すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

地域防災計画で原子力防災専門家会議

2012年12月25日 | 日記

 福島原発事故を受けて、原子力災害対策特措法が改正され、原子力災害対策指針の見直しと法制化が図られたことから、地域防災計画(原子力対策編)と広域住民避難計画の作成に県は取り組んでいます。学術的な助言を得ようと県原子力防災専門家会議が開催されました。この二つは私が副委員長の福祉生活病院常任委員会が所管していますが、防災危機管理特別委員会が設置されていることに加えて、県のほぼすべての機関が関係する計画ですので、私の委員会から全議員に傍聴を勧めたこともあって、私も傍聴しました。

 

 私の他、上村さん、斉木さん、浜辺さん、市谷さん、錦織さんの計6人の県議が傍聴されました。計画の説明があった後、委員の皆様から指摘が多かったのは、大まかにはあっているものの正確な記述がなされていないという点だったように思いますが、そこには県の姿勢に問題があったように思いました。

  国の島根原発事故を想定した放射性物質の拡散シュミレーションを受けて、県の担当者が「7日間で100msvとなる地点は、ESE方向が23.7キロで一番県に近づきますが、それでも、県内までは届かないので影響はありません」と説明すると、「このシュミレーションは97%でどうなるか見たもので、3%の範囲では影響が出る可能性があるので全部否定しては正確性に欠けます」との指摘がありました。実はこの3%こそが、福島原発事故で繰り返された「想定外」だと思いました。女川原発に会派で視察に行ったとき、東北電力の皆さんが「防災は余裕がどれくらいあるかです。想定の3倍の15メートルの津波に襲われても大丈夫という設計でしたが、実際には13メートルの津波が来て、しかも、男鹿半島が地震で1メートル沈下したので、余裕は1メートルもありませんでした」という話を思い出しました。確率論でなく、一番シビアな場面を想定することが防災の基本ではないかと思いました。

 また、人形峠の河川水の測定結果について、平常の変動幅をウランの値が超えていることについて「調査前の1週間の80ミリの降雨があった影響と推測されるので、施設の運転の異常とは認められない」とした県に報告についても、「雨が降ったらどうしてウランの値が大きくのあるでしょうか。地下にウランが濃縮されているようなところがあって、雨で浸潤したというような科学的知見がるのでしょうか」と問いただされると、返答に窮し、再調査すると応えられていました。正常値をわずかでも上回ったら、しっかり調査することが大切です。大事故は小さなミスの見逃しの集積で発災しますので、この姿勢は大きな問題です。往々にして異常はないという方向で片付けてしまいがちですが、そういうときこそ、徹底した調査を実施することが大きな事故を防ぐことになるのではないでしょうか。

 ここで示された専門的助言を県にはしっかり活かして欲しいですし、私たち議員も、計画にどう反映されたか、しっかりと確認していきたいと思います。

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