Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

合併による自治体名①

2006-04-08 13:09:49 | ひとから学ぶ
 平成の大合併がひとまず終わった。乗り遅れてしまったという印象が若干足りともある地域では、「なぜ合併しないんだ」なんていう住民の言葉が聞こえたりして、平成の合併は終わったとはいえない。いずれ、再び再編される地域はあるのだろう。この合併に伴って生まれた新しい自治体名をみると、いろいろ思うところはある。地域の住民のことはあまり考えず、わたしの勝手な印象で、自治体名のつけ方をまとめてみる。あくまでも地図を見たうえでの印象なので、細かい情報はなくて思ったところなのでかんべんしてほしい。

①合併する市町村名の一名称をとって「ひらがな」名にした自治体。茨城県かすみがうら市、千葉県いすみ市、秋田県にかほ市、埼玉県ときがわ町、群馬県みなかみ町、福井県あわら市、同おおい町、和歌山県みなべ町、兵庫県たつの市、高知県いの市、香川県まんのう町、福岡県うきは市、鹿児島県さつま町などである。そのまま漢字で充てればよいのに、わざわざひらがなに変えたのは、いろいろ理由があるのだろう。ひらがなにすることで合意がとれたケースなのか、それとも代わり映えがしないといって、やわらかい印象になるかなにしたのか定かではないが、ひらがな名称の場合、地域イメージがわかないし、かつてと同じ発音でもすぐにイメージすることはできない。理由はあるのだろうが、同じ名称を使うのなら漢字で充ててほしいケース。とくにあげないがこれに近いケースもある。東西南北などの位置的情報を加えて、かつての自治体名を使ってひらがな変換したものがそれだ。

②合併する市町村の一字をとって組み合わせた自治体。青森県中泊町、秋田県八峰町、茨城県小美玉市、長野県東御市、同長和町、同佐久穂町(ちょっと変則的ではあるが)、三重県大紀町、滋賀県愛荘町、兵庫県香美町、鳥取県北栄町、福岡県福津市、同宮若市、熊本県和水町(和水と書いて「なごみ」という)などがある。ちょっと近いパターンのものに、和歌山県紀美野町というものがある。美里町の「美」と野上町の「野」をつけただけでは地域感がないので、そこに「紀」をつけたものである。昭和の大合併にくらべると、こうしたパターンは減ったかもしれない。単純なるみこどな組み合わせは小美玉市である。もろに頭文字をを三つとってつけた名前で、古き時代の合併パターンといえるだろう。「いまどきそんなのありか」という感じで、もっとも従来の自治体名が消えてしまい、意図がわからないケースである。

③名称を組み合わせた自治体。②と同じようなケースだが明らかに違うのは地名を組み合わせているから、従来の自治体名のイメージはそれほど崩れていない。秋田県由利本庄市、栃木県那須烏川市、群馬県東吾妻市、千葉県横芝光町、静岡県川根本町、山口県山陽小野田市、鹿児島県市来串木野市などである。

④苦心の作(必ずしも地域の拠点名称にしなかったケース)。後述する大仙市も大曲という名が消えてしまっているが、けっこう今までの名称で地域が固定されているにもかかわらず合併のためにわざわざ違う市名をつけたものがけっこうある。そんな配慮で逆に合併が壊れたというケースもあるので、わたしに言わせてもらえれば「苦心の作」だろう。那須塩原市には黒磯市が含まれている。黒磯より那須塩原の方が地域名称に合っているのかもしれないが、その裏にはかつての黒磯市民のけっこう葛藤があったように思うがどうだろう。

⑤「そんなのありか」みたいなケース。
■秋田県大仙市と仙北市の関係はそんな感じ。大仙市に仙北町が合併しているのに、新たにその隣に仙北市が誕生した。大仙市の旧自治体には仙北町のほかに西仙北町や中仙町なんていうものもあった。いっぽう仙北市の旧自治体名に仙のつく名称は何もなかった。あくまでも情報なしで書いているので認識不足でいけないが、「仙」の北とか西とか中というときの「仙」とは何をもって仙なのだろうと興味がわく。この大仙市の中心はもともとの市である大曲市なのだろうが、どうもこの地域に「仙」とい意識が高いから上に「大」をつけて「仙」を強調しているのだろう。もともとの仙北町を知っている人は、新たなる仙北市と勘違いするだろう。


 ①のケースはかつても若干あったかもしれないが、あきらかに平成の大合併の特徴あるケース。やたらにひらがなの自治体名が増えた。②については合併するならもうちょっと考えて欲しいものである。以上気がついたところをあげてみたが、次回にも触れてみたい。
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