GITANESは冥土の旅の一里塚。
それとは無関係に・・・。
会社で取引のある建築会社に、一人の男性がいる。
年齢は50を過ぎた頃だろうか。
もうすこし年をとっているかもしれない。
職業柄、筋骨隆々で背も高い。
頭髪は短いが金髪に染めており、
夏場なら大体カラフルなTシャツを着て、カモフラ(迷彩)の
ワークパンツをはいている。
ニコニコ笑う、派手なオッサンだ。
現場まではリュックを背負って、愛用のマウンテンバイクを飛ばし、
朝イチの挨拶は、勢いよく右手を空に突き上げるポーズだ。
性格は明朗、仕事も早く、テキパキしている。
現場に来るどんな職種の人間にも愛想よく勢いよく、
得意の「右手突き上げ」ポーズを取っている。
たまたま通りかかった白人女性や正体不明の外国人とも、
まったく気後れする様子もなく巧みにコミュニケーションをとっている。
現場での細かい注文をする際にも、かなり飲み込みが早く、
こちらの意図を即座に理解し、右手で「OK」サインをつくり、
さっさと仕事に取り掛かる。
この人はおそらく、ずっとこういう感じの人だったのだろう。
そしてこれからもこう言う感じを貫くに違いない。
自分本意な感想でしかないが、ずっしりとした人生だ。
彼はまったく喋れない(おそらく耳も聞こえない)のである。
明日の投票日には、誰に、どの政党に一票を投じるのか
尋ねてみたい気もする。
しかし私には、それを彼に尋ねる手段がほとんどない(筆談はできるが)。
言葉を喋らない彼は、現場ではこの上なく頼りになる男の一人である。
何をどう言うつもりもないが、
彼と接していると、「俺も今の数倍頑張らねば。」
という気になる。
しかしあのオッサン、迷彩パンツがよく似合う。
| Trackback ( 0 )
|