GITANES休止者のうっかり~来客に灰皿を出すのを忘れる。
それとは無関係に・・・。
お坊さん「もう薬も効かず、呼びかけに答えることもできない世界に
お父様は旅立たれました。それは苦痛や悩みのない世界でもあります。
遺されたみなさんにできることはまだまだあります。皆さんの
これからの功徳がお父様を極楽浄土へ導きます。
仕上げの日まで頑張って送ってあげましょう。」
告別式の日の夕方、初七日の説教の時にお坊さんはそう言った。
その時のお坊さんの顔がその後、この葬儀最大のミステリーになる。
お坊さんは私より年下。
彼の寺は私の祖父宅のすぐ隣で、先々代と私の祖父は親交があった。
彼の父と私の父もよく知った仲だった。
またこのお坊さんは子供の頃から私の祖父に書道の手ほどきを受けていた。
私は小学生の頃すでに祖父に破門された身ではあるが、まあお坊さんの
兄弟子と言えなくもない。
祖父の葬儀、祖母の葬儀もこのお坊さんが執り行ってくれた。
そしてそれから4年しか経っていないのに、父の葬儀ということになる。
姉「泣いてなかった?」
私「はあ?」
姉「お坊さん。告別式の時も、初七日の時も、お経が終わって
こっちを向いたときに泣いてたような・・・。」
私「そんなことあるもんかい。」
義兄「いや、泣いてた。」
兄 「そうそう。」
義姉「泣いてた。確かに泣いてた。」
一同「そうそう、絶対に泣いてた。」
確かに、なくなった私の祖母、祖父、そして父とも親交があったお坊さんだ。
しかしなあ、人が死んでお坊さんが泣くのだろうか。
これは直接確かめなければ・・・。
本日、二七日(ふたなのか)の供養でお坊さんが来宅。
読経のあと、しばらく説教と雑談。
私「で、父は今頃どのあたりにいるんですか?」
お坊「多分この部屋の天井あたりで、この光景を眺めてると思います。」
私「そんなもんですか」
お坊「眺めると言っても視覚や聴覚はないでしょうが、もっと超感覚器で
感じておられるでしょう。」
私「そんなもんですか」
姉「祖母と祖父のお骨がまだ仏壇にあって、近々納骨にいくつもりだった父も
亡くなったんですけど・・・。」
お坊「はいはい。」
姉「どっちが祖父でどっちが祖母のお骨かわからないんです。父は知っていた
らしいんですが。」
お坊「度々聞くのですが、やはり四十九日を過ぎるまでは亡くなった方が」
夢枕に立ったという人が多いんです。だからどちらのお骨がどちらの
方なのか、お父様も夢枕で教えに来るかも知れませんよ」
私「そんなもんですか・・・。」
無事ふた七日も終了。
とうとう尋ねることができなかった・「貴方はあの時泣いていたのか」と。
未だにミステリーである。
これから1週間毎の供養で、果たして尋ねることができるだろうか?
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