薬指・小指の痺れ=ダブルクラッシュシンドローム/小胸筋症候群・肘部管症候群の併発=(改)

2015年02月01日 | 治療の話

1月29日に書いた記事ですが、読み返してみたところ読み辛いところが多々ありましたので若干加筆させていただきました。

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右手のシビレのご相談にいらしたAさん。

デスクワークをしていたり、自転車に乗っていると小指と薬指に強くシビレを感じるそうです。

↑水色のエリアにご注目ください

 

さらに、朝起き抜けやつり革を握っているときなどは五本の指先全部がシビレてしまうともおっしゃる。

私事ですが、

シビレの相談の時には筋肉の故障による「偽物のシビレ」と神経の故障による「本物のシビレ」との見極めが大切なんです。

どうやって調べるのかと申しますと、

神経は、筋肉を動かす命令を伝えたり、感覚を脳に伝えたりしていますので、

本当のシビレかどうかの見極めは元気な側の手と故障している側の手を触り比べたり、

力の入り具合をみたり、脚気の検査のように腱反射をみることで判断するんです。

Aさんの左右の小指と薬指を触ってみると、

「右手の指は薄皮がかかったみたいだ」と仰います。

どうやら本物のシビレのようです。

シビレの範囲から、頸の故障ではないと思いましたが、

念のためスパーリングテストという方法で首も調べてみたところ、

やはり首の故障ではないようです。

痺れている範囲から考えられるのは尺骨神経の故障です。

こうした神経の故障は、神経の通り道での締め付けで起こります。

尺骨神経が締め付けられやすいのは、「小胸筋」と尺側手根屈筋の肘側の腱にあたる「肘部管」、

あと、掌にある「ギヨン管」という部分が有名です。

↓小胸筋の図

図版引用:ウィキペディアからの転載です。ごめんなさい…

って、何だろう?この気恥ずかしさは…(-_-;)

↓肘部管の図

図版引用:「All About 肘部管症候群の症状・原因・治療・リハビリ」

神経の傷ついている部分は敏感になっていますので、叩いたり圧迫したりすると他より強く痛んだり痺れが出たりしますので、

検査として尺骨神経に沿って過敏なところがないのかチェックします。

Aさんの場合は小胸筋と肘部管を圧迫するとジーンと痛みが出てくるとのこと。

どうやらこの部分で神経が締め付けられているようです。

余談ですが、締め付けられて神経に傷ができたとき、神経の走行に沿って痛みが広がる「放散痛」というものが生じます。

Aさんの場合でも、単に小胸筋と尺側手根屈筋の部分が痛いというだけでなく、

ジーンと指の方へと痺れが広がる感覚が確認されました。

と、いうことは、痺れの元の尺骨神経には大なり小なり傷ができていることがわかります。

このように一つの神経が複数の場所で苛められて症状を起こしたケースを「ダブルクラッシュ」といいます。

この「ダブルクラッシュ」の特徴は、一つづつでは大した症状にならない軽い故障も、

複数重なることで大きな症状になるところになります。

Aさんの尺骨神経を苦しめる尺側手根屈筋や小胸筋は、

パソコン作業で取られる姿勢や自転車のハンドルを握りしっかり固定する、

といったシチュエーションでは力が入りますから、そうした作業で症状が強く出てきたのも無理からぬことなんです。

治療としては、神経の締め付けを外すために小胸筋や尺側手根屈筋の緊張を解き、

十分な長さを取り戻すための手入れをしてゆきます。

そのこと自体に変わりはないのですが、ここまでの調べではまだはっきりしない症状があるんです。

それは「朝起き抜けやつり革をつかんでいるときに出てくる五本指全部に広がるシビレ」です。

あ、

もう結構な時間ですね。

明日は朝9時に有楽町、17時に北区障害者スポーツセンターへ行かねばならず…

早く寝なきゃなぁ…(*_*;

の前にはよ帰らねば(汗)

ということで、続きは後日!

では!

 


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