小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

武田百合子 「富士日記」昭和44年11月6日

2006-11-06 22:35:28 | 日記文学
この日は、下田の土地を見に行った帰り道、町の灯りと満点の星が一つながりになった景色の中を、夢のように車で走ったとのこと。
(しっかり、有料道路の料金も書いてあります。)

山の家に戻って、灯りを全部つけ、「谷底に浮かんだ盆灯籠のような家」に向かって、庭を駆け下りる、というところに、著者の子供のような無邪気さが見えて微笑ましいです。

「食べながら、今日見てきたことや、あったことをしゃべくった。帰って来る家があって嬉しい。その家の中に、話をきいてくれる男がいて嬉しい。」
と、幸せな生活を述べています。


中公文庫「富士日記」(下)でどうぞ。
富士日記〈下〉

中央公論社

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