Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

落石 徐行せよ

2006-04-01 10:40:59 | つぶやき
 ある村道を走っていたら、写真のような看板があった。数日前にも走っていて、その際にもけっこう気にとまった。山間の道を走ると、よくこういう看板に出くわす。権兵衛トンネルが開通してもう通ることはなくなったが、伊那市羽広から奈良井までのかつての峠道や、遠山谷へ通じる県道上飯田線の峠道などを走ると、1車線程度の幅しかないところに、覆い被さるような岩場や崩落面が現れたりして、落石の危険箇所はたくさんあった。昨年上伊那郡中川村の県道で落石防止ネットが張ってある崖よりも、さらに高いところから落石があって、通過していた車に直撃。乗っていた人が亡くなった。けして落石は珍しいことではないから、そんな事故は不運としかいいようがない。

 この看板の奥には山留めの擁壁の上に落石防護柵が設置されている。その手前、看板が裏向きのところから表向きの看板までの間は、わずかな区間ではあるが、この山側がこのごろ崩落したようで、この看板が立てられたようだ。写真では見難いが、その下に行くと、山肌が見えている。確かに落石の可能性はあるかもしれないが、とりあえず落ち着いているようだ。

 さて、何度走っても、意外にもその看板の印象が残る。果たしてこの看板を見て、運転者はどう判断するのだろう。「この先 落石徐行せよ」を見て指示どおり徐行するのか、どうだろう。ゆっくり走っているうちに本当に落石があったら危険だ。だからわたしの印象としては、「落石あり」程度で看板を見ていて、最後の「徐行」などという字は読む前に本能的にすり抜けようという意識が働く。落石危険箇所だからさっさと通り過ぎようというものだ。いざ落石があったら徐行していようとスピードが出ていようと、それほど関係ないようにも思う。ただ、落ちている岩に直面したとしたらスピードは出ていない方が安全かもしれない。しかし、落ちていないとしたら徐行している方が危険なような気もする。

 この看板の指示が適正かどうかはわからないが、世の中に氾濫している看板の字と状況とを比較してみると、なかなかおもしろいというか、考えることが多い。
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