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女王陛下のお気に入り

2019年03月01日 | 映画
女王陛下のお気に入り
を観ました。


時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。
そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。
イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。
舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。
国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。
アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。
アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。
議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。


ヨルゴス・ランティモス監督作品です。

オリヴィア・コールマンがアカデミー賞主演女優賞を取ったことで結構注目の作品でした。
が、意外と劇場は空いていました。

典型的な王宮を舞台にした歴史映画と思いきやほんのり作家性が強い作風でした。
冒頭のロゴの出し方から、お、癖が強いなと思わされます。

血筋が悪くないが、没落したエマ・ストーン演じる主人公がメイドから成り上がって行く、ある種シンデレラストーリー的な話でもありました。
ただシンデレラというほどピュアではなく、かなり狡猾な手段を使っていました。
最初はピュアな女性が正義を正しく行使しているように思えましたが、徐々にエスカレートしていき、
中盤以降はかなり容赦なくライバルを蹴落とす感じでした。

見ている側の感情移入としては、序盤は主人公が可愛いのに可愛そうなので同情して、
女王陛下やそのパートナーがあくどい感じにも見えましたが。
そんな単純な感情移入で見れる作品ではありませんでした。

史実らしいですが、そういう巧妙さを加えて実にうまいこと娯楽性のある見せ方になっていました。
落ちぶれてた主人公を拾い上げ、出世させたにもかかわらず恩を仇で返されるライバルも切なかったですね。

何気ないシーンを妙な長尺で見せたり、そのシーンのポイントとなる要素を別の登場人物の視点で見せたりと。
そういう見せ方はかなり好みで印象的でした。

大半が3人の女性によるやり取り、助け合い、足の引っ張り合い、コロコロ変わるパワーバランス。
奇妙な三角関係で誰が正義で誰が悪なのかもわからないです。
主演の3人の演技力でだいぶ見応えがありました。

女王陛下はオリヴィア・コールマンが演じていました。
アカデミー賞を取っただけあって納得の演技でした。
贅沢病な痛風でわがままでがさつな面もありつつ、繊細で賢く正義の面もありつつ。
女王陛下を巡る争いの中でちょっと馬鹿に扱われ良いように利用されているようで、ちゃんと賢く決断も出来るという。
実に難しい塩梅を素晴らしい演技力で見せていました。

エマ・ストーンは相変わらず華があって可愛いですね。
序盤はかわいそうな主人公って感じでありながら権力を手にするに連れて実にナチュラルに狡猾になっていきます。
体を張った演技もあり作品にかける気持ちも伝わりました。

レイチェル・ワイズが女王陛下の参謀的な役で、ルックス的にもかなりの役作りでした。
昔はちょっとアイドルよりの女優だと思っていましたが、あっという間に渋い作品専門の女優になりましたね。
個人的には今作のMVPは彼女でした。

ニコラス・ホルトは女性中心に描かれる映画の中ではちょっと戦略が劣る男の象徴のようでした。

ジョー・アルウィンも同じく女性の手のひらで転がされる男でした。
ただなかなかハンサムだったので気に入りました。

エンドロールもかなり癖が強く、読みにくい字幕で印象的でした。
本格的な中世モノな雰囲気で見応えありました。


そんなわけで6点。

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