<ニュースレターNo.14> 7段目
「後出しじゃんけん」のシミュレーションには意味がない
山本市長は「シミュレーションの結果、鍬ヶ崎地区は、浸水しない区域である」といっている。シミュレーションをしてみたら防潮堤で東日本大震災規模の津波も防げるというのだ。間違いだらけの条件によるシミュレーションで国や県の有識者委員会の指針や県庁の設計を無視したものである。 …つづきを読む
<解説>
下図がそのシミュレーションである。2011年「鍬ヶ崎地区復興まちづくり検討会」に示され、何案か示されたが、最終案として、以来6年そのまま現在に至っている。
「鍬ヶ崎地区復興まちづくり計画」に示されたシミュレーション(2012.2.17)
いいかげんな宮古市の「シミュレーション」 考えなす
・3.11の津波の震源地もマグニチュードもなんら変わらないものを「東日本大震災と同じ規模の津波」としている。将来の同じ「規模」の津波がどのように変化するものなのか市民の懸念になんら答えていない。北寄りの震源地なのか、南寄りなのか? マグニチュードは?
・上図から分かるように3.11の浸水域を防潮堤の高さ10.4mで切り取っただけのものである。防潮堤の陸側には浸水がないものとしている。せり上がり、反射する津波の動きが無視されているばかりか、防潮堤出現で当然「変わる」津波の動きがぜんぜん示されていない。…ただの引き算…
ずっと6年間、間違ったままの防潮堤の位置 日立浜地区、港町
・上図の ピンク で示された防潮堤の位置が、大きく間違ったまま、訂正もされず、6年間そのまま現在に至っている。担当者といわず、役職を問わず、宮古市であれ岩手県であれ、もはやいいわけは出来ない。これまでのシミュレーションを撤回、白紙に戻すべき。入力データ等のいいかげんな実態がここにある。
・宮古港を襲う津波が直接であれ、間接であれ、反射であれ、湾奥からの戻り波であれ、強く打ち付ける日立浜地区の防潮堤の立地位置はここではない。小さくはないこの大きなずれは当然にも鍬ヶ崎地区全体の浸水シミュレーションまた宮古湾全体の浸水シミュレーションを変える。
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