改造公認車検 「コッシーの公認車検日記」

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★「車検対応品」「保安基準適合品」について考えてみましょう

2019-01-24 09:35:32 | 公認車検

★「車検対応品」「保安基準適合品」について改造車検屋目線で考えてみましょう。

道路運送車両法施行規則の一部改正がH29,7,19にありましたので書面を求められるのは当たり前なのですが、そちらも踏まえて疑問点を考えてみましょう。

車検に落ちた・車検通らなかった・・・・
最近車検時に今までそのまま通ったのに、適合する書面を出してください・・・って言われた的な相談が多い。

ようは検査時に改造され部品を変えた場合は年式や部品により求められる規程が違いますが、目視で判定できないものは書面の提出が必要になります。

例を言うと、社外キャリパー・社外シート・バケットシート・社外シートレール・スポーツ触媒・トラックリアバンパー・ドアヒンジ変えた・ダッシュボード・シートベルト取付装置・などなど(年式によっては目視でOKなものもあります)

ここでみそになるのが申請者(受験者が)が基準に適合する書面を出さなければいけない。ということです。

画像の車検場側のお知らせが1年半前にありましたが、あまり理解が進んでいませんね。

★ちょっと用語の解説。

これはたぶん、指定部品制度や車検対応品パーツや保安基準適合品というものが理解を複雑にしています。

平成7年に指定部品の制度ができましたが多くの方が勘違いしていることは??

◆「指定部品は改造してもいい自由な改造できる」という勘違いです。
指定部品は基準に適応していて範囲を超えていなければ、指定部品を取り付けた状態で受験する際に改造届け出がいらない部品。という意味になります。

◆次は車検対応品 、これは車検(登録済み使用過程車の検査)に対してのみ対応。

◆保安基準適合品、これは新車基準を含み基準を満たしているというもの。

★自動車メーカーが販売してる完成車は型式指定車となり全ての基準を満たすことが完成検査証により保証されています。
つまり各基準は型式により固定されています。

★また一から自作で手作りの車をつくるとします。
(組立車)
この場合、日本の基準においてすべての保安基準の適合が求められます(保安基準は協定規則、技術基準を含みます)
よってすべて保安基準を満たした部品やフレームと一体で求められる基準が求められます(これが新車基準です)
そして登録されることにより、各保安基準が満たされ車として保安基準が固定され完成車として完結します。
そのあとの継続車検では車検に基準のみ求められます。
つまり車検対応でOK。
(組立車を新規で作る際に新車登録時は車検対応品を使って車を作っても保安基準に適合しないことがわかりますよね)

★そこで、ユーザーさん新車登録済みの使用過程車の一部の構成部品を改造します。
その際求められるのが年式や部品により、車検対応にするため求められる書類が異なります。

かなり古い年式の車の場合は、簡単な目視でOKなものが多い。

平成前半くらいの年式は、旧技術基準を満たす書類や車検対応品でOKなものが多い。

平成後半くらいの年式は、使用過程車として固定されてる基準を利用できる要件を満たした部品は簡単なものが多いが。
部品により新たに新車規程が適用されるので技術基準や協定規則を取り直すことになります。

上記それぞれの部品にあった書面を出す。

★言葉の意味はざっくり分けるとこうなります。

◆保安基準適合品、つまり年度や対応車種を限定しない保安基準適合品というのは広い意味になり、現行基準にも適合ということになります。
という事で重要な部品やフレームと対になる部品では保安基準適合品は成立しません。

世の中のすべての部品に保安基準適合品があれば、それを組み合わせて自由に自作の車が作れることになります。
そうゆう意味で保安基準適合品ということは難しい言葉になります。
また新車規程では排出ガス・ブレーキ・座席・ベルト取り付け装置・衝突系などなどはフレームを含む協定規則、技術基準になります。
つまり部品単品では協定規則・技術基準はとることができない。
そういった部品は部品単体では保安基準適合品というのは部品によっては高年式では難しいですね。

◆車検対応品、これは業界が作った言葉になりますが,使用過程車(新車規程に適合しているといってるわけではない)において、車検の基準において問題がないということです。
(ある程度あたらしい車で技術基準に抵触する部品は、技術基準は完成車としての技術基準を使うことに問題がないや、登録車に準じているなど)
新車の基準は満たしているかは定かではないが、車検はOKということ。
車検においては新車規程を確認する検査をしてるわけではないので、当たり前ですよね。
ただ改造の範囲や年式によっては改造に際に新車規程に立ち戻るものもあるので、その場合は保安基準に適合が求められます。

★まとめ

ちょっと余計わかりにくくなってしまいましたね。
要は各年式、各パーツによって適用される規程が違いますので、よく理解して受験者が出す書面が変わるということ

また偽装された書類を出すことや自分で偽装した書類を出した段階で、行使になってしまいますので注意が必要です。
(ネットで拾った偽装書類を行使しただけでも禁止であり事件ということ)

自分なりにわかりやすく説明したつもりですが、どうしても私が書くと規程っぽくなってしまい解りにくくてすいません。

車検時に書面の提出が必要!指定部品・保安基準適合品・車検対応は意味が違う!とだけご理解ください!

そしてきちんとしたコンプライアンス重視のメーカーさんのパーツは安心ですが、売りっぱなしの海外試験品などは必ずしも試験が成立しているといえないものや、技術基準、協定規則の偽装品はもってのほかということになります。
メーカーによっては、基準に適合していないものを、車検対応品や保安基準適合品とうたい販売しているものもあるでしょう。

だいたい書面が求められるのは第三者に被害が及ぶ部品が多いので、受験者さんが罰則を受ける話になります。

きちんとしたメーカーさんの部品を使い、カスタマイズ・チューニングを楽しみましょう。


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