GITANESは当時
少し高かった。
それとは無関係に・・・。
少しだけイイものを買うのが、最近ではいちばん賢い
買い物なのではないかと思うようになってきた。
と言ってももちろん日用品のことである。
ちょっといい家を買ったりちょっといい服を
買う話ではない。
最近では爪切りと団扇がそうである。
国内の有名な刃物メーカー某の爪切りは大手コンビニが
定番商品として取り扱っている。
この爪切りで品質的にはまったく問題ない。
すぐに切れ味が鈍ったと感じる訳ではないし、壊れること
もない。
それでも、そのメーカーが作っている「もうちょっとだけ
いいもの」である爪切りを買って爪を切ってみたのだが
切れ味がまったく違っていた。
安い方は爪が変形しながらやがて「パチッ」と切れるのに
対して、もうちょっといいモノは切り始めから
爪が変形して(反って)いくことなく、スパッと切れる。
これはニッパー型でも同じ感覚だった。
元々コンビニの定番爪切りは600円前後のものなので
「ちょっと高級品」でもそんなに高額品ということではない。
それでいつも気持ちいい切れ味を体感できるのなら
そんなに贅沢でもないと思う。
それと、団扇も同じだ。
団扇なんて大体夏が近づくと、タダで手に入る。
祭だとかケータイ会社の宣伝物だとか、どこかのノベルティ
として貰える。一家に二つ三つはあるだろう。
しかしこれらの「貰える団扇」は大体骨がプラスチックで
できている。ひどいのになると、厚紙の一部に穴が開いていて
「ここに親指を通して、ほら団扇として使え。」みたいな
この上なくどうでもいいモノもある。
以前は選挙運動中に議員が自分の顔写真入りの
「厚紙穴開き団扇」を配ったことが「違法だ!」と
糾弾されたことがあったが、あんなグッズをもらってしまったら
逆効果しかないだろうに。
分かる人なら分かっているだろうが、団扇は竹の骨に限る。
プラスチック製の骨の団扇とは、扇いだ時のしなり・返り
が全然違うのだ。プラスチックでは風にキレがない。
無料の団扇を使う代わりに、数百円で竹骨の団扇を買ったら
それだけで快適な猛暑を過ごすことができる(良い団扇を使おうが
どうしようが猛暑は猛暑だ)。
爪切りと団扇には夏と縁側が似合う。
この夏は縁側でそれらとともにのんびりと過ごすひととき
も悪くないと思ったが、ウチの家には縁側がなかった。
うまくいかないものである。