進展はあるのか、チベット問題
5月6日から10日までの胡錦濤・中国国家主席の訪日は、平穏裡に実施された。日・中両国は、アジアの隣国であり、首脳の交流などを通じて友好関係を発
展させることは自然なことであり、評価される。
しかし、「戦略的互恵関係」の促進を謳った共同声明の発出は行われたものの、
実質的な成果は、パンダ2頭の有償の「貸与」位であり、昨年4月の温家宝首相
の訪日、同年12月の福田首相の訪中を受けての中国最高首脳の訪中としては双方
の政治決断を要するような成果に乏しかったとも言える。
チベット問題についても、7日の首脳会議において取り上げられたが、胡主席よ
り、人権問題などではなく、「祖国の分裂か統一かという国家主権の問題」とし
つつも、「接触、話し合いを通じて、問題を解決したい」との意向が説明され、
この問題についての中国側の立場を理解して欲しいとの要請がなされた。これ
に対し、福田総理より、国際世論の懸念に言及しつつ、「話し合いを通じて状
況が改善すること」を期待する旨表明されたと説明されている(日本外務省の
会談概要説明)。共同声明には、「基本的かつ普遍的価値の一層の理解と追求の
ために緊密に協力する」との間接的、一般的言及に止まっている。
この問題は、人道問題として国際世論で懸念が示されているが、中国側としては、国家統一に係わる「主権問題」としており、問題の難しさをにじませている。それでは、チベット、中国間の合意はあるのだろうか。
今週発売の週刊「ダイヤモンド(5月17日号)」に私の評論「チベットと中国
の合意はあるのか、北京オリンピック成否の行方」が掲載されております。皆様
の理解の一助として頂ければと思います。
5月6日から10日までの胡錦濤・中国国家主席の訪日は、平穏裡に実施された。日・中両国は、アジアの隣国であり、首脳の交流などを通じて友好関係を発
展させることは自然なことであり、評価される。
しかし、「戦略的互恵関係」の促進を謳った共同声明の発出は行われたものの、
実質的な成果は、パンダ2頭の有償の「貸与」位であり、昨年4月の温家宝首相
の訪日、同年12月の福田首相の訪中を受けての中国最高首脳の訪中としては双方
の政治決断を要するような成果に乏しかったとも言える。
チベット問題についても、7日の首脳会議において取り上げられたが、胡主席よ
り、人権問題などではなく、「祖国の分裂か統一かという国家主権の問題」とし
つつも、「接触、話し合いを通じて、問題を解決したい」との意向が説明され、
この問題についての中国側の立場を理解して欲しいとの要請がなされた。これ
に対し、福田総理より、国際世論の懸念に言及しつつ、「話し合いを通じて状
況が改善すること」を期待する旨表明されたと説明されている(日本外務省の
会談概要説明)。共同声明には、「基本的かつ普遍的価値の一層の理解と追求の
ために緊密に協力する」との間接的、一般的言及に止まっている。
この問題は、人道問題として国際世論で懸念が示されているが、中国側としては、国家統一に係わる「主権問題」としており、問題の難しさをにじませている。それでは、チベット、中国間の合意はあるのだろうか。
今週発売の週刊「ダイヤモンド(5月17日号)」に私の評論「チベットと中国
の合意はあるのか、北京オリンピック成否の行方」が掲載されております。皆様
の理解の一助として頂ければと思います。
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