すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

メニュー

会派希望(のぞみ)県外政務調査2日目(2) 復興商店街

2013年11月26日 | 日記

  福島第一原子力発電所の被害の深刻さを実感した私たちが次に向かったのは、いわき市の久之浜町商工会が被災直後の9月3日にオープンさせた「浜風商店街」です。久之浜商工会には135会員が加盟していましたが、うち31事業者が津波被害により全壊。壊滅的な打撃を受けました。しかし、中小企業基盤整備機構の支援も受けて、逸早く復興プロジェクトを立ち上げたのでそうです。

 入店しているのは久之浜商工会事務所や久之浜ふれあい情報館を含め、11テナント。家電、衣類クリーニング、菓子販売小売、生鮮、酒、理容、食堂などのお店が並んでいます。食堂に入り、親子丼、五目ラーメン、カレー、焼き飯、餃子などを注文しましたが、いずれも美味しかったですよ。

情報館には被災時の写真がたくさん掲示してありました。地震、津波、そして、火災、原発事故と次々に悲劇が襲います。最後は空き巣被害。災害の上の犯罪ではたまったものではありません。

被災前の久之浜の模型もありました。海岸にそって商店街や住宅が並んでおり、津波の直撃を受けたのだなあと改めて感じます。

説明をいただいた久之浜商工会の復興支援員宮本有倫さんです。紹介しているのが「復興の花」です。布製バッグの中には花の種が土と鉢に入っていて、水をやるとそれだけで花開くのだそうです。その写真を送ってもらうと。それを3月11日の鎮魂のイベントで飾るというんです。みんな復興の手助けがしたいと思っています。それを形にするいいアイデアだと思いました。

でも、一番元気なのは「オバちゃん」たち。お母さんたちの笑顔が、落ち込んでいた僕に少しだけ、明るさをくれました。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会派希望(のぞみ)県外政務調査2日目(3) 福島県漁連といわき市漁協

2013年11月26日 | 日記

 次に訪れたのは、いわき市にある福島県水産会館です。ここで福島県漁業協同組合連合会といわき市漁協から聞き取り調査をしました。

 福島県漁連の野崎会長にご挨拶した後、新妻専務理事らから説明を受けました。

 右からいわき市漁協の吉田理事、矢吹組合長、左から鈴木常務理事、新妻専務理事です。

 まず新妻常務が、震災への鳥取県からの支援への御礼を丁寧に述べられ、「平成23年に鳥取で開催された「豊かな海づくり大会」への出席は諦めていたが、『是非に』と招いていただき、レセプションでは両陛下との懇談までさせてセットして頂き、本当にありがとうございました」と話されました。鳥取県の支援が福島の皆様から、このように評価していただき、ありがたいことだと思いました。以下は皆さんからお聞きした話の概要です。 

 震災時、会長は東京で全国会長会議の最中。急いで帰ってもらうよう連絡した。14日に県水産課長と操業自粛を協議し、15日に各組合長と電話協議し、当面の自粛を決定した。23年12月頃、水産庁から復興支援事業を活用するために復興協議会の設立の打診があり、翌24年3月に第一回協議会を開催した。

 相馬双葉漁協より、漁業存続のためには操業を再開する方策を探って欲しいと求められた。相馬港のすぐ北は宮城県。そこでは操業がなされているのに、隣接する自分たちは操業できなというもどかしさが募った。そこで、どのような形であれば消費者に受け入れられるかを協議会で協議した。そこで、試験操業・試験流通販売計画を立てた。この計画を水産庁、県、大学の研究者、流通業者、水産加工組合、漁業者らで構成された委員が審議して、計画に了承を与え、それを県下の漁協組合長会で承認するというスキームを作った。

 1週間に1回、14艘で創業している。149種類の水産物のモニタリング調査をしている。100ベクレルを超えたのはアイナメなど4種類だ。放射性物質は90日で魚の体外に出るという。

 地下水の漏洩は昨年末から指摘があったが、東電は7月22日に認めた。漁業者は東電の話はまるきり信用していない。現場の人の話を聞くと、作業員は少なくて、もっと人がいれば進むのにと聞いた。東電にやる気はあるのだろうかと疑問だ。世界のフクシマになっている。 

 沿岸漁業は自粛集だが、2013年の8月から沖合は再開。しかし、築地の評価は讃々たるもの。小名浜を経由して流通は価格が低い。流通は止まると再開できない。細くてもいいから、と量販店などへつないでいる。「ゼロなら出すよ」と言ってもらった。風評があっても、出し続ける。小名浜のコンテナヤードから水産物を出していたが、小名浜は、福島県小名浜産となるので、だめ。東京港経由で出している漁船がほとんどだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会派希望(のぞみ)県外政務調査2日目(4) 仮設住宅自治会

2013年11月26日 | 日記

県外視察2日目の最後の調査は、いわき市内にある楢葉町の仮設住宅です。

 対応して下さったのは、(右から)楢葉町いわき出張所の永山生活支援課長、楢葉町高久第10応急仮設住宅自治会の木会長、同課の半谷主幹の3人です。

 まず永山課長から緊急避難の現状について説明を受けました。

 3月11日の発災後、災害時相互支援協定を結んでいる会津美里町へ、まず195人を移送し、同町へは計7回1000人を移送、25日には楢葉町災害対策本部を移転した。ところが、復旧作業などでいわき市へ町民が移りたいとの希望が多くなり、4月25日には災害対策本部のいわき出張所を解説した。現在、楢葉町は避難指示解除準備区域なので、昼間は家屋に立ち入りが認められているが、夜間は立ち入り禁止で、住むことはできない。今年4月1日現在で、町民7623人のうち、99.9%にあたる7615人の所在確認ができている。いわき市に5734人、会津美里町に307人、郡山市に126人、会津若松市に118人など福島県内で6517人が避難生活を継続しており、県外にも1098人が出ている。町内の放射線量は0.58~0.17マイクロシーベルト/毎時。復旧対策の中心は除染と仮設住宅で暮らす町民の生活支援だ。

 木会長は県職員から楢葉町職員に転職、建設課長、総務課長などを歴任して退職されたそうです。原発誘致のころから関わってきたので、様々な思いが錯綜するのだそうです。以下は木会長の話の概要です。

 住民の意識調査では、23年8月には70%が「楢葉町に戻りたい」と答えていたのが、次の24年4月には46%に減り、同年9月には「帰町したい」と「できれば帰町したい」を合わせて39%となり、25年2月には「帰町できるようになった場合、楢葉町に帰るか」と聞いたところ、「町にすぐ帰る」が10%、「条件が整えば帰る」が33%だった。避難後、空き巣と泥棒が横行した。時間が経つと、畳にはきのこが生え、大規模なリフォームが必要となってきた。うつ病、不眠症、アルコール依存症の人も、明日が分からない仮設住宅の暮らしの中で増えている。こうした現状が、帰町したいという思いを奪っている。ウソで固めた後出しの情報に、住民は不信感を募らせている。東電も、国も責任を取らない。国の文科省が設けたモニタリングポストは鉛で遮蔽されており、数値は信用出来ないなどお粗末過ぎる対応が相次いだ。除染で出た汚染水などは収集せず、川に流していた。これが事実だ。町民の親戚や友人がたくさんこうした事業に従事しているし、福島第一原発で働いているので、そこで何が行われているかは、町民はみんな知っている。

 以下は質疑の主な内容です。

 Q 仮設住宅の概要は

 A 1人用は4畳半1K(6㎡)、2~3人用が2DK(9㎡)、4人以上用は3K(12㎡)です。いわき市では23年7月から入居が始まり、最終は25年2月21日です。これで希望者は全員収容できました。

 Q 仮設住宅への誘導は

 A 発災後、町民はまず避難所へ逃れ、それから二次避難所、そして、仮設住宅へはポイント制で、高齢者、病人、年少者から入居してもらった。

 Q 仮設住宅で暮らす上での問題は

 A 入居時と今では設備状況が大きく違う。当初は部屋3つあっても、エアコンは1つ。テレビもケーブルの受け口が1口だけ。風呂は追い焚きがない。トイレも便座シャワーもない。物干し場にはひさしがない。しかも、雨漏りもした。これらは町が県につないで改善して大分もらった。カーペットを畳に変え、二重サッシを入れ、不要に部屋を狭くしていた壁を取り除いた。濡れ縁を付け、風呂を追い焚きに変え、物置きを置き、舗装工事もした。

 Q 現在の問題は

 A 棟続きは隣の話し声が聞こえてしまう。対応年数は2年。丸太の上に建てていたため、ぐらつきも出ている。お風呂場で倒れる事件が2件あった。高久第10は200世帯が暮らしているが、子どもは20人くらい。多くが借り上げ住宅に入っており、果たして楢葉町に戻ってくれるかどうかはわからない。広野町は解除されても、20%しか帰還していない。福島第一原発から放射能は出ている。汚染水も出ている。全く止められていない。私はそう思っている。しかも、国は楢葉町に中間貯蔵施設をつくろうとしている。除染で出た指定廃棄物を運搬するだkで2年かかる。楢葉をどうするか、来年の3月に判断しなkればならない。

 Q 農地が綺麗だった。昼間、農家の皆さんが手入れをされているのなら、帰られるのではないか

 A 1億かけて農地の雑草の刈り取りをしている。農地は表土が大事なのに5センチ取って捨てて反転させる。これでいいのだろうかと思う。見せかけだけの政策と批判されるかもしれないが、農家のモチベーションを保つには、農地が生きているぞと見て頂くことが大事だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会派希望(のぞみ)県外政務調査3日目(1) 全漁連

2013年11月26日 | 日記

 会派の県外政務調査も最終日の3日目を迎えました。まず向かった先は内神田のコープビルにあるJF全漁連(全国漁業協同組合連合会)です。

大森常務理事=写真中央=と、高浜漁政部長=写真右=のお二人からお話をお伺いしました。以下はその概要です。

 東電はイレギュラーなケースを除いて汚染水は漏出してないとずっと言ってきた。それだけに、東電が汚染水問題を認めたときは裏切られたという思いがした。その結果、東電の言われることは信用しないというのが前提のようになり、以降は官邸に直接に様々なことを言うようになった。これだけ裏切られるとそうなるのはしかたない。東電が漏水を認めた7月以降、国が前面に立って処理することになって、予算措置も取っていただいた。

 諸外国から「モニタリングは東電や国がしても客観性がない」とクレームがあった。来年からIAEAと共同調査をすることにした。汚染水は1日も早く、止めることが肝要だ。地下水路の中には1万5千トンの汚染水が残っている。まずトレンチを遮断して、海に流れ出ないようした。次は、そこの汚染水を抜いて工事を進めると国は言っているので、そこを早くするようにお願いしている。ALPSで冷却水を処理しているがトリチウムは除去できない。それが一番の問題と認識している。

 韓国政府が青森から千葉までの水産物の輸入を全面禁止した。韓国大使館、韓国水産業共同組合中央会、韓国水産会へ早期解除へ協力要請の文書を発信した。韓国側の言い分は「汚染水問題で、韓国内の水産物も3割販売量が減った」と言う。朴大統領と韓国水産庁の姿勢が厳しいように感じている。水産物から0.4ベクレル以上の放射能が検出されるとストロンチウムの検査をすることになっているが、ストロンチウムの検査は1ヶ月かかり、事実上の輸入禁止になる。天然の物でも1ベクレルを超えることがある。原発の影響だけではなく。それでタイの輸入が止まっている。このため、国内のタイの魚価に影響が出ている。

 「モニタリング情報の提供が十分にできてない」という指摘もあるが、水産庁はホームページで6ヶ国語で公表している。100ベクレルを超える水産物は福島沖でも1.7%まで低下。それ以外は0.6%だ。海外でも、国内でも、汚染水が漏れている事実と、周辺は安全という事実が混同されている。福島第一原発の港内の魚は1匹残らず、捕獲する方針だ。高い値が出ているのはここの魚だ。

 先が見えない中でも、漁師さんたちのモチベーションを下げないようにしている。福島の組合長会議には毎回参加させてもらっているのは、皆さんの声を大切にしたいからだ。しかし、福島沖でモニタリングで操業しても、サンプル以外は放流している。そんれに汚染水が本当に止まってコントロールできるなんで考えられない。モチベーションを保つのは大変だ。

 食品の価格はここ5年間は下がっていないのに水産物だけ5%下がっている。これが日本水産業の最大の問題だ。私たちは旬を大切にする漁業に取り組みたいと思っている。ブランド化に成功したら、通年、その魚を出荷して欲しいというスーパがある。魚の美味さは季節によって違うことを消費者に知ってももらいたい。

 輸出はこれから考えていきたい分野。そのためにも魚市場の高度衛生処理(HACCP対応)は必要だが、基本、施設設備ではなく、ソフトで対応したいと思っている。

 東日本大震災では養殖の銀ジャケに大きな被害が出たため、品薄になると見た商社がチリ銀を入れたら、価格が暴落した。キロ250円まで落ちた。そこで、お互い、適正な生産と乱高下する価格は止めましょうとチリまで言って話しあってきた。現在は輸入は抑え、450円くらうになった。これで収支がやっとあう水準だ。ノルウェー産のシャケは生で食べる。価格は倍くらいにもなる。養殖の銀シャケは生で食べられるのを強調していくことで、魚価を上げたい。

 TPPは情報が一切出てこないのが問題だ。報告会に行っても情報がない。JFグループは、漁業補助金の継続と二国間協定でも関税を撤廃してない水産物は聖域と位置づけて保護することを求めている。水産物の関税は加重平均で4.1%。高いのは海苔で1枚1.5円(28~9%)。昆布15%、主要水産物は10%だ。そのため、水産業は2500億円の影響と言われているが、これは参加12カ国での推計値。実際にはもっと大きくなるのではないか。

 伊藤議員が元鳥取県漁連の組合長だったことから、全漁連の皆さんは顔見知り。率直な意見交換もしましたが、やはり、福島の海を考えると、島根原発の対応を慎重な上にも慎重にしべきだと改めて感じました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする