郡山のホテルを出た私たちはレンタカーで福島第一原子力発電所を目指しました。磐越自動車道をいわくジャンクションで常磐自動車道に乗り換えて北上、広野インターで降りると、すぎに線量計のアラームが鳴り出しました。閾値は0.3マイクロシーベルトに設定してありましたが、1マイクロシーベルトを超えていました。
不思議なことに一般道に入ってすぐ、アラームは止まりました。高速と一般道をつなぐ間の道路の両側は雑木林でしたので、「雑木林は除染がされていないが、一般道に入ると、除染が進んでいるのかな」などと話していました。町を走ると、やたらに警察車両が目につきます。
警察官も時間線量とか確認しながらの警備だとは思いますが、大変なご苦労だなと思いました。
家々はカーテンが締まり、屋根にも重石が置かれたりしています。人影も、犬や猫もいません。
このお店も賑わっていたことでしょうが、今は駐車場にも雑草が生えています。
線量計は、1.47マイクロシーベルト。近づくだけ、段々上昇していきます。それも、道路などでは低く、側溝の蓋の上では高くなります。放射性物質が側溝に流れ込み、堆積しているのかもしれません。
福島第一原子力発電所から、カーナビで8.8キロの地点で通行止めになりました。これより先は許可証がないと入れません。検問をしていたのは兵庫県警のおまわりさん。全国から警察官が応援に駆けつけていることが分かります。最初は写真を撮っていたので、不審者として職務質問を受けたのですが、名刺を出し、「視察で来たんですよ」と話すと、いたく、「なえるほど。現場主義ですか。大変ですね」と感心されているようすでした。「お疲れ様です。頑張って下さい」と激励してお別れしました。この地点での線量計の値は4.75ミリシーベルト。一番高い値を示していました。
除染で出た大量の放射性物質を含んだ巨大なバッグが、道路の左右に集められています。仮置きされているのですが、まだ、最終処分地どころか、中間処分地も決まっていないのです。これだけでも、福島第一原子力発電所の廃炉処理がいかに大変か分かります。