1月31日の腰痛セミナーの模様

2010年02月05日 | マニュアルメディシンの話


以下の写真は先日(1/31)の腰痛症の徒手的臨床の講義風景です。

腰痛をヘルニアとか狭窄症といった傷病名で考えるのではなく

痛みの出る運動方向で分類し、対処する方法をお伝えしました。

後ろに反ると腰が痛んだとしますと、

その周辺に(時に遠隔部)反ることを拒んでいる関節がいるんです。

傷めた部分は、動きを失った隣の関節の仕事を引き受けて

無理な動きをさせられ続けたせいで壊れていると考えます。

治療は、障害を負った関節に無理をかけている関節に動きを取り戻し

傷ついた組織が正常に回復しやすい状況を整えることを目的に行われるわけです。

もちろん、痛みの原因が怪我ではなく強張った筋膜や、

あらぬところにへばりついた(癒着した)靭帯などが

運動時に痛覚受容器を刺激して認識されているものであれば、

その組織の緊張を取り除き、疼痛の解除も行います。

この日は非常にシンプルかつ効果の高い方法(うちのハニーでもできて効果もでる)を

お伝えしました。


↑腰椎骨盤リズムをお伝えしているところ。

全身の協調した屈曲では頭側から運動が始まり、伸展では股関節から運動が始まります。

その理由は解かりますか?

両足で作られた土台(支持基底面)から重心が、その中心から遠ざかると

姿勢の保持に必要な筋力が増します(仕事量の増加)。

体感するには、お辞儀の際に背中をまっすぐに伸ばして行うのと

頭から順次丸めるようにお辞儀するのと、

どちらが楽かを比べてみれば解かります。



↑姿勢評価をお伝えしているところ。

さて、どこが動きを失っているのかな?


これは筋の連続性を知るための実験です。

腓腹筋の筋溝を分け入ってゆくと、後脛骨筋にあたります。

この後脛骨筋は内転筋-腸腰筋・腰方形筋へと連続性を持っているので、

股関節の伸展制限を伴った伸展型腰痛の治療ポイントとなります。

立位で伸展し、次いで伏臥位で股関節を伸展し

可動域を確かめたら…


正座の姿勢で後脛骨筋めがけて、テニスボールをはさみます。

痛い場所を見つけたらしばらくじっくりと緩むのを待ちましょう。

これ、かなり痛いので、手を床に添えて圧力を加減して行ってください。

痛みが半減したら次の場所を探します。

ふくらはぎの上から順にテニスボールマッサージを終えたら、

再び伏臥位で股関節を伸展してみると、面白いことがおこるはずです(笑)

立位で伸展もし、伸展時の腰椎のストレスが減っていれば、

その腰の痛みの原因がまさしく股関節(後脛骨筋つながりで)の

伸展制限にあったということが言えるのではないでしょうか。



これはハム(近位)の短縮に対するテニスボールマッサージです。

前屈時に生じる腰仙部の痛みの原因となる部位です。

このハムの問題は股関節のインピンジメント(衝突)の原因ともなります。

長く走ると股関節の前面・深部が痛むなんて症状が見られるのが特徴です。


これは股関節の外転筋群のテニスボールマッサージ。

小臀筋のトリガーポイントでは大腿側面や後面に、

あたかも坐骨神経痛のような鈍痛を生じます。

とよたま手技治療院へ「坐骨神経痛といわれた」と来院される患者様のほとんどが

この「小臀筋のトリガーポイント」だったりします。

セルフケアとしてお伝えすると、治療に要する通院回数が減るため

患者様には非常に喜ばれる方法です。

(ただし、院の収入は減るわけです…。)


次いで、この部位を手技療法で対処する方法をお伝えしているシーン。


これは、腰椎の制限を解除する方法。

神経根症状があってもこれをすると落ち着くケースはとても多いので重宝しています。

腰椎の正常な運動を再学習させる方法であることを申し添えます。



次回は2月21日

多くの先生方に手技療法に興味を持っていただけるよう、今年も頑張ります!

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