改造公認車検 「コッシーの公認車検日記」

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フルバケットシート車検対応 試験

2022-05-15 09:19:12 | 公認車検
こんにちは!
今日は改造車の安全の部分を考えてみようかなと思います。
例えばフルバケットシート!!
レースの世界では必須のアイテムでFIA認証などレース独自の安全基準などもあります。
一般公道を走る車では、技術基準・EU協定規則などの基準があります。

まずレース基準って、基本はヘルメットやハンスやハーネス付けてっていうのが基本の基本。
一般公道はヘルメット等は付けて乗りませんよね。だから考え方が違う。当たり前のことですよね。

画像は今月の試験内容の一部ですが、ヘッドレストの試験のなかの一コマです。

6キロを超える重量の頭部模型インパクターに減速度センサーを組み込み25kmの速度でぶつけます。

この重量の物体がこの速度でぶつかるって衝撃どのくらいか想像つきますよね。
一般的なフルバケットシートならたったこれだけの重量で15センチメートルは後方に変形します。

この技術基準って試験業務をやっている身としては、すごくよくできてるなと思いますね。

フルバケットシートはその構造上、スポンジ材はあまり使ってません。

シート全体のゆがみで衝撃が吸収されてます。

シート本体が頑丈なら、減速度が増して頭がクラッシュする。シートが柔らかすぎるとシートが壊れて頭がボディーのどこかにあたり頭がクラッシュする。

要はヘルメット等つけていないので、一般公道でバケットシートを使う場合はシート本体の構造や位置がすごく大事という事です。

特にシート裏のクリアランスが小さい車(MR-Sとかロールゲージが張り巡らされてる車)はシートの位置や周りに気を使ってほしいなと思います。

人って55kgだとしても、走ってる時の運動エネルギーってすごいんですよ。

車がぶつかったときにシートが体重で変形する量ってハンパないですよ。

シートの後ろ側にきちんとスペースを確保しておく、スペースが確保できない場合はヘッドレスト後面とロールゲージなどの固いものの間に厚めの衝撃材を入れておくように。

そうしないと事故などの時に後頭部が直接ロールゲージに当たるようなような状態になります。

車両製作時にはこんなことも少し考えてみてくださいネ。

試験業務やっている側からの豆知識でした。


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