今日は自分の飼ってる子たち(細胞たち)の培地交換の日です。ちなみに培地交換だけでも今回四つほどのフラスコがあり、無事死亡の知らせです。
そろそろ世の中の学部生たちは「うぇー失敗したー!ブラックだったー」とラボの文句が出始めて行きたくなくなってる頃ではないでしょうか。せっかくがんばって、ネットに書いてあることを全て避けて選んだのにどうしてダメなんだろうと悩み来られなくなる人、「もうここでやっていけないです……」と言った人色々な人を見てきました。
かくいう私も学部時代、修士時代と鳴かず飛ばずのラボ生活を送っていました。なので、かなりこの気持ち、わかります。「なんで失敗したんだろう」って思いますよね。私の場合非常に致命的なミスはほとんどしなかったので、挫けることなくラボをいずれも完遂しましたけど、もしも致命的にミスをしていたら……と考えることはあります。
ところが今のラボは大当たりでした。傍目から見てあたりなのかどうかはわかりませんが、私自身はめちゃくちゃ満足しています。それを振り返るとやっぱり大事だったのは興味だったなと。グラントとかそういうのは最悪後から自分でも引っ張ってこられるけど、興味のない研究させられたら終わりです。特に学部生は与えられたテーマをやらなきゃならないし、その研究で修士もやるのかとなると、最初から全く興味のない話をさせられると辛いものがあるでしょうね。
で、よく辞めたくなっちゃった学生にも訊いていたことを思い出します。「興味、他のものになった?本当の自分、見つけた?」って、よく訊いていました。
私は真似事まであわせれば研究6年やってるんですけど、特に若い時の研究ってほんとに「本当の自分を見つける」ために何してもいいんですよ。だから、本当の自分が見つけられたら移ってもいいよ、と本当は言ってあげたかったですね。私がPIになったら、たぶん言うと思います。
で、私にしてもそうで、臨床工学は好きだったんだけど、やっぱり勉強していく中で、基礎医学とか病態解明とかそういうものへの興味は衰えてないどころかむしろ強まっていたんだろうなと。だから、今の時期に移れて本当によかったと思っています。色々決断に失敗している人間ではあるんですが、人生大一番の決断はしっかりできてて本当に良かったです。分野変更に関してはまぁ色々ありまして、正直3月はこれでよかったのか、受賞までする研究だったのに捨ててしまってよかったのかとか色々悩んでいたんですが(周りもそう言うし)、今となっては自分にさらに深みが増してきていて「4年後には想像もつかないくらいでっかくなってるだろうな」という気がします。
というわけなので、興味が他にうつったら躊躇なく出るのもまた一案です。新しい自分に出会う瞬間は見逃さないようにしてくださいね。