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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。 藤田幸右(ふじたこうすけ) 管理人

福島は22m津波想定 4

2019年04月12日 | 気仙沼市、宮城県、福島

 岩手県の場合

やっと福島県庁が動き出した。岩手県では「最大クラス津波」に対する予測、シミュレーション、指針をまだ出していない。以下のような通達のまま8年が過ぎている。各市町村ではそれを勝手に忖度・解釈して、危険区域の設定、区画整理、ハザードマップの制作を進めてきた。

── 以下、物事が終わってから理解が始まるパターンでは遅いのだが…

 

 

↑岩手県からの通達(2016年 宮古市都市計画課で入手)

 

ここに何が書いてあるかと言うと最大級の津波に対しては
(1)住宅にかかわるシミュレーションは防潮堤は壊れずに機能し、地盤は沈下せず、もっとも安心な「ゆるい」条件で進める事
(2)避難計画の方は、防潮堤は壊れるものとし、潮位も満潮時などもっとも「厳しい」条件下でシミュレーションする事 ──と通達されているのです。


なんという事だ!!典型的な最悪ダブルスタンダード! 住民は右往左往するだけの最悪の指針。これからの事ではない、とんでもない事には、震災直後の各地区の「復興まちづくり」の住宅建設の件ですでに実行されたのである。宮古市鍬ヶ崎地区や藤原地区では防潮堤があるから「安心して」家を建てよう、と宮古市からの声がかりがあった。今、防潮堤は壊れるから「ないものと思って」急いで高台に避難、となった。今、家はだいぶ建ってきたが、正しく避難のことを第一に考えて生活しなければならない。

 

[関連記事] 鍬ヶ崎浸水アルバム    2016.5.11

 

 

 ☆

 

 

 「岩手日報」の場合(解説に代えて)

 

最大クラス津波」防災計画、
策定進まず 県内市町村

(web 岩手日報  2018.11.12) 

 

 

 東日本大震災を受けて施行された津波防災地域づくり法が促す「最大クラスの津波」を想定した防災計画の策定が県内市町村で進んでいない。津波被害の最悪シナリオを公表し、事前の備えを進める狙いがあるが、震災から7年8カ月がたっても国から前提となる津波想定が示されないためだ。被害の最小化に向けて対策が急がれる半面、東日本大震災級の津波に対応したまちづくりを進める被災地からは「新たな浸水想定と復興計画の整合性が取れなければ、まちづくりの否定になる」と戸惑う声も上がっている。

 

 本県で想定される最大クラスの津波浸水域に関し、県は本県沖を含む東北地方太平洋沖地震と日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に基づいて設定する方針。だが「日本・千島海溝」の影響については国の検討会が審議中で、「国の検討状況を注視している状況」(県河川課)だ。

 

 県から新たな浸水想定が示されない中、沿岸市町村は震災後に独自の津波ハザードマップをつくるなど防災対策を進めてきた。だが、同法が求める最大クラスの津波に対応した計画作成には着手できずにいる。

 

 現在も震災以前の津波ハザードマップを公表している釜石市の千葉博之・防災危機管理課長は「浸水域が示されず更新できない」と困惑。震災津波を前提にした避難所の見直しや防災ガイドブックの配布などで対応している。(了)

 

8年も経っても県は中央頼みだ。すでに事態は通達通り実行され失敗しているのに、いつもいつも「国の…」意向待ちだ。岩手県は「最大クラス津波」に対して沿岸住民を見殺し。倣(なら)って各自治体も自主性がなく住民を見殺しにしている。行政は住民に自律をうながす知恵もない。経験あり知見ある住民を基に対策を練るのではなく、いつもながらの中央政府の指示待ちの状態。これは政策ではない。着手すべきは知恵の組織論・経験のマネジメントの問題なのだ。

被災住民に聞けと言うこと!! 

住民もそれに応えるべきだ!

 

 

[関連記事] 最大クラス津波(岩手日報紙面記事)     2018.11.22

 

 

 

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