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ソニーが危ない!―SONY10年の天国と地獄

2007年08月04日 08時06分38秒 | 読書評
ソニーが危ない!―SONY10年の天国と地獄
荻 正道
彩図社

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ソニーが危ない!―SONY10年の天国と地獄を読みました。

2003年のソニー業績悪化(ソニーショック)を当時の社長出井氏を取り巻くソニーの状況がドキュメンタリー風に書かれています。ソニーという企業は、日本を代表するメーカーであり、ブランド戦略と技術力をうまく融合させたその企業イメージをもっていた。ソニーを起業した盛田氏、井深氏の両巨頭の進めたきた事象も記述されていて、ソニーという企業の実情がわかってそのイメージとの乖離が明らかにになるので読み進むにつれて面白みが湧く内容であった。

読むにつれて、思い起こすと昔は、斬新的な製品をどんどん出す企業であり、オーディオ、ラジオなどかなり良い音質を提供するオーディオを中心としたメーカーだなと思っていたが、その当時はまだまだ、盛田氏、井深氏の影響力の強い企業で、社長は両者から変わるものの、そのバックグランドに歴代社長は助けられてきた。技術を高め、ブランドイメージを元にして、新製品の展開に果敢にチャレンジする企業。盛田氏の拡大路線経営と井深氏の技術追及に固執する部分とがうまく融合して成長と企業イメージをうまく定着させた。そして社員の士気もソニースピリッツというものを育成しはぐくんできた。

歴代の社長交代の後、出井氏が大抜擢で社長就任のころは、そういう企業文化と技術力をアピールできる製品が乏しく、家電、オーディオ、コンピュータ市場も飽和し低コスト化と各社の競争のもと差別化ができない時代になっていた。そのような状況のなか、SONYというブランドと企業運営の乖離、ベンチャー気質から抜けきれない社風、社内情勢が明確に記述されている。大企業ではあるが、その実態としては、本業のエレクトロニクスをベースにした企業の拡張に伸び悩み、金融、映画、ゲームなどへの事業展開を図る混沌とした状況が良く書かれている。

SONYというものにもっていたイメージは、早くからカンパニー制をしき、そういう状況にも果敢にチャレンジし、その意思統一も大きくは固めながらすすめている力ある企業という印象とは大きく異なり、ベンチャー気質が根強く残り、企業経営としても本業で収益を取るということにあまり重きをおかず、よくも悪くも変わり身の早い企業体で社員もそれに追随してよいものかどうか疑問を持ちながら進んでいる様子が良く書かれていた。

個人的には、SONYという企業は期待する会社であるが、その実情が把握できる本としては、大変面白く読める内容でした。

これもBook Offでゲットしました。ほんとに低コストで本をゲットできるので重宝しています。

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