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朝4時過ぎに目覚め、民宿の若女将が作ってくれた朝昼兼用のおにぎり弁当を携え5時前に出発、朝靄の中、27kmの峠越えのドライブ。
5:49 平ヶ岳の登山口。ここは県境を少しだけ越えて新潟県。この早朝でも駐車場には結構多くの車が停まっている(昨日から山に入っている登山者の車もあるだろう)。山頂への単純往復だけでも歩程20km、10時間。なかなかの長丁場。ここと頂上との高低差は1300m。
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ヤセ尾根を登る。本当にやせた尾根。歩くスペースがごくわずかしかなく、しかも乾いた土肌で滑りやすく、両脇がすぐに落ち込んでいる所もある。さんざん歩いて疲労困憊のはずの下山時は要注意だな。
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登ってきた尾根を振り返る。下の方から徐々に靄が出てきた。
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天然のブルーベリーが。ここからちょうど道は急な下りに。「ブルーベリーポイント」と名づけたここ、帰り道(今度は急な登り)でもすぐにわかった。
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7:38 ヤセ尾根を登り切り、下台倉山(1604m)。
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下台倉山からはこれまでの西から南へ方向を変え、比較的平坦な鷹ノ巣尾根を行く。
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右手に平ヶ岳が姿を現し始めた。
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再び西に方向転換して鷹ノ巣尾根から下り、平ヶ岳を正面にして向かう。
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8:31 台倉清水。崖を降りたところに水場がある。今回持参したのは2リットルのスポーツドリンク。まだ給水は必要ない(帰り道ではここで0.5リットルほど水を足した。水量は「ちょろちょろ」といった程度だった)。
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樹林帯を抜けると、前方に池ノ岳が見えてきた。
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高度を上げていくと、池ノ岳から左に連なる平ヶ岳が見えてきた。
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黄色い花でも、昨日田代山で見たキンコウカとはまた別。キオン。
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池ノ岳の頂上が近づいてきた。
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オオシラビソの黒い松ぼっくり。遠目には梢に止まっている鳥のようにも見える。
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10:07 池ノ岳頂上。池塘が広がっている。向こうに見えるのが平ヶ岳。
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池のほとりに張り出したデッキに座り、しばし「天上の楽園」の静けさを楽しむ。
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平ヶ岳を目指して再び歩き出す。
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キンコウカの花畑
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平ヶ岳頂上へ続く緩やかな木道を行く。
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チングルマ。花の後、花柱が綿状になり、やがて風車のような実をつける。チングルマの名はこの「稚児車」から来ているという。
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10:40 平ヶ岳頂上(2141m)。穏やかな晴天、あいにく遠くの山などは見えない。
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周囲に何人かいる登山者の話し声の中で食事をすることもないかなと、またすぐに歩き出す。前方は池ノ岳。
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少し余裕がありそうなので、まっすぐ帰路をたどらず、奇勝「玉子石」を目指してみようと思う。谷間のコバイケイソウの群落。この下の水場で0.5リットルほど水を補給。
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玉子石へと続く稜線の木道を行く。
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爽やかな草原の花畑。
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11:20 玉子石。池塘を見下ろす、岩の上に載った真ん丸の岩。民宿で持たせてもらったおにぎり、ゆで玉子、魚肉ソーセージのお弁当を広げる。誰もいない静かな昼食。
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池ノ岳に続く丘を歩く。タテヤマリンドウ。
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池を赤く縁取るのは…
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食虫植物、モウセンゴケ。赤い葉に粘液をまとい、虫を捕まえるのだという。
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右手に平ヶ岳の大らかな山容を望みながら歩く。
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草原と青空。
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12:00 再び池ノ岳の山頂へ。美しい眺めを名残惜しむ。
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この尾根を下っていき、向こうの山の稜線(台倉山~下台倉山の鷹ノ巣尾根)に取り付いたら左へ行く。
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台倉山の頂上手前、右側(南東側)に双耳峰の燧ヶ岳が見える。
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鷹ノ巣尾根を行く。午前中にはなかった強い陽射しが照りつけている。
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平ヶ岳、池ノ岳を振り返る最後の場所。
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下台倉山で鷹ノ巣尾根とは別れ、ヤセ尾根を下る。上から見下ろしてもなかなか急だ。
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尾根上で遮る物がないために容赦なく照りつける強い陽射し、幅が狭く滑りやすい足元、そして、早朝から10時間の歩き…腕時計の高度計測を数分おきに眺め、その数値が下がっていく(標高が下がっていく)ことだけを心の拠り所にしながら、ついに尾根を下り切る。
15:50 下台倉沢の水辺で休憩。
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エピローグ、緑が明るいブナ林の中を行き…
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15:59 登山口へ戻る。日本百名山、47座目を踏破。シャツを着替え、長ズボンをショートパンツに履き替え、登山靴をサンダルに履き替える。自分の車で来るとこの荷物の多さを気にしなくてよいのがいい。朝来た峠道をのんびり小1時間走り、今日も檜枝岐温泉泊。