知事、教育中島委員長、山嵜警察本部長に丁寧に答弁いただきました。基本的な方向性は一致していることが確認でき、安心いたしましたが、細部で異論もあり、追求して質問をさせていただきました。
議長(野田修君)3番砂場隆浩議員
3番(砂場隆浩君)どうも御答弁ありがとうございました。
まず、知事のほうから、人口最少県で低く見られがちであるけれども、顔が見えるネットワークが構築できれば、十分に日本のナンバーワンに、オンリーワンではなく、ナンバーワンになれるというような強い発言がありました。本当にそのとおりであればすてきだなと。鳥取県の未来が、本当に未来づくりができるのかなというふうに思いましたので、初心を忘れずにやっていきたいということでございました。先般、三選に向けての立候補の表明もございましたので、それに向けてしっかりとしたマニフェストもつくっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。この考え方については、基本的に私は全面的に賛同申し上げます。
そしてもう一つ、投票率の問題で、知事がおっしゃいましたことの中に、信頼をかち得る政治をしなければならないということは非常に重たい発言であったと思います。それは知事だけではなく、私たちもそのことをしっかり心に刻んで考えなければならないと思っております。それで、前回の統一地方選について、明るい選挙推進協議会が意識調査をしておりましたら、知事選についての行かなかった理由の中で、14.2%が、政策や候補者の情報不足、それから多分投票所が遠いのが理由かなと思いますが、面倒とかいうのが 6.8%ございまして、これについては幾つかきょうは選挙管理委員会に具体的な提言で議論をしたかったのでありますが、何せ総選挙の公示日で来ていただけませんで、これは次回以降にしっかり議論したいと思います。
ただ、この中で一番心配なのは、17%を占める適当な候補者がいなかったという回答があるのですね。これはやはり私たちももうしっかりそのことを考えなければならないと思います。しっかり私たちがしっかりと県民の皆さんに信頼される政治をやっていくことに加えて、政策や候補者の情報も私たち自身がしっかりと提供していかなければならないのではないかなというふうに思います。今のデータは全国調査のデータでありますけれども、多分鳥取県でも同じような傾向があると思いますので、きょうのこういう選挙の公示日に当たりまして、改めて見解を伺います。
選挙について教育委員長のほうからケインズを引き出されました。そのとおりだと思います。サービスを受け取る人間ではなくて、一人一人が社会を支えているという主権者としての認識こそが正しいと、必要だという発言でございましたので、私もその点はそのとおりだと思いますが、要はそれを学校現場で具体的にどう教えていくかだと思います。やはりその米子西高の、きょうちょっと数字が投票率を知事から教えていただいて、高校生がそういう形でも50%少しだったという、ちょっとショッキングなデータでございました。では、それをどういうふうに教育していけば上がるのかということは課題があると思いますので、やはりそこについて先生方でしっかり議論をする場を設けて、どうしたら、今言われた理想は理想として正しいと思いますが、その理想が実現できるかの議論をしていただきたいと思いますが、どういうふうな議論の仕方というものがあるのかなと思いますので、少しお考えをいただけたらと思います。
県民参画基本条例、おっしゃるとおりだと思います。これも民主主義のセーフティーネットだと思います。実は、その住民投票条例について、私のこの地元の鳥取市で住民投票条例の結果が出たのにもかかわらず、それが市議会の中で無視をされるというような状況があって、非常に危機感を強めております。私がそれに反対したのも、その条例に対する拘束力のところでいろんな議論をしてきたわけでありますが、いわゆるそういう意味で、これが本当は伝家の宝刀であって、セーフティーネットというのは伝家の宝刀でなければならないと。きちっとそこで安心・安全が守られていて、しっかりとした暮らしが維持できるなら、抜かなくていいわけです。セーフティーネット発動しなくていいわけですから、我々はまずその県民参画基本条例などでこのセーフティーネットが発動されないような状況をつくっていかなければならないのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
次に、県民参画条例でおっしゃいました全国市民オンブズマン連絡会議の全国情報公開度調査の件であります。おっしゃるとおり、透明度日本一の県庁というのは3年連続で評価をいただきました。県民の一人として誇らしく思いますし、知事初め皆さんの御努力には深く敬意を表したいと思いますが、実はこれ、条例制定前の2010年からずっと続いておりまして、条例制定を経てから始まったわけではないわけでありますが、そういう意味では条例があるなしにかかわらず、基本姿勢がそうあったのだというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。そういう意味では、もしそうであれば、それは評価をいたします。
あともう一つは、制定をされた後、思うような数字的な状態が伸びていないのではないかと思うのですね。それは一つは県民電子アンケートなのですけれども、これは今 488人なのだそうです。 488人。担当課は、人口比では中四国、近畿府県で一番だといったとしても、人口60万人弱の県で 488人はちょっと少な過ぎないかなというふうにも思いますし、今度は審議会委員の公募ですが、ことし10月現在、条例等による審議会は 374あるのですが、これまで公募した5つを合わせて現在15の審議会で公募制度が導入されただけなのです。 374のうち15しかないと。しかもそのうち3つは応募がゼロで公募委員が選任されなかったという状況であります。もちろん、各種の委員会は専門性が高かったり、秘匿性が高かったり、全てが公募委員を選べばいいというものではないことも十分わかっているのですけれども、幾ら何でも 374のうちで現在12というのは、県民がパートナーという県としたら少な過ぎないでしょうか。
やはり県民電子アンケートについても、携帯電話で登録できるとか、本当にさまざまな努力はなされていることは重々承知しているのですけれども、僕はこれが県庁全体の意識になっていないのではないかなと。何かばらばらにやっているみたいな気がして、いろんな会合等で県民の皆さんと会うときには、チラシを配ったり、その場で皆さんスマホをお持ちなら登録しましょうよという声かけなどがあってもいいと思うのですけれども、残念ながらそういう場には出くわしたこともございません。やはり先ほど言いましたように、審議会もやはりもうちょっと、原則公募とうたって、先ほど言いましたように、専門性ですとか、やはり秘匿性があるものだけを除外するような形というのをルール化したらいかがと思いますが、いかがでしょうか。以上、まず1回目の追及質問とさせてください。
議長(野田修君)答弁を求めます。平井知事
知事(平井伸治君)(登壇)砂場議員から重ねてのお尋ねがございました。
まず、三選に向けましてエールを送っていただきましたが、私としても謙虚な気持ちで、県民とのパートナーシップを大切にした県政の運営にチャレンジをしてまいりたいと思います。
統一地方選挙の投票率につきましてお尋ねがございました。議員の御指摘のように、適当な候補者がなかったからというのも確かに高かったですけれども、それよりも高かったのは、仕事があったからとか、選挙に対する関心がなかったとか、そういうようなことでございます。いろんな要因があって投票率が伸びなかったということもあるのかなというふうに思います。私自身も、その選挙のときの投票率が低いというお話ではありますが、絶対得票率というデータがございまして、それでいきますと、統一地方選挙、平成23年の統一地方選挙のときは鳥取が唯一53.3%で過半数を上回っていたという報道もあり、当時は、絶対得票率でいきますと石原さんが23%ですか。ですから、県民の皆様の参画はある程度きちんと鳥取県の場合はあらわれているあかしではないかなというふうには思っております。ただ、それを地域社会でいつも、例えば我々寄り合いがあったりして、コミュニティーが結構維持されているわけです。そのコミュニティーが要はデモクラシーの基本になると思うのですが、そのユニットが束ねられて、一つの市町村なり、都道府県なり、あるいは国政もそうかもしれませんけれども、意思決定をみんなで話し合って合理的な判断を下そうという、そういういわば政治文化といいますか、風土が形成されることが何より大切なのではないかなというふうに思います。そのためにも、先ほどアメリカの例だとか台湾の例を申し上げましたが、政治不信が世界中で高まっている。そういうことに対するアンチテーゼをもう一度組み直してやっていく必要があるのだろうと思います。そういう意味では、鳥取は鳥取デモクラシーを起こせる風土がもともとあると思いますので、鳥取からパートナーシップの県政を起こしていければと考えております。
次に、住民投票の話などに絡みまして、セーフティーネットが発動されない状況を続けていくことこそ大切ではないかというお話がございました。県民参画基本条例にいろんな理念が盛り込まれてございます。その相通ずるところは、県民こそが県政の主役であって担い手であるという、そのことでございます。そういうわけでありますけれども、今、代議制民主主義でございますので、ふだんは県議の皆様と私と、それぞれが県民の代表として討論を重ね、県民のために判断をしていく、そういう役割を与えられ、それを行使していくことで県政は動きます。したがいまして、それが軌道から外れてくる。アウト・オブ・トラック、住民の意思とは違ったところに向かいかけたときに県民が正すべき方途。それがセーフティーネットと先ほど申し上げたところであります。ですから、我々は常に住民の皆様の御意思、その大きな志、地域の状況、これに謙虚に向き合って真摯に話し合うことこそが大切であろうかと思います。そういう意味では、議員がおっしゃったとおり、セーフティーネットが発動されないような状況を我々としてつくり上げていくことこそ重要だというのは、全く同感でございます。
そして、透明度日本一についてのお話がございましたが、それはちょっと言葉のちょっと順序がわかりにくかったかもしれませんけれども、県民参画基本条例をつくってくる前段階で、透明度を高めようという、住民参画の前提である情報公開を力を入れてやってきたということを申し上げました。その状況はこれからも続けていかなければならないと思います。私は、こういう透明度日本一を品質保証したい。それを県政の中心として掲げておりまして、県庁の職員にも徹底をさせていただいております。今後ともその基本に忠実にやってまいりたいと思います。
さらに、県民参画電子アンケートと審議会につきましてお尋ねがございました。県民参画電子アンケートは、確かに四百数十人ということでありますけれども、京都府よりも多いのですね。そういう意味でいきますと、うちは実は条例導入後ふやそうとして、確かに倍ぐらいふえているのですけれども、ただ、いわばアンケートのサンプルの母数として適当かどうかというと、やはり多ければ多いほど実像に近くなりますから、もっとふやしていく必要があろうかと思います。議員の御提案もございましたので、そういう母数であるアンケートの参加者がふえるような仕組みづくり、場合によってはキャンペーン的なこと、それも含めて新年度に向けて検討させていただきたいと思います。
また、審議会につきましては、おっしゃったとおりでございまして、私もその県民参画基本条例にこのことをあえて書くように御指示いたしましたのは、アメリカに行ったときの経験です。自治体ではいろんな委員会が設けられるのですね。それも住民の皆様の参画の手段なわけです。日本の審議会というのは、全てが有識者である。場合によっては、これは国の審議会でよく言われるのですが、隠れみの的にやっているではないかという、そういうあだ名すら与えられることがあるわけでありますが、それはデモクラシーのあり方としてはちょっとずれているところがあると思います。もちろん有識者の御認識を入れて、諮問の本旨たるそういう専門的な知見を県政へ注入する、そういう舞台として機能をしなければなりませんが、それとあわせて第三者的に県民の目線で見てもらう。そういう目線も必要なことが事実だと思います。そういう意味で、あえて公募枠の審議会委員をということを盛り込まさせていただきました。ただ、ちょっと調べてみますと、残念ながら担当部局のほうにもその辺の認識がまだ十分でないというところが見られますので、今後徹底してこの点につきましては改善を図ってまいりたいと思います。まだ条例が導入されて1年でありますので、改選時期がなければ入れかわらないという、そういう制約もありますが、今後順次改選時期をにらみながら公募の委員をふやしてまいりたいと思います。
議長(野田修君)中島教育委員会委員長
教育委員会委員長(中島諒人君)投票率のことに関して、教員が、では具体的にどのように進めていけるのかという御趣旨の質問だったかと思います。 なかなか、実際のところ、それに対して特効薬的なものがあればいいのですけれども、現状では非常に難しいテーマだろうなということは思います。しかし、同時にこれはぜひやっていかなければいけないことだという認識はありますし、また、今その県教委全体として進めていることの中で、どうやって先生にその主体性を持ってもらって、自分たちの教育の課題に関して作戦を練って課題を解決してもらうかということを進めていこうとしておりますので、そういう場にこの課題というのを投げかけて進めていくということはできるのではないかなということは、お聞きしていて、考えました。それで、具体的には、例えば県の教育センターの社会科の教員の講座の場などにこういう課題を投げかけてやり方を検討していただくということはあるのかなということも考えました。
いずれにしましても、この課題というのは単純に選挙に行きましょうというだけでの課題ではなくて、どうやって社会に能動的にかかわって自分で社会をよりよくしていけるかという、大きなその教育の課題の中の一つの、何ていうのでしょう、氷山の一角といいますか、側面としてあらわれることですので、学校教育全般の中で子供たちに社会にかかわる姿勢ということをしっかり教えていく中で、このことに対しても触れていければいいのではないかなというふうに思います。
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