NHK 盛岡放送局 (2020.6.19 18:28)
1年をメドに…
国は東日本大震災を受け、平成23年に各都道府県に対し、最大クラスの津波が発生した場合の浸水域の想定を示すよう、法律で義務づけていますが、県ではまだ示されていません。
その理由について県は、国による日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の影響についての検討結果が出ていないためとしていましたが、ことし4月にその結果が公表されました。
これを受け、県は津波や防災の専門家などで小委員会を設置し、今後1年をめどに、最大クラスの津波が発生した場合の浸水域のシミュレーションを行うことになりました。
4月に国が公表した想定では「日本海溝」で起きる巨大地震で、青森県や岩手県南部の一部が震度6強の激しい揺れに襲われ、津波の高さは宮古市で最大29.7メートルになると想定されています。しかし、地元との調整がまだ済んでいないことを理由に、県内のほかの地域の津波の高さや浸水の深さは公表されていません。
(東日本大震災の津波にくらべて)「同じくらいですよ」「もっときますよ」「それほどじゃないですよ」というのを言わないと市民はいつまでも不安が募るので、データをもらっていきたい。──宮古市 羽賀直樹危機管理監
了
☆
▲ 考えてほしい。 この問題(=沿岸市町村の巨大津波対策策定)については法律が出来てから9年経つ。法律は東日本大震災直後に出来たが、震災直後はまだしも、各市町村は岩手県庁の不作為を言い訳にして、また岩手県は国の不作為を言い訳にしてこの問題に対しては何も動いてこなかった。
現在は岩手県、宮城県だけが未策定である。4/21発表の国のシミュレーションも県民には未だ開示していない。そのため両県民は未だに巨大津波に対してはこの9年有効な問題意識をもっていない。NHKの記事が曖昧で分かりにくいのもそれが理由です。
われわれ「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」は節目の都度、宮古市、岩手県に問題点を開示し、警告を出し、抗議し、対策を問うてきたが、顧みられなかった。というより、張りめぐらした防潮堤、河川水門の工事完成をひたすら待つだけで、行政は完全に思考停止に陥っていたのであった。
▲ このたびの国からのシミュレーションを受けて、この問題に追いつけるのか?
次の経過にざっと目を通しただけでも、挽回がそう簡単でない事が分かるはずである。しかし、どこからか手をつけて、実行せねばならない事は厳然たる事実である。市民誰もが注目し、協力しなければならない。津波防災対策問題はほとんど振り出しに戻っている。
▲ 最大クラス津波防災対策の系譜(東日本大震災以降〜)
[関連記事] 最大クラス津波浸水予想(岩手宮古・山田) 2020.9.15
[関連記事] 千島・日本海溝地震 宮古市を直撃(1)〜(4) 2020.4.21
[関連記事] 鍬ヶ崎浸水アルバム 2016.5.11
※ ここにある [関連記事] は基本的に重要なもので系譜記事のほんの一部である。それぞれからリンクを辿れば更に詳しい。
コメント利用規約に同意する
フォロー中フォローするフォローする
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます