Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ひっくり返りそうな味

2006-04-29 09:13:05 | つぶやき
 わたしは比較的甘いものも好きなほうだ。もちろん辛いものもけっこう好きで、香辛料を多用するタイプだ。子どものころにはそんな香辛料を使うという感覚はなく、醤油やソース程度のものしか使わなかった。コショウなんかは卓上に置かれている姿はかつてはなかったし、塩コショウはもちろん七味なんかも卓上に置かれて好みで利用するということはなかった。どこの家でもそうだったのかは知らないが、農家の食卓にそんなものが並ぶことはなかったはずだ。外食で食堂などに入ると、食べるものによっても異なるが、脇に必ず並んでいる香辛料がある。醤油やソースはともかくとして、コショウ、七味などは定番なのだろう。子どものころに外食なんてすることはなかったから、そんな風景はしばらくは「そんなものなのか」程度に思っていた。社会人になってそれまでの食生活はいっきに変化し、外食というものが多くなった。現場が多いということもそうしたことにつながったといえる。弁当を持っていけばよいのに、と思うのだが、職場で出張する人たちが弁当持ちで出るということはなかった。わたしも一人暮らしだったから、弁当を持っていくなんていう考えは浮かばなかった。だから現場へ行くとなれば必ず外食になったわけである。

 そんな出張先での外食で、先輩の香辛料の使い方に驚いたものだ。カツ丼に七味はかけるし、焼肉にも赤くなるくらい七味をかける。定食を頼めば味噌汁に七味をかけるし、ご飯にも七味をかける。しまいには「七味じゃいまいちだから一味にしてほしい」という。わたしの知らない世界がそこに広がったわけである。しかし真似をするという気はなかった。醤油とソースがあれば間に合う、そんな外食であった。しかし、いつのころからか、外食に慣れてくるとさらなる刺激をと香辛料をかけることを覚えた。とくに七味である。さすがにご飯に七味をかけてふりかけがわりにすることはないが、外食の野菜炒めには赤くなるくらい七味をかける。もうひとつ、味噌ラーメンにも同じようにかける。そんな食べ方に慣れてしまった。自分で作った野菜炒めにはそれほど掛けはしないが、外食の際にはやたらに掛けたくなる。ただでさえ外食の野菜炒めは味が強いところへ、強いからさらなる刺激が欲しくなってしまう。だから外食はしないにこしたことはないのだ。本来の素材の味など飛び散っている。

 さて、辛い話は余談である。妻が最近チョコレートのカカオ99パーセントというやつを買ってきた。「食べない方がいいよ」といわれたので、てっきりいつものごとく食べられてしまうことを予感しての「食べるな」という指導だと思ったが、義理の弟とともにそのチョコレートを口にして、思わずともに顔を歪めた。「なんだこの苦さ、そしてまずさ」は。「こんなもの商品になっていない」とは義弟の言葉である。こんなチョコレート売れるわけがないと思っていたが、コンビにに行くとそのチョコレートが棚に並んでいる。99パーセント意外にも何種類かパーセント表示のものが並ぶ。よくみると、カカオ○○パーセントなどというチョコレートが棚の半分近くに並んでいる。流行っているのだとそこで認識した。妻は99パーセントを買う前に70パーセントくらいのものを買って食べたことがあったようだ。それは「まずい」と思うほどのものではなかったようで、「それなら99パーセントはどうなんだろう」と期待して買ったに違いない。しかし、妻もそのまずさには驚いたようだ。そんなチョコレートの話題で盛り上がっていたら、義理の母が「わたしにもちょうだい」という。思わずそこにいた3人で「辞めた方がよい」と口にしていた。あまりのまずさにビックリしてひっくり返ったら大変だからだ。

 それにしてもちょっとこれ、商品にやっぱりなっていないと思うが、コンビにで売ってるんだから世の中、舌がおかしくなっているかもしれない。
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