ととじブログ

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『ルポ 貧困大国アメリカ』 ~ 『日本が売られる』/堤未果

2020-04-21 06:22:23 | 本/文学
堤未果著、岩波書店より発行された、
『ルポ 貧困大国アメリカ』 (2008年 岩波新書)
『ルポ 貧困大国アメリカII』 (2010年 岩波新書)
『(株) 貧困大国アメリカ』 (2013年 岩波新書)
および、幻冬舎より発行された、
『日本が売られる』 (2018年 幻冬舎新書)

上記の4冊はノンフィクションである。
ノンフィクションではあるが、出来の悪い小説や映画よりも、はるかに面白くエキサイティングな内容になっている。
面白くて、面白くて、面白過ぎて、読めば間違いなく背筋が凍る事を保証する。

今、世界中で、国境線を超えて進行している恐ろしい事実。
右だ左だ、中国がどうした韓国がこうした、プーチンがどうのこうの…そんな事を言っている猶予など一日も無い事がわかる。
いや、言っててもいいんだけれど、そんな事は些細な事で、本当の敵はそんなものではないのだ。
敵というのは、もちろん、私のような名もなき小市民の敵という意味だ。

「進行している事実」だけでなく、すでに起こり終わってしまった事実についても書かれている。
三冊目の『(株) 貧困大国アメリカ』の132ページから始まる「命令81号」という項目から抜粋する。

『一万年もの間、イラク農家は毎年地域の気候に合わせた小麦を多種多様な選択肢の中から選び、翌年のために保存した種子を最適な形で交配させ、進化させてきた歴史を持っている。
……中略……
二〇万種という多様な小麦を作り出してきたイラクで農業生産率を回復するために、
……中略……
「世界的に有名だった、イラクの在来種はどうなったのでしょうか」
「イラク人の種子バンクは米軍に爆撃されました。フセインの時代の農務大臣が、緊急用にシリアの都市アレッポにあるICARDA(国際乾燥地農業研究センター)に預けていた一部の種子以外、種子バンクに保存されていたイラクの貴重な種子はすべて破壊されたのです。…」』

敵とはアメリカか?
そんな単純な話ではない。
読めばわかる。

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2020/04/23 一部に誤解を招く表現があったため修正した。
2020/09/17 一部修正


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