GITANES嗜好者のころに知り合った。
それとは無関係に・・・。
自分が担当する新しい施設、小さい問題は色々
あったものの無事に工事が完了した。
工事を担当するJ社の電気工事の責任者T氏は、この
工事を最後にJ社を辞める。
もう6年ほどの付き合いになるだろうか。
長くはないが頻繁に顔をあわせるし、大小のトラブルに
対応しながらの付き合いだったので、それなりに濃密だった。
サーフィンとスノボが好きで、耳にピアスの穴が2つ開き、
確か出会った頃は金髪だったはずだ。
年齢は私より5つほど下の彼は、最初の印象こそ過度に
無口な男だと思っていたが、それは多分単に私に対する
警戒心を長い間解いていなかっただけのことだと推察
される。
その証拠にここ最近、そう、
「2月のあの工事終了の段階で会社を辞めることに
なりました。」
と聞いた1ヶ月前からは、色々と現場で長話をするように
なった。
もともと職人気質の彼は、社交的ではないのだろう。
だから、例えばある現場で偉そうな態度の人間(客)
の胸ぐらを掴み、
「お前に偉そうに言われる筋合いはないんじゃ、コラ!」
と彼がエキサイトしていた現場に居合わせたこともあったが、
こりゃあ大変なヤツだなあ、と思ったものだ。
T氏「さてと、機器に異常もありませんし、稼動させますか?」
私「うん、始めましょう。」
そして、稼動開始が彼との別れにもなる。
「どうも、長い間いろいろありがとう。」
「いえ、こちらこそ。どうもお世話になりました。」
「うん。またどこかで一緒に仕事できるかも知れんし。」
握手した彼の右手は、さすがに職人らしくごつい手だった。
また出会うことになるのか、これっきり死ぬまで会わないか
まったくわからない。
しかし、また一緒に仕事できることを楽しみにしてはいけない
という理由はどこにもない。
さらば。
お互いの自宅は2kmしか離れていないけど。
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