塩哲の色即是空

私の日常の活動状況を飾り気なく、素のままで表現する。

街を巡る 湘南の海 開高健記念館_3

2009-04-30 06:22:49 | 街巡り_09
 続いての部屋は企画展示室で、今年の9月まで自筆原稿が展示さ
れている。壁面一杯に出版された書籍の数々が鎮座していた。目を
凝らして眺めると、私の知らない目にしたこともない本も何冊かあ
り、我が家の本棚も完璧ではなかったことに、少し意気消沈。
 この部屋には今まで愛飲されたであろう酒瓶が無造作に並んでい
た。そして、やはりモンブラン149の極太ペンによる、滑らかでお
おらかな書体で原稿用紙を埋めている生原が展示されていた。中で
も「日本三文オペラ」のコーナーでは、息を呑む状態で神妙に拝見
させていただいた。また、純文学の“闇三部作”といわれる「輝け
る闇」「夏の闇」「花終る闇」の原稿を眺めるのも心踊った。
 展示されている生原だけの判断であるが、ペンが滑るように書き
進んだように見え、髪の毛をかきむしったり煙草を吸ったりして、
長時間の推敲した跡は微塵も感じなかった。森羅万象の如く泉のよ
うに途切れることもなく、言葉やアイデアが瞬時に出てきたように
思える。それとも、ここにあるのは入稿する前の清書原稿なのかな。
(神奈川県茅ヶ崎市東海岸南6-6-64)
「パニック」生原稿  蔵書数々  闇三部作の頃

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