昼のバイトを終え、用事があっていつもは南へ下る道を、昨日は北へ上がった。
すると前方に見覚えのある丸顔のおじさんが…。
向こうも こちらを見ているぞ。
そう!わーさんだ。
キリンビールのサーバーのメンテナンスの会社の人だ。あっちも たまたま振り返った時に私を見つけて、満面笑顔になっている。
「わーさん、元気?お久しぶり。」
TETEオープンの頃、ずっと お世話になっていた気さくなおじさん。何年振りかな?ホント、バッタリでした。
「私ね、六甲道に移ったのよ。」
「知ってる、知ってる。聞いてるで。今、担当 誰?山本?」
「あの人は辞めたよ。」
「宮木か!」
「あの人も、もうすぐ変わるねんて。」
ほんとうにキリンのメンテナンスの人は、覚えきれないほどのサイクルで変わるのだ。
「もう覚えらんないからさぁ~、わーさん以降、覚えないのよ。覚えても すぐ変わっちゃうでしょ。」
わーさんは終始ニコニコしていた。
「サンプルもろた?」
「うん、新しい麦芽100%のビールでしょ?1缶もらったよ。」
「もっと持って帰り。車にあるから待ってや。」
わーさんは、ビールと焼酎のサンプルとウーロン茶を2缶ずつと、キリンビールのタオルハンカチなどを箱から次々と出してきて、私の持ってる紙袋の中に どんどん放り込んでくれた。
「ありがとう!実は今日、誕生日やねん、私。やっぱり酒好きには、神様が お酒をプレゼントしてくれるようになってんねんなぁ~。」
わーさんがバッカスに見えてきました。
「うちも来月で まる8年。9年目に入るんよ。」
「もう そうなるか~。頑張りよ!」
「わーさんも、いつまでも元気で頑張ってよ!」
そして わーさんと私は別れたのでした。
全くの偶然の この わーさんとの久しぶりの再会は、心にいい風を吹かせてくれました。それは昔のTETEのすぐ近くの道で、私は初心を思い出し、『また頑張ろう!』と、重くなった紙袋を持って歩き始めました。