Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

スイセンの季節

2006-04-16 09:49:18 | 自然から学ぶ
 盛んにスイセンが咲いている。それもあちこちにその姿をみる。妻の実家に咲いているスイセンを見ていて思ったのは、咲いているスイセンすべての花がこちらを向いていることだ。土手の中段に咲くスイセンは、みんな南東を向く。もちろんそれは日差しのさす方向である。傾斜している土手だから土の方を向く花があるわけないといえばそのとおりだが、この花はどちらかというと協調性が高い。だから日本人好みの花なのかもしれない。

 スイセンは地中海沿岸が原産で、室町時代以前に、中国を経由して日本に入ったと考えられている。ヒガンバナ科スイセン属の多年草である。

 みんなこちらを向いていたので、よそのスイセンもそなのかと観察してみたが、必ずしも南の方ばすり向いているわけではない。北の方を向いているスイセンもあった。ただ、傾向としては同じ方向、とくに東西ラインよりは南を向いているものが多い。自宅に帰って庭のスイセンを見たが、まだつぼみであった。やはり飯田下伊那の中でも寒いところなんだと気がつく。

 そんな自宅のある地でも、いよいよ毎日のように果樹の消毒が始まった。SSが道を行き来している。しかし、この冬にも自宅の東側にあった果樹園の木が何本も切られた。風向きから東側にある果樹園で消毒をすると、消毒が飛散してきた。だから、もっとも気になる位置にあった果樹園であるが、栽培されている方たちもずいぶん高齢で「えらい」ということもあってすべてではないが、約半分を切った。わたしの家に近い側の古木を切ったということで、わたしにはありがたい話だか、果樹の木が切られて行くと寂しさも覚える。こうやって毎年毎年木は減って行く。我が家の南側にも果樹はあるが隣接地の果樹はもう切られて10年以上たつ。同様に西側も北側ももとは果樹園であったが、わたしがここに家を作ったときにはすでに切られて荒れていた。その昔はおおかた果樹園であった地も、今や荒地が目立つ。そんな荒れ果てた果樹園にタンポポが黄色い絨毯をまもなく敷く。

 そういえばスイセンといえば越前海岸のスイセンにあこがれて、ずいぶん昔に見に行ったことがある。そのとき何株もスイセンを手に入れてきて植えたが、すべて枯れてしまった。あの当時のままの越前海岸なのだろうか。
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