてくれが本音です。こうした不安を受け止めるどころか、倍増させる声かけなので、思ったとしても黙っておくのがよいでしょう。
・膠原病で病院かかってるから大丈夫でしょう(膠原病は総合診療だからね)
これ、頼む!めっちゃ言われるけど、正直膠原病の先生も全てをわかっているわけではないっ!往々にしてヤバくなったら各科に紹介しなければならないので、各科のお医者さんは診療放棄せず全力で診てください。お願いします。ちなみに、小児膠原病で成人した後も諸事情で小児科にかかっている場合も「小児科は総合診療科だからね」とかもれなく言われますが、大体成人したあとに出た合併症は成人診療科に譲ることになるので、大丈夫だろうと油断することなく、みてください。その合併症に関してはあなたが主科ですから。お願いします。(私、リウマチ疾患のLINEオープンチャットなどにも出入りしていますが、膠原病の患者さんで他の科を紹介され、油断されて危なかったとかそういうお話、結構聞きます)場合によってはそうした声かけによる見逃しで長年かかっていた先生との信頼関係にも障る場合が考えられ、そうした場合膠原病専門医の先生にも迷惑がかかります。
まー、膠原病患者やら自己免疫疾患の患者さん、考えることが多いので医療従事者としては決してありがたくない存在ですよねわかります。私も自分を患者として見ると、医療従事者の立場からすれば、先天性疾患もついてるので最高に厄介で「いつもありがとうございます」なんですが、まぁしかしこちらも厄介にならねばならないのでお互いなるべく仲良くしましょうよと言いたいところです。もちろんこう言うこと言う先生ばかりじゃなく、開業医の先生でも飲み合わせとかもちゃんと調べて処方してくれる方、病気の活性をしっかり見た上で診断してくれる方が圧倒的に多いです。
まぁしかしね、患者としても反省することは多いわね。特に感染症とかだと、ギリギリで辛いときにかかるからさ、血液データなんか持ってこれなかったりするから。頭働かなくて。ほんますまん。医療従事者の資格持っててこれだから、一般の患者さんを責めることはできまいと思うわけですよ。(お前はもう少ししっかりしてくれ頼む)
というわけで、大変だとは思いますが診療よろしくお願いしますよ〜。