寝屋川市~香里園 | ピアノ ボイストレーニング教室 Abe Music Studio

指導歴45年、
だから感じることを書いています ♬
グランドピアノ3台あるお教室です♪

ショパンのシステム

2024-02-29 | 音楽
昨日、体験レッスンにお越しいただいた方(ピアノ経験者)にショパンが考案した手に負担をかけない手のポジションをお話しました。
 


日本人は体がまだまだ華奢で、大人の西洋人用のピアノを女の子が弾くと無理をして体が痛くなるということがあります。
日本の戦前のピアノ奏法はレガート重視というより、筋力をつけるための、ハイフィンガーハイタッチと言って指を鍛える練習が多かったと思います。しかし音が固くなりレガートでやさしく歌わせる奏法がやりにくく、私もドビュツシー、ショパンに大変困りました。

その後、ショパンのこのシステムを取り入れレガートが美しいとはこのことなのか!と驚愕しました。
ショパン自身華奢で手も細く小さめでしたので、日本人にはこのシステムがピッタリです。指の筋力を強化するのではなく腕全体の重さを指に感じてなめらかに次につなげるレガート奏法です。同じ時代に生きた華麗な派手なリストとは違う奏法です。もちろん指の筋力はいりますのでそこは両極端にならないようバランスよく練習してもらいます。

当教室では全員にこのシステムで教えています。子供たちには、「ショパンの手」と言って少しアレンジしたポジションで教えていますが、とにかくこれができなくてはピアノに進めないよ!と言ってできるまで自分で確認してもらっています。
 
 



小澤征爾氏 追悼

2024-02-11 | 音楽

2週間前に江戸京子(ピアニスト)さんがお亡くなりになりました。その時 私は一瞬 小澤征爾さんのことを思いました。

前妻で、若い頃の小澤征爾さんを精神面 経済面で支えた方です。
私にとって 小澤征爾さんというのは苦労人、努力家という印象であり、彼がいたから 日本人、 東洋人がクラシック 界で認められるようになった、まさに逞しい開拓者であったと思っています。
 
満州からの引き上げ者で、ピアノ を横浜から東京まで リアカーで引っ張って歩いたとか、給費 留学生ではなく単独でコンクールを受けようとしたところ、 パリの日本大使館が支援をしてくれなく、アメリカ大使館が支援をしてくれたことや、N交響楽団は32年間もの間彼を、 ボイコットしてたという事実があります。それで 彼は日本から出て行ったのです。
 
でも彼は世界の指揮者界の帝王であるカラヤンやバーンスタイン からも後継者として認められていきます。
 
ヨーロッパの人に東洋人にバッハ なんかかわかるのか?とよく言われたそうです。
小澤征爾氏の師匠である 斎藤先生はとにかく厳しくて有名で、怖い エピソードは私の大学の先生からも聞いていたので叩かれるのは当たり前という今では考えられないレッスンですが、その教え子たちは今世界の第一線で活躍してるので、徹底的な基礎練習というのはやはり何十年か後に自分の身に蓄える戦える 栄養になるということです。
 
そしてそれを現代の 若い人たちに分かりやすく丁寧に伝えるという教育を精力的にされていました。その教え子たちがまた 次の世代へ繋がっていくと思います。
 
フランスものがあまり得意でなかった私がラベル「ダフニスとクロエ」の指揮にとても感動したことを覚えています。
 
小澤征爾さんが日本人であったことを誇らしく思います。
 
ありがとうございました
本当に『世界のオザワ』という冠にふさわしい方でした。
絶対忘れてはならないお名前です
 
 

原作者、作曲家の気持ち 幻想即興曲

2024-02-04 | 音楽
漫画家さんの悲しいニュースがありました。
そのことで、クリエイターと消費者という経済的なことではなく、気持ちの問題なのかなと思いました。

音楽に関しては 作曲家と演奏家の関係ですが、作曲家の気持ちは重んじられなくてはなりません。でも時代が変わると、わからなくなってしまうこともあったり 捉え方が変わってしまうということもあると思います。でも、できる限り 作曲家のことは調べて考えるという姿勢はいります。私の主催する発表会では 必ず全員、自分が弾く曲を調べてまとめてレポートとして皆さんに公表してもらっています。それがピアノを弾くという責任でしょう。




「幻想即興曲」を弾いている生徒さんに、この曲はショパンが遺言で焼却してほしいと言っていた曲です。それが守られず今ここにあるということは、私たちにとってはありがたいことだけれど、ショパンは今どう思ってるのかなと?考えるだけでもいいと思います。

作曲家の先生方の (湯山昭、樹原涼子)のピアノのレッスンを受けたことがありますが大変厳しかったです。自分の曲に対しての思いがあるので 当然です。

作曲家をリスペクトしないと曲が生きてこないのは当然でしょう。

もう少し気持ちをお互い考えていれば、悲しいことにならなかったかもしれないので
残念なことです。

ショパンの遺言を 破った フォンタナを、避難する人は聞いたことがないですから。