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太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-

2011年02月22日 | 映画
太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男- を観ました。

竹野内豊主演の第二次世界大戦モノです。
やたら予告編を見せられたので観てきました。


(お話)
第二次世界大戦終盤、サイパン島。
日本軍は壊滅的にやられどんどん領土を奪われ北のタッポーチョ山に追い込まれた。

大場栄大尉(竹野内豊)は敗戦後の大量の死体の中でかろうじて生き残っていた。
そこに現れたアウトローな任侠集団堀内今朝松一等兵等と行動する。

その最中に廃屋で見つけた赤ん坊をアメリカ軍に救わせようと、自分たちの生存を知られる危険を冒してまでアメリカ軍に赤ん坊の存在を知らせる。

アメリカ軍は日本人の自害の精神がまるで理解出来ない。
そんなアメリカ軍の中で日本に滞在経験のあるハーマン・ルイス大尉(ショーン・マクゴーウァン)は日本人の精神を理解してリスペクトして上官のポラード大佐(ダニエル・ボールドウィン)に助言していた。

ルイス大尉は廃屋で赤ん坊を見つけ日本軍に素晴らしい人間が居ると察する。

大場大尉はタッポーチョ山に隠れていた軍と合流して作戦に参加する。
尾藤三郎(岡田義徳)、木谷敏男(山田孝之)等と出会う。

上官たちは自ら自害して兵士たちの士気を高め日本軍は玉砕覚悟の突撃をする。
お互いに大量の死者を出す。

生き残りの中で一番位の高い大場大尉は兵士たちを率いてタッポーチョ山でゲリラ戦を始める。


(評価)
なかなか本格派の映画でした。

竹野内豊の演技はとても素晴らしかったと思います。

竹野内豊に限らず、他の役者さんたちの演技も皆非常にレベルが高かったです。
きっと演出のセンスが良かったのでしょう。

唐沢寿明、山田孝之、岡田義徳、阿部サダヲ、井上真央など僕好みの役者さん達が素晴らしい演技をしてたので嬉しかったです。
板尾さんもいい感じでした。
光石研は相変わらず全ての映画に出てくる勢いです。

皆ファッションから人間的オーラから、とてもリアリティがありました。

系統としては硫黄島からの手紙に似た感じです。
太平洋戦争末期の悲惨な日本軍の姿です。

フォックスと恐れられる大場大尉ですがやったことは2つ、3つ位でその辺が現実味があって良かったです。
そこまで凄い賢い人ってわけではなく、人間的に素晴らしく部下や民間人に尊敬されたってことが大きいと感じました。

兎にも角にも長い期間山にこもり戦い、結果彼の判断で多くの日本人の命を救ったことは事実なので素晴らしいと思います。

あんな山奥で何ヶ月も飢えと戦いこもった日本軍は本当に極限だっただろうなと想像されます。
その状況下で適切な判断を下す大場大尉はさぞ立派な人だったのでしょう。

こう言うタイプの映画は両国に気を使ったような演出が多く、この映画もその類です。

終わり方がサラッとしていて大袈裟さが無かったのが良かったでしょうか。


そんなわけで7点です。


空席を挟んだとなりの初老のおばさんは結構感動してました。
年配の方にもお勧めです。


(ネタバレ)
生き残りメンバーは大場大尉の後に続きタッポーチョ山に篭る。
追いかけてくるアメリカ軍に隠した道をわざと見つかるように巧妙な罠を仕掛けそちらに誘導して囲み撃ちする。
そして霧と共に去り、アメリカ軍は恐れ始める。

大場大尉達は隠れていた日本人民間人達の野営地に遭遇する。
金原少尉(板尾創路)、永田少尉(光石研)等が民間人を守っていた。

自分たちはアメリカ人を一兵でも多く殺す事が使命とそこを去る大場大尉達。
しかし直後その野営地が攻撃され急いでもどる。

アメリカ軍の非道な攻撃で家族を失った看護婦の青野千恵子(井上真央)は守ってくれなかった大場大尉達を恨む。

大場大尉はアメリカ軍を倒すことではなく民間人を守ることが使命と目覚める。

アメリカ軍のローラー作成にギリギリの駆け引きでジャングルの上に隠れ、登れない老人と付き添いの奥野春子(中嶋朋子)はおとなしくアメリカ軍の日本人収容所に投降した。

野営地を分断することを決めた大場大尉、そのひとつが見つかった事を聞いて翌日までに全員を非難させ水に爆弾を隠した罠を作る。
水に飛びつくアメリカ軍は被害を受ける。

アメリカ軍は大場大尉達の最後の抵抗に困り、ひたすら投降を促す。

日本人収容所の元木末吉(阿部サダヲ)はアメリカ軍に協力し、大場大尉達の投降を促す。
最初は反対していた馬場明夫(酒井敏也)も自分の子どもがそこで生きていると知って大場大尉達に投降するように促す。

定期的に収容所に忍び込み情報を得る大場大尉、日本に原爆が落とされた事を知る。
ある夜、元木に呼ばれ収容所に行くと同じく忍び込んでいた堀内、青野等がアメリカ軍と銃撃戦を始めてしまう。
無双の強さを誇った堀内もここで倒れ、青野は足を怪我して捕まる。

食糧がない極限の状況で大場大尉は民間人は収容所に渡す苦渋の決断をする。
絶対にアメリカを敵対する、徹底抗戦を信念とする木谷と衝突し始める。

日本軍が負けたことを知っても投降しない大場大尉達。
必死に説得するルイス大尉に、上官の命令があれば投降すると言う。

通訳をしていた元木は裏切り者と木谷が撃ち殺してしまう。

上官の命令書が届き遂に投降を決意する大場大尉達、木谷だけは姿をくらます。

死んだ兵士たちの魂を弔い、軍歌を歌いながらアメリカ軍の元へ向かう。

大場大尉を敬い褒めるルイス大尉だが、大場大尉は自分は何もできなかったと言う。
そして自分が助けた赤ん坊を抱く。

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