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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

関ヶ原

2017年09月30日 | 映画
関ヶ原
を観ました。


関ヶ原の戦い――
それは、戦乱の世に終止符を打ち、後の日本の在りようを決定づけた。
幼くして豊臣秀吉(滝藤賢一)に才を認められ、秀吉の小姓となった石田三成(岡田准一)。成長し大名にとりたてられた三成は自分の石高の半分をもって、猛将として名を馳せた牢人・島左近(平岳大)を家来に乞う。秀吉に忠誠を誓いながらも、利害によって天下を治めることに疑問を感じ正義で世の中を変えようとする三成の姿に、左近は「天下悉く利に走るとき、ひとり逆しまに走るのは男として面白い」と配下に入る。伊賀の忍び・初芽(有村架純)も、“犬”として三成に仕えることになる。
秀吉の体調が思わしくない。天下取りの野望を抱く徳川家康(役所広司)は、秀吉の不興を買う小早川秀秋(東出昌大)や他の秀吉恩顧の武将たちに、言葉巧みに取り入っていく。三成は、そんな家康が気にくわない。
1598年8月、秀吉逝去。翌1599年閏3月、大老・前田利家(西岡德馬)も亡くなると、先の朝鮮出兵時から三成に恨みを持つ福島正則、加藤清正ら秀吉子飼いの七人党が、三成の屋敷を襲撃する。三成は家康の屋敷に逃げ込み難を逃れるが、このことで佐和山城に蟄居。家康の影響力が増していく。
1600年6月、家康が上杉討伐に向かう。上杉家家臣・直江兼続(松山ケンイチ)と家康の挟み撃ちを図っていた三成は、盟友・大谷刑部らを引き込み、毛利輝元を総大将に立て挙兵。三成の西軍、家康の東軍が、覇権をかけて動き出す。1600年9月15日。決戦の地は関ヶ原。三成は、いかにして家康と世紀の合戦を戦うのか? そして、命を懸けて三成を守る初芽との、密やかな“愛”の行方は……。
権謀渦巻く中、「愛」と「正義」を貫き通す“純粋すぎる武将”三成と野望に燃える家康の戦いが今、幕を開ける!!


原田眞人監督です。
最近では日本史を題材にした重たい大作も多いですね。
高評価した作品も多いです。

そして原作が司馬遼太郎というのもかなりそそられポイントです。

今作は変化球無しでがっつりと歴史上の大事件を扱っています。
原田監督は近代的な日本映画が多い印象なのでこういう戦国時代の戦闘はどうなのだろう?と若干の不安もありましたが。
2時間半という最近では尺の長い映画なのでまずはそこに作品に込めた熱意を感じました。
最近ではこの尺でも客入りが悪くなってしまうので少々複雑ですが。
まあ確かにこんなに映画を観ている自分でも、短い映画は入りやすい、長い映画は本気で面白そう
という印象です。

いやはや、コレは名画でした!

戦国時代大好きな自分はこの手の物語は大好きなのですが。
個人的にはもう少し前の群雄割拠な時代のほうが好みなので、関ヶ原の戦いを深く掘ったことがないのでかなり勉強にもなりました。
なんか関ヶ原の戦いという短い戦争にとことんフォーカスしてまるでドキュメンタリーみたいに描いています。

自分が子供の頃だと、石田三成って戦国時代の一番の悪党みたいな扱いで。
漫画やイラストやドラマでも、いかにも悪っぽく描かれることが多かった気がします。
逆に家康って昔は戦国時代のいい人代表みたいな扱いだった気がします。
ところが最近はそれがすっかり逆になってる風潮がありますね。

因みに自分は結構、司馬遼太郎が言うことが正、
と思いがちなのでこの作品で描かれている感じで、石田三成は悪じゃないのかもと思っています。

個人的には関ヶ原の戦いは非常に難しいイデオロギー闘争だったと思っています。
ルール的には家康がルール違反をしている感じですが、
歴史的な空気を読むならば家康が常識的な判断をしているようで。
善悪の判断は難しいですね。

頑なに豊臣家を守れ!と言うのは現代の政治の憲法第九条的な印象を抱いたり・・・。
大局を見た場合はその時々に合った政策を取るべきだと思うし。
◯◯を守れ!と言いながらその人本人はのし上がることにそれを利用していたりと。
結局日本の政治はこの頃からあまり変わっていないのかも、なんて思ったりします。
暴力で解決しないのは明らかに人類が成長した証の叡智だとは思います。

前半のストーリー部分だけ観ていると、
コレで戦争になるのか?どうやって本気の戦闘になるのだろう?という疑問もあり。
それが実に生々しく戦争へとなっていきます。
そして誰もが知っているように、西軍につくか?東軍につくか?と各大名の葛藤です。

少々テンポが早くて、登場人物も多く、知識の少ない自分には難しくてついていけない部分がありました。
歴史を知らない人だともっとついていけないかもしれません。
そこを退屈に感じてしまう一もいるかもしれませんが、繰り返し見れるくらいの品質があります。

戦争が始まったらまー迫力満点。
日本の戦国時代の戦闘モノは沢山みてきましたが、コレは個人的には過去最高のクオリティだったかも知れません。
なんか、リアルを感じました。
実際の戦国時代の戦闘ってこんなんだっただろうな、と思えました。
日本的なプライベートライアン的な描写だと思いました。

規模の大きい戦争なのであちこちでぶつかりあって戦闘が行われていて。
その感じがとてもリアルなのですよね。

キャストの多さ、エキストラの多さ、一画面での情報量、人間同士のぶつかり合いの迫力。
スケール感も相当最高峰でした。

主役は石田三成を演じた岡田准一ですが。
いやはや、これはかなり見事な演技でした。
魂を揺さぶられる石田三成像でした。
まっすぐで健気で男気があって。
コレは来年の日本アカデミー賞の匂いがしました。

徳川家康は役所広司が演じていましたが、太ってる感も出ていて流石の名演でした。
嫌味な感じが実に見事に表現されていました。

戦局を左右した裏切りをする小早川秀秋は東出昌大が演じていました。
裏切った人はついつい悪い人という印象を抱いていましたが、この作品では仕方なく、意思の疎通の問題で本心とは裏腹に裏切ったことになっていました。
男気のあるいい人として描かれていました。
まあ、こうして惑わされた多くの武将がいたのでしょう。

伊賀の忍びを有村架純が演じていました。
よくある特殊な忍者では無く、ごく常識的な能力の人物像でした。
そして非常に可愛かったです。

逆側にも同じく伊賀の忍びの蛇白というのがいて伊藤歩が演じていました。
なんか時代設定に合ういい感じのなりきりでした。
最近は脇役専門ですが、密かに非常に活躍してますね。

石田三成の右腕となる島左近を平岳大が演じていました。
最近いい感じで売れてきていますが、自分はEテレのスペイン語講座をずっと観てきているのでなんかうれしいです。
今作のなりきりも非常に素晴らしかったです。
コレも助演男優賞レースに乗ってもいいと思えました。

序盤は少々難しい映画で人には勧められないかな?
とも思いましたが、最後まで見たらシンプルにめちゃくちゃ面白かったので人に勧めたいですね。
なんか壮大で熱血で、それでいて切なくて。
本気で戦って負けた人の悲哀が見事に描かれていて予想外に泣きました。


そんなわけで9点。

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