すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

会派希望(のぞみ)県外政務調査2日目(4) 仮設住宅自治会

2013年11月26日 | 日記

県外視察2日目の最後の調査は、いわき市内にある楢葉町の仮設住宅です。

 対応して下さったのは、(右から)楢葉町いわき出張所の永山生活支援課長、楢葉町高久第10応急仮設住宅自治会の木会長、同課の半谷主幹の3人です。

 まず永山課長から緊急避難の現状について説明を受けました。

 3月11日の発災後、災害時相互支援協定を結んでいる会津美里町へ、まず195人を移送し、同町へは計7回1000人を移送、25日には楢葉町災害対策本部を移転した。ところが、復旧作業などでいわき市へ町民が移りたいとの希望が多くなり、4月25日には災害対策本部のいわき出張所を解説した。現在、楢葉町は避難指示解除準備区域なので、昼間は家屋に立ち入りが認められているが、夜間は立ち入り禁止で、住むことはできない。今年4月1日現在で、町民7623人のうち、99.9%にあたる7615人の所在確認ができている。いわき市に5734人、会津美里町に307人、郡山市に126人、会津若松市に118人など福島県内で6517人が避難生活を継続しており、県外にも1098人が出ている。町内の放射線量は0.58~0.17マイクロシーベルト/毎時。復旧対策の中心は除染と仮設住宅で暮らす町民の生活支援だ。

 木会長は県職員から楢葉町職員に転職、建設課長、総務課長などを歴任して退職されたそうです。原発誘致のころから関わってきたので、様々な思いが錯綜するのだそうです。以下は木会長の話の概要です。

 住民の意識調査では、23年8月には70%が「楢葉町に戻りたい」と答えていたのが、次の24年4月には46%に減り、同年9月には「帰町したい」と「できれば帰町したい」を合わせて39%となり、25年2月には「帰町できるようになった場合、楢葉町に帰るか」と聞いたところ、「町にすぐ帰る」が10%、「条件が整えば帰る」が33%だった。避難後、空き巣と泥棒が横行した。時間が経つと、畳にはきのこが生え、大規模なリフォームが必要となってきた。うつ病、不眠症、アルコール依存症の人も、明日が分からない仮設住宅の暮らしの中で増えている。こうした現状が、帰町したいという思いを奪っている。ウソで固めた後出しの情報に、住民は不信感を募らせている。東電も、国も責任を取らない。国の文科省が設けたモニタリングポストは鉛で遮蔽されており、数値は信用出来ないなどお粗末過ぎる対応が相次いだ。除染で出た汚染水などは収集せず、川に流していた。これが事実だ。町民の親戚や友人がたくさんこうした事業に従事しているし、福島第一原発で働いているので、そこで何が行われているかは、町民はみんな知っている。

 以下は質疑の主な内容です。

 Q 仮設住宅の概要は

 A 1人用は4畳半1K(6㎡)、2~3人用が2DK(9㎡)、4人以上用は3K(12㎡)です。いわき市では23年7月から入居が始まり、最終は25年2月21日です。これで希望者は全員収容できました。

 Q 仮設住宅への誘導は

 A 発災後、町民はまず避難所へ逃れ、それから二次避難所、そして、仮設住宅へはポイント制で、高齢者、病人、年少者から入居してもらった。

 Q 仮設住宅で暮らす上での問題は

 A 入居時と今では設備状況が大きく違う。当初は部屋3つあっても、エアコンは1つ。テレビもケーブルの受け口が1口だけ。風呂は追い焚きがない。トイレも便座シャワーもない。物干し場にはひさしがない。しかも、雨漏りもした。これらは町が県につないで改善して大分もらった。カーペットを畳に変え、二重サッシを入れ、不要に部屋を狭くしていた壁を取り除いた。濡れ縁を付け、風呂を追い焚きに変え、物置きを置き、舗装工事もした。

 Q 現在の問題は

 A 棟続きは隣の話し声が聞こえてしまう。対応年数は2年。丸太の上に建てていたため、ぐらつきも出ている。お風呂場で倒れる事件が2件あった。高久第10は200世帯が暮らしているが、子どもは20人くらい。多くが借り上げ住宅に入っており、果たして楢葉町に戻ってくれるかどうかはわからない。広野町は解除されても、20%しか帰還していない。福島第一原発から放射能は出ている。汚染水も出ている。全く止められていない。私はそう思っている。しかも、国は楢葉町に中間貯蔵施設をつくろうとしている。除染で出た指定廃棄物を運搬するだkで2年かかる。楢葉をどうするか、来年の3月に判断しなkればならない。

 Q 農地が綺麗だった。昼間、農家の皆さんが手入れをされているのなら、帰られるのではないか

 A 1億かけて農地の雑草の刈り取りをしている。農地は表土が大事なのに5センチ取って捨てて反転させる。これでいいのだろうかと思う。見せかけだけの政策と批判されるかもしれないが、農家のモチベーションを保つには、農地が生きているぞと見て頂くことが大事だ。

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