すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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急がれる米国食品安全強化法への対応。ジェトロで同法を調査しました。

2013年11月13日 | 日記

午前中は、JETRO(日本貿易振興機構)に行ってきました。日本の人口が減少する中、鳥取の第一次産業の振興を考えると、農林水産物とその加工品の輸出は大きな活路になると思うからです。ところが、アメリカは2011年、食品安全強化法を制定しました。70年ぶりとなる食品行政の大転換ですが、カナダや中国にも追従する動きがあり、そうした情勢をしっかり把握しようと思ったからです。


ジェトロは赤坂のアークヒルズにありました。

 強化法のポイントは103条(加工品)、105条(農産物)、301条(チェック体制)、307条(第三者監視制度)の解釈だとうことは何となく分かったのですが、私の語学力ではそこまで、ジェトロで後はお聞きしたと思っていました。対応していただいたのは、農林水産・食品調査課長の長谷川直行さん、同課の高松晃子さん、そして、鳥取貿易情報センターの景本篤史さんの3人です。

 正直、自分の疑問をぶつけると「ふわっと書いてある。どう読み込むのか、ジェトロでも苦慮している。通関するときに、ストップすると、農林水産物はダメになってしまいますから大問題です」と話してくれました。どの基準を用いるかを明確に把握しようと努力されているそうですが、HACCPに準じてとしているものの、HACCPは基準そのものではないというのです。判例法の国独特の難しさを感じました。現在、施行細則のパブリックコメント中ですが、今月11日最終決め切り。来年いっぱいか、あるいは再来年早々に決まり、この法制度は動き出しそうなので、それまでに対応をしっかり詰める必要があるようです。

 食品安全法の枠組みの丁寧な説明を受け、実際に検査と情報把握が体制が強化されたことを教えていただきました。アメリカに食品を輸入しようとする企業は、どこの工場で生産された食品か登録することが義務付けられました。問題は登録するのは輸入会社であっても可能で、日本国内の販売店で食品を買ってアメリカ国内に持ち込もうとして輸入会社が登録すると、工場が知らない間に登録されていることになるそうで、それを心配しているそうです。2011年の制定以降、米国食品医薬品局からメールが届き、現実に検査官が日本に来訪していることも教えていただきました。製造フローの説明を求められ、工場の外周や内部を検査し、様々書類審査がなされたそうです。検査を拒否すれば、輸出することはできません。検査で不備が指摘されれば軽微なものはその場で修正し、重大な不備が発覚した場合は検査指摘書が発行されます。その後、適時、修正を報告することになるそうです。現在は、この段階まで解決しているのですが、同法は不備が極めて重大であった場合、あるいは修正で解決できないときは、警告書が出され、再検査になります。この再検査がやっかいで、高額の手数料を請求されるからです。検査官がワシントンの事務所を出てから帰るまで、1時間あたり302ドルを請求されます。かりに訪日に1日、検査に1日、帰米に1日とすると、約170万円にもなります。

 バイオテロ法との関係、義務付けられる食品安全計画、外国供給業者検証プログラム、第三者監督制度など同法の問題点も、お聞きしました。ジェトロではパブリックコメントを提出し、情報収集にも努力しているそうです。鳥取にも貿易情報センターがあるので、情報提供をお願いしてジェトロを後にしました。アメリカにカナダやEU、さらには中国などで米国に追従する動きもあり、この問題は注視していく必要があるそうです。

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