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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

井上ひさし「貧乏物語」

2022-04-22 09:34:39 | 日記

紀伊國屋サザンシアターで上演中の「貧乏物語」です。

井上ひさし作 鵜山仁演出。

大正時代「貧乏物語」というタイトルで、新聞に連載していた

河上肇というマルクス経済学者の評伝劇ですが

ご当人は、登場しない。

彼にゆかりのある6人の女性のお話です。

時代は、昭和9年。

河上肇は、治安維持法違反で拘置中。

その留守宅に、2人の女性が訪ねてくる。

以前、この家で女中奉公をしていた美代と早苗。

さらに、女優志望のクニも加わる。

そこに戻ってきたのが、娘のヨシ(安藤聖)

彼女は、銀行ギャング事件に巻き込まれ、警察で拷問を受け、足を悪くしている。

彼女の世話をしているのが初江。

最後に登場するのが、妻のヒデ(保坂知寿)

肇本人が登場しないどころか、主役の女性までがなかなか登場しない

珍しい舞台。

肝の座っているヒデは、色々問題を抱えている美代たちを

まとめて面倒を見る。

こうして、生活を共にするようになった彼女たちだが

時代の波は、容赦なく6人を襲い•••

国家による弾圧、それに抗う女性たち

井上ひさしさんの筆は、そんな彼女たちの逞しさを

描いてくれました。

ウクライナ問題が、連日報道されるなか、色々考えさせられる作品でした。