tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は秀逸

2013-01-05 23:00:00 | 今日の出来事
今日放送していたテレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズは本当に秀逸だ。
今回はいつもの2時間を大幅に超える3時間半のスケールだったけど、見ていてちっとも退屈しなかった。

しっかり者の太川陽介と、とぼけた味わいの蛭子能収の男性名コンビに、
毎回替わりの「マドンナ」役の明るい美女が加わった3名で、
(今回は田中律子。それにしても彼女は全然変わらず若々しいなあ)
3泊4日、路線バスだけに乗り続けて、設定されたゴールを目指す旅。
(今回は新宿駅西口から新潟市の萬代橋まで)
シリーズ初期は、路線バスが通じていない区間ではタクシーを使うことも許されていたけど、
今はそれも禁じられて、「バスがなければ歩く」が原則となり、ガチンコ感が高まった。

旅番組は数多あれど、この番組ほど真に「旅の面白さ」を出せている番組はないんじゃないか。
これだけ、ヤラセなし・ガチンコの面白さを堪能できた後で、他の旅番組のような、
迎え撃つカメラアングルもバッチリ、タレントがおもむろに歩いてきて、
「あっ、こちらの建物素敵ですね…何でしょうか?…ちょっと入ってみましょうか…」、
なんて段取りじみた芝居をしているのなど、白々しくてもう見ていられなくなる。

僕は旅と言えば一人旅ばかりで、それが好きだし、
「誰かが一緒だったらな…」と思うこともあまりないけど、
この番組を見ていると、仲間同士で行く旅もいいよなあ…と羨ましくなる。

荒唐無稽で、ある意味“馬鹿げた”企画に本気で乗っかるところから生まれる連帯感。
なにしろ御年65歳の蛭子さんが、バス停目指して自分から全速力で駆け出しちゃうくらいマジになるのだ。
メンバーたちがバスの運転士や案内所の職員にルートの当てを尋ねる(半ば「詰め寄る」?)時だって、
テレビ向けのエレガントさなど、もうかなぐり捨てている。

「行ってみなければわからない」ドキドキ感。
「旅行ガイドをなぞる旅」の対極で、模範解答になるような効率重視で唯一絶対の
モデルコースがあるわけじゃないから(それを求めてもいないから)、
前に進んでみなければ結果は分からないし、失敗もまた味わいになる。

飾らない、ありのままのほのぼの感。
食事を取る時間がなければバス停でコンビニ飯を立ち食い。
(コンビニ飯にパクつくタレントを映し出す旅番組がこれまで存在しただろうか?
でも、これこそが実は「旅のリアル」だと思う)
メンバーの誰かがトイレから戻ってこなくてやきもきしたりする。
名もない町で飛び込んだ名もない喫茶店で、心の底から一息つく。

見終わった後で、番組の盛り上がりとは裏腹に、自分の生活の我に返り、
今部屋の中にいる自分が何も変わっていないことに気づかされ、少し哀しい気分にすらさせられる…。
他のバラエティーやドキュメンタリーにもあまりない、それだけのパワーのある番組だと思う。
次回も期待。

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