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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

危険、あきれた終局工事(藤原)

2019年01月25日 | 磯鶏、藤原

磯鶏・藤原地区(岩手県宮古市)防潮堤工事

最後の工事は、やっつけ工事 。

〜藤原にかえって津波災害を呼び込む。

 

  

藤原漁港と旧防潮堤 (M.小林 2016.8.21)

 

磯鶏・藤原防潮堤2,135mは閉伊川水門154.4mとつながる。


西の方、越田山の麓から始まった磯鶏・藤原防潮堤2,135mの東の末端は、藤原海岸。
今だ工事中の閉伊川水門154.4mとつながる計画。


 ☆

 

藤原海岸現在。左側が磯鶏・藤原防潮堤、正面が旧防潮堤(M.小林 2019.1.20)

 

旧防潮堤活用の薄皮まんじゅう状の新防潮堤工事海側 2018.12.10)
(旧防潮堤があんこ、まわりに鉄筋コンクリートの皮をかぶせる) 


 

陸側も壁面に鉄筋を張りめぐらしている(M.小林 2019.1.26)

 

藤原海岸(藤原漁港)の旧防潮堤は先の東日本大震災巨大津波にも壊れなかった。そのために岩手県沿岸振興局は、この旧防潮堤を活用する事を思いついて、高さを10.4mにかさ上げ、壁面の厚さを若干厚くする事をもって磯鶏・藤原防潮堤工事の終局工事として、そのまま閉伊川水門にドッキングする事にした。

しかし、下記①〜④の理由により強靱性は無くなり、危険性が浮き彫りになった。旧防潮堤の安価なイージーさは藤原地区住民の期待を打ち砕く事にはならないか?


閉伊川水門で防潮堤に新たな津波襲撃力が加わる。

 

10.4mに合わせるために旧防潮堤の天頂に鉄筋を打ち込み、壁面は表面をはつり削って鉄筋を植え付けている。この後型枠を張りめぐらして生コンを注入しようといういうのだ。その事で外見が生まれ変わっても防潮堤が強靭になるとは思えない。


旧防潮堤の基礎部分がどうなっているのか分かっていない。躯体が重くなり、高さも増した関係で、旧基礎にかかる地上部からの負荷は増大する。既存基礎の吟味なしに、そのままの状態で簡単に増築は可能なのか? 重篤な事だ!

※ 旧基礎をそのままにして、防潮堤の地上部分に大量のコンクリートを投入して表面的に繕う方法をとると思われる。断面図は下膨れの、台形型と直立型の中間形になるとおもわれる。磯鶏神林地区防潮堤がそうであった。基礎を新たに建造するのでなく、あくまで旧基礎を繕うとするあきれた設計。
   神林地区工事
(2014.12.14 K.Fさん)
この鉄筋網への鉄板張り付けと、型枠をとって生コン注入と、強靭さの上でどう違うのか? いつも思う、どちらもダメ。


藤原海岸は閉伊川河口に隣接している。旧防潮堤は計画閉伊川水門と一直線に列を形成していて、河口を襲う津波の圧力を同時に受けるようになる。水門の受ける負荷とリフォーム防潮堤の受ける負荷は、いわば反比例する。基礎もコンクリート量も鉄骨量も圧倒的に水門の方の強度が高いように見える。その分津波力は藤原防潮堤に殺到する。


藤原防潮堤の立地形状から、この防潮堤の防災信頼度は低くなった。防潮堤が位置する藤原海岸は、一見して分かるように、これまでの津波力分散的形状とは異なり、奥まった形状に変化して津波力が集中する形状になってしまった。


── 藤原地区住民の判断は経験的にどのようなものになるのだろうか? ここに来てもまだ気づいていないように思われる。

 


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コメント
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