何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

歩き続ける

2015年10月21日 16時42分33秒 | Weblog
昨日12時に草津駅に着いた。
疲れ過ぎたか、何も食べたくなかったけど、東海道線ローカル列車で東京まで帰ると乗り継ぎ時間がなくて何か腹に入れたくて、駅の立ち食いそばに立ち寄った。
セルフサービスの店が今の僕には大変な場所だとわかったのはそばを注文してからだった。
駅に着いた時点で立っているのも辛いぐらいふらついていた。
「きざみそばのお客さま!。」
カウンターからよぶ声が聞こえた。
…行かなきゃ…
座った椅子から立ち上がろうとするが、足全体がプルプル震えて、すぐに立てない。
壁に取り付けられたテーブルをつかんで、バランスをとりながら必死で立ち上がりふらつきながらそばの鉢の置かれたカウンターへ。
杖をついてふらふらしながら鉢を受け取ろうとする僕に戸惑う表情で見つめる店員さんに、言わなくてもいいのに
「すいません、こんな身体なんで。」
と、言ってしまった。
言ったところで同じ事なのに。

カウンターからテーブルまで、震える足でもたもたと蕎麦の入った鉢を、汁がこぼれないように運ぶ。
昼時で店はいっぱいな客でいっぱいだった。
僕の姿を感じながらも、みんな蕎麦を食べる事に集中している。
誰か助けてくれるかなんて、つい願ってしまったが、みんなも必死で生きているんだ。
本当に出来なくなるまで誰かに頼るなんて思わないで生きていこう。
いろんな事を思いながら食べた蕎麦だったが、美味しかった。

草津駅12時半にローカル列車の旅が始まった。
乗り継ぐ事、5回。
小平駅に降り立ったのは10時半、10時間の旅はおわった。
駅からアパートまでの距離が果てしなく思えたのは、4日間の疲れか。

東海道ウォークは始まったばかり、11月の浜松ライブの前に草津駅から歩き続けるつもりでいます。