小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

古井由吉 『辻』

2006-03-08 23:25:33 | 小説
本館<読書室>更新しました。
今回は、古井由吉の連作短編集『辻』です。
短評は、本館の方でご覧下さい。


新潮社

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内田百間 「仰げばたふとし」

2006-03-05 23:40:58 | 内田百
百鬼園先生の小学校時代の先生にまつわる思い出がつづられている。
高等小学校での受け持ちの「物騒な」先生がイケてます。
初めての授業で「アムプリオピリス・スピリアスの耳は足に付いて居る」などという発言をするなんて、わけわかりません。
それを何十年も覚えている百鬼園先生もスゴイですが・・・。
他にもその先生の印象深い言動がいくつか披露されています。
「物騒な」と形容された先生でしたが、百鬼園先生はじめ生徒たちの心をしっかり掴んでいたようです。
旺文社文庫『馬は丸顔』で、8ページ。
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石川啄木 「きしきしと寒さに踏めば」

2006-03-03 23:55:08 | 短歌・俳句
啄木の短歌はちょっと貧乏くさかったり、いじけた感じのものが教科書などにはとりあげられていますが、実はキス好きだったりします。
「きしきしと寒さに踏めば板軋む かへりの廊下の 不意のくちづけ」
「つくづくと手をながめつつ おもひ出でぬ キスが上手の女なりしが」
「やや長きキスを交わして別れきし 深夜の街の 遠き火事かな」
他にもありますが、中てられそうなのでこの辺で・・・
岩波文庫「新編 啄木歌集」等に収録。
新編 啄木歌集

岩波書店

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武田百合子 「雛祭りの頃」

2006-03-01 23:46:16 | 随筆・エッセイ
作者が子どもの時、2月も終わりに近づくと、おばあさんが3組のお雛様を飾ってくれた。
一つは自分のもので、他の二つは、死んだ母と姉のものだという。
短い文章の中で、雛人形を軸に家族の歴史や関係が浮かび上がってきます。
雛祭りの頃にきまって風邪をひく作者は、お雛様の飾られた離れに寝かせられますが、食事に出される干し杏の含め煮を食べるところが実に美味しそうに描かれています。
また、幼い作者は、お雛様が天井裏にしまわれていると思いこんでいて、その人形たちの妖しい様子を想像していたということですが、同感される方も多いのではないでしょうか。
ちくま文庫『ことばの食卓』で、7ページ。
ことばの食卓

筑摩書房

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