メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

サイレント・トーキョー

2020年12月24日 | 映画
サイレント・トーキョー
を観ました。


12月24日、東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入る。
半信半疑で中継に向かった来栖公太は、そこにいた主婦・山口アイコとともに犯人の罠にはまり、実行犯へと仕立てられてゆく。
その様子を朝比奈仁が静かに見つめるなか、爆発は起きた。
そして次の犯行予告が動画サイトに上げられる。
「標的は渋谷・ハチ公前。要求は首相との生対談。期限は午後6時」。
独自の捜査を行う刑事・世田志乃夫と泉大輝、不可解な行動をとるIT企業家・須永基樹、イヴの夜を楽しみたい会社員・高梨真奈美、そして一帯を封鎖する警察、事件を一層煽るマスコミ、騒ぎを聞きつけた野次馬たち。
様々な思惑が交差する渋谷に“その時”が訪れる。それは、日本中を巻き込む運命のXmasの始まりだった。


波多野貴文監督です。
結構好みの本格派アクションドラマを手掛けているので関心ありました。

予告編でかなり大作の雰囲気がありもっと大々的にプロモーションされると思っていたのですが。
思ったよりこじんまりとやっていて自分が思ってるような映画じゃないのかな?と思っていました。
公開からちょっと経ってから観に行ってヒットしてるイメージが無かったですがなかなか凄い映画でした。
もっとヒットしてていいと思いました。

爆弾テロを利用する犯人を追うクライム・サスペンスな映画でかなり映画っぽい映画です。
誰が主人公とかない感じの群像劇のような構造で。
日本映画では観たこと無いような大規模な凄いシーンがいくつかありました。

個人的に最大の見所は渋谷のスクランブル交差点でのシーン。
実際のスクランブル交差点でやったのか?バイオハザードみたいに似たセットを作ったのか?
とにかく凄い規模でお祭り騒ぎやパニックを描いていました。
この大人数を演出出来るのはかなり凄いと思います。

グラスホッパー等でもそうでしたが、警告を無視して渋谷に集まって迷惑行為をするパリピたち。
野次馬根性やユーチューバーやらはテロで被害にあっても心が傷みにくいという側面がありますね。
そこに集まるタイプじゃない多くの人にとっては不謹慎ながらも若干痛快を感じてしまうところではあります。
自分は無意味に騒ぐ若者たち、コスプレパリピなどは本当に嫌いなのでちょっとスカッとしてしまいました。

何度かあるカウントダウンでの爆破テロはトラウマになるくらい怖いし壮絶でした。
このシーンを観たいだけで繰り返し観たいって思えるくらいでした。
風船すら苦手の自分は怖くて耳を塞ぎたくなるシーンばかりでした。
痛々しい場面はなかなか見るものしんどいほどでした。
その辺でパニック映画としてのシリアスさや怖さは表現されていたと思います。

かなり本格的ですが何故か短い尺で描いているので短絡的な演出や雑なミスリードは多かったです。
一応クレバーな人々がやりあってる物語な設定でしたが、結構クールにおバカをやっていました。
基本的には警告を信じない、行くなと言われても行ってバカを見る、なストレス展開が多かったです。

戦争で傷ついた人と政治との合間のイデオロギー闘争はベタですが説教臭くなくて妥当だったと思います。
そのへんにまつわる演出が黒画面に文字だけのメッセージだけになるのは良かったです。

もう少し展開するシーンをじっくり描いたり多くの登場人物たちの人物描写を深めたりした方が良い気がしましたが。
この内容をこの尺で収めたことを評価するか、やっぱりもう少し長尺にすべきだったかは悩ましいところでした。
謎の引っ張り方、その種明かしの感じは結構絶妙でした。
伏線と思っていた要素の回収はまあまあでもう少し回収するか、コレくらいならば最初から描かなくても良かったかもって思うこともありました。
クリスマスらしい雰囲気はふんだんにあるし映画らしい映像と内容なのでこの季節には最適の映画でした。

主演の1人は佐藤浩市でした。
爆破テロの容疑者としてかなり謎めいていて終盤に一気に活躍するキャラでした。
流石の実力派でこの人が出てくるだけで作品の雰囲気が一気に増しますね。

事件のキーを握る女性は石田ゆり子でした。
この人も言わずもがなの実力派なのでとても作品の質が上がります。
最初に爆破テロに巻き込まれる女性ですがまあ、怪しさは半端なかったというかカモフラージュが無かったですね。

刑事役は西島秀俊でした。
この人は昔から好みの役者ですが日本でハリウッドっぽい作品やるときには最適の役者ですね。
渋い演技やらせてもサムくならないし体格もルックスもいいしピカイチですね。

何かしらで事件に関わる男は中村倫也でした。
とてもかっこよくて普段の活動から大好きな俳優です。
最初からやたら謎めいていてクールで超スマートのようで、なのにちょいちょい感情的でずさんで。

中村倫也に関係する女性を広瀬アリスが演じていました。
中村倫也と女友だちをくっつけようと世話焼きデリカシーない女で彼女のキャラにあっていました。
感情が右往左往するキャラクターでその割に回収はちょっと甘めでしたが。

その友人役は加弥乃でした。
何度か見かけた記憶はありますがなかなかいい雰囲気の女優さんでした。
今後気にしていこうと思います。

出番は少なめでしたが大好きな白石聖が出ていたので嬉しかったですね。
回想シーンでしたが重要な演技でした。

総理大臣役は鶴見辰吾でした。
金八世代として子役時代から観ていますが凄い幅広くキャリアを重ねていて今でもめちゃくちゃ活躍していて凄いと思います。

井之脇海、勝地涼、毎熊克哉、金井勇太、財前直見など脇役のキャスティングも充実でした。

日本映画にしては珍しくスリリングな娯楽性やら迫力の映像で魅せられる珍しい映画でした。


そんなわけで8点。
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