メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

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われらが背きし者

2016年11月07日 | 映画
われらが背きし者
を観ました。


モロッコでの休暇中、イギリス人の大学教授ペリーとその妻ゲイルは、偶然知り合ったロシア・マフィアのディマから、組織のマネー・ローンダリング(資金洗浄)の情報が入ったUSBをMI6(イギリス秘密情報部)に渡して欲しいと懇願される。
突然の依頼に戸惑う二人だったが、ディマと家族の命が狙われていると知り、仕方なく引き受ける事に。
しかし、その日を切っ掛けに、二人は世界を股に掛けた危険な亡命劇に巻き込まれていく・・・。


スザンナ・ホワイト監督作品です。
恐らく初めましてな女性の監督さんです。

かなりノーマークでしたがそこそこの劇場で上映していたので観てみました。
観てる最中は内容から女性の作品とは思いませんでしたが、
観終わってから思い出せば確かに女性らしい繊細な心理描写に満ちていました。

壊れかけの夫婦が主役でしたが、夫婦間の問題が人助けを通して復活して行く様は良かったです。
コレは意外と深い設定ですが、世の中的にはリアルな状況だと思います。
主人公の夫婦たちはかなり無償のボランティア精神で、
かなり怖い人々を相手に綱渡りのような救助をします。

追い詰められているマフィアの大物ディマを助けるのにMI6は引き換えとなる情報を要求して、
ディマは家族を安全な場所に移動させないと渡せない、との軋轢。
そんな中ディマはどんどん危険な状況になっていくのでかなりスリリングです。
ディマの情報があればMI6も社会の汚職をかなり暴けると躍起になりますが。
世の中の捜査ってこういうジレンマに満ちているのかな、と考えさせられます。
確かに相当な証拠が無いと踏み込めないのでしょうが。

ユアン・マクレガーは上品な教授の役でしたがなかなかハマっていました。
過去の浮気から妻とはずっと気まずい状況で、なんとも気だるい嫌な夫婦関係でした。
銃の扱いや格闘が全く出来ないのも良かったですね。
このスペシャルじゃないキャラクターを主人公にしているのは良いです。

最近良く見かけるナオミ・ハリスが妻役でした。
コレまた良いキャスティングでした。
子供が居ない夫婦でありながら他人の子供に感情移入して無償の救出をするのは感動的です。
そんな複雑な妻の状況を見事に表現していました。

ステラン・スカルスガルドのマフィアっぷりは相当ハマっていました。
なかなか怖いし、シャワーシーンでは堂々のモザイクです。
このポジションのマフィアってこんな感じなのかな?と想像し易いリアルさがありました。

ダミアン・ルイスがMI6で重要な役をやっていましたが、
なかなかインパクトある表情で存在感十分でした。

そしてそれなりにインパクトあるクライマックスです。

冷めきった夫婦の描写、微妙なポジションのマフィアの苦労や悲しみ。
なかなか繊細で絶妙な仕上がりだったと思います。


そんなわけで8点。
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