メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

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モンスター

2012年10月04日 | 映画
モンスター を観た。


アメリカの連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの半生を描いた映画です。

売春で生計を立てるアイリーン(シャーリーズ・セロン)はある夜BARで同性愛者のセルビー(クリスティーナ・リッチ)に出逢い親しくなる。
荒くれ者のアイリーンに何故か惹かれるセルビー、やがて二人は恋に落ちレズビアンの差別の視線を向けられるようになる。
そして二人で暮らそうと提案するアイリーンは客を取るがレイプされ殺されかけたので逆に撃ち殺し逃げる。
後に引けなくなったアイリーンは半ば強引にセルビーを連れて当てのない旅に出る。
セルビーもアイリーンと生きて行くことを決心して家族と決別する。
アイリーンは売春でセルビーを食わせていくと約束したが、事件のことがあり足を洗い普通の仕事に就こうと努力する。
しかし上手くいかず、お金が無い二人は度々衝突する。
そして背に腹は代えられないアイリーンは再び道に立つようになる。
しかしちょっとでも悪を感じた相手を殺し金と車を奪うようになり、強盗殺人の常習犯になっていく。
もう後には引けない逃避行の状況になるが、それでも二人は二人で居られる事に幸せを感じていた。


ってお話。

シャーリーズ・セロン大好き芸人の僕はちょっと抵抗があって、観るのが怖くて観てこなかったのですが遂に観てしまいました。
名画でした・・・。

全然知りませんでしたがクリスティーナ・リッチちゃんも出てたのですね。
クリスティーナ・リッチ大好き芸人の僕としては非常にテンション上がりました。

しかし誰が出てるとかどうでもよくなるほどのエネルギッシュな作品でした。

当時非常に評価され話題だったシャーリーズ・セロンの役づくりですが、いやぁ凄まじいですね・・・。
今までいろんな壮絶役作りモノを観てきましたが間違いなくトップクラスですね。
最初から、コレがシャーリーズ・セロン?嘘でしょ?って思うほど。
最後までずっと別人にしか思えなかったです。
僕の大好きなミニミニ大作戦と同じような時期に作られた映画とは思えません。
ミニミニ大作戦じゃスゲェ美人だったし。
もう女子プロレスラーですよ。
ごっついし、肌汚いし、髪も汚いし、歯が変だし、所作の全てが凄いガサツだし、喋り方も汚いし。
ホント凄いなりきりでした。

近頃のハリウッドはなりきり役作りがやたら評価され、本編の質に無関係に評価される傾向があり疑問符です。
ちょっとモノマネ芸人の要素の勝負になってるような、日本ではそんなのとっくの昔にモノマネ四天王とかがやってます。
しかし本当に成りきった役作りはそんな次元の話じゃ無いですね。
このシャーリーズ・セロンは半端ないです。
魂を打たれる演技でした。

それに相対するクリスティーナ・リッチのキャラがまたたまらなかったです。
童顔で中身も未熟で、何故か殺人鬼のアイリーンと離れられない。
ヒステリックな演技も最高でした。
やっぱり可愛いですけど演技力も凄いです。
ハリウッドの女優さんで幼い時から観続けてる人って余り居ないのでとても愛しい気持ちになっちゃいますね。

とにかく悲しすぎる、切なすぎる逃避行。
テルマ&ルイーズも少しコレをモデルにしてるそうですね、知りませんでした。
セルビーを養っていこうという思いが強いゆえに過ちをくり返してしまうアイリーン。
生きることに絶望しているアイリーンの唯一の心の支えのセルビー、セルビーなりに必死にアイリーンとの暮らしを守ろうとする。
奇妙な二人ですがこの破滅に向かうしか無い逃亡劇や、その最中の幸せの描き方が最高でした。
どう考えてもこんな馬鹿な二人が上手くわけがなく、ハッピーエンドの予感が皆無なので、
二人の幸せなシーン、二人が楽しそうにしてるだけで超切なかったです。

僕の大好きな松本大洋漫画の鉄コン筋クリートにも近い設定ですね。

ちょいとネタバレかもしれませんが、
ラストの別れのシーンなんて胸が張り裂けそうでした。
さらに裁判での再会シーン、男泣きのように堪えながらも涙するシャーリーズ・セロンの演技。
むっちゃ号泣しました。
ホント魂に来る素晴らしい映画でした。


そんなわけで9点です。


美人女優二人がまさに魂をぶつけた作品ってのもヒシヒシと伝わったし。
シャーリーズ・セロンの女優生命をかけたような役作りのギャンブルも完全に勝利ですね。

しかしもう美人の役だけやってて欲しいです。

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