えー皆さん、親知らずの抜歯であまりにも具合が悪かった場合や、ラボに行けるけどブログの面倒が見れるか微妙な時に備えての書き溜め記事、が体調のいい状態で放流されました。あっした〜!
患者10年めを超えて11年目が目前のベテランさんです。おはようございます。
今日は初回退院時に聞いておいた方がいいと思われることを教えます。逆を言うとこれらは「いずれくる大問題」です。特に退院後1年は本当に体調が安定しないのでとにかくいろんなことが起こった印象があります。ので、備えあれば憂いなし!で在宅切り替えをしましょう。
・近所の歯科、眼科、内科に診療情報提供書の記載をしてもらう
まずはこれ。眼科はフォローが膠原病の入院先で入ればその方がいいですが、入らない場合もあるのでその場合は眼科を探しましょう。ステロイドを飲んでいる限り、眼科の不安がある状態はあまり好ましくありません。
あと歯科。今までかかりつけていた歯科が受け入れを拒否ってくる可能性はほぼゼロに近いと思われる(注:私は大学病院歯科しか知らないので一般のクリニックは不明)のですが、それでもやはり診療情報提供があった方が安全です。ない場合、歯医者さんも配慮すべきポイントがよくわからないと言うのは往々にしてあります。私はそれで11年近く、自分が感染性心内膜炎のハイリスク患者と知らずに歯石とりや抜髄もして過ごしました。かかってないから笑い話ですが、かかってたら本当にやばい話でした。
最後、発熱時などに最初に駆け込む内科。これは私は近さを重視しています。基礎疾患の感染症、もはや移動で非常に体力が損なわれるので。正直「膠原病のことは多少聞いたことあるくらいでいいから、適切に紹介状を書いてくれて感染症の検査をしてくれればよい」という極めて雑な基準です。
・発熱時や歯科治療のワークフローを確認する
次に大事な事案はこれです。風邪を引いたりして膠原病の症状でなく熱をだす日は膠原病患者でも必ず来ます。私は退院後わずか3ヶ月で盛大な風邪を引いた状態で旅行となり、熱が出ました。早きゃもっと早い人もいるかも。その際にワークフローができてないと初動が遅れます。初動が遅れるとただただしんどいのと、そうでなくてもこう言う時に頭は使えないのでマニュアルが大事です。
・主治医に電話したほうがいい時を確認する
基本感染症は内科のホームドクターにかかるのが一般的な指示と思いますし、膠原病の方にいざとなったらホームドクターから受診指示が入るのが一般的ですが、自宅でどうしようもないシーンというのもあるでしょう。例えば酷い嘔吐下痢でそもそもホームドクターにすら行くのが怪しく薬が飲めない、とか。(私は未経験だが)こうなったらおそらく電話指示を仰ぐんだと思うんですよ。まあ他にもいろんなシーンがあると思うので、それは確認です。
・旅行時の対応を確認する
膠原病になったからって一生どこにも行かないわけじゃありませんよね。一番手軽なのが旅行です。旅行の時(海外と国内で対応が異なることもある)の対応は確認しておきましょう。在宅に切り替わってからも一般的な飲み薬を使っているうちはいいですが、生物学的製剤やその他特殊な薬が始まったらもう一度確認しましょう。
・在宅住環境を整える
これはマジで整えてから退院してほしいし、できれば退院調整で一度か二度自宅に外泊してダメな場所を改善してから患者さんを帰すことを家族にもお勧めします。特に思わぬポイントになりやすいのがエアコンと手すりと段差。温水が出ない家はきょうびあまりありませんが、できれば出るようにしておきたいものです。我が家は既に階段に手すり、ドアの段差なし、浴槽に手すりありと非常に贅沢なバリアフリーとなっていたために、よれよれを退院させてもさほど支障がありませんでしたが、当時の私と来たらドアの段差でけつまずき転倒しそうなよぼよぼ具合でした。ちなみに湯船からの脱出は手すりなしでははじめ困難でした。ご参考までに。
・障害者手帳の申請や介護保険利用ができないか一回は確認する(障害者手帳は発症から半年たたないと申請できない場合あり)
でまぁ特に住宅改修は非常に金がかかるので、こういうのは社会保障を使ってなんとかしたいですね。そんな時に便利な制度がこの2つ。60歳を超えた場合は介護保険利用も視野に入るので検討してみてください。それ以前なら身体障害者手帳を一旦考えます。「歩けるから無理」とか思ってたら思わぬ等級がつくこともありますので一回は確認しましょう。使えるものは使った方がいいです。
・難病医療の申請について聞いておく
おそらく入院中に自己負担のある方は申請するんだと思いますが、到底退院までに間に合わないので、還付手続きなどについてあらかじめ確認するか、ソーシャルワーカーさんに聞いておくとよいでしょう。手続きは委任状を駆使して病院から一歩も出ずに行う方法(身寄りがない場合友達やソーシャルワーカーさん、ケースワーカーさんあたりに頼むことになるでしょう)もありますが、かなり必要書類も多いのと退院後の生活訓練にもなるため、2度ほど外出して(できればだが)やるのがいいと思います。
というわけで退院前にはやることが多すぎて激萎えしますね。ただ退院後一年は本当に予想もしないことがたくさん起こりますし(まぁ今も親知らずの傷を縫いつけてた糸が勝手に一本いなくなりやがって傷口は一応血が出てないから多分大丈夫だけど退院後の比じゃない)それに対応する体力もあまりないのが本音と思います。なので守られた環境にあるうちに環境を整えることも、その後の再入院や疲労防止に一役買うはずです。